震える携帯電話
愛なんぞそんなもん
またわたし うらむうらむ
君も誰かを呪ってる
ママとパパとの愛のため
ぼくがあいつを呪ってる
君とぼくとの未来のために
震える携帯電話
愛なんぞかたちなし
でもわたし、いきる くらす
いつもの窓辺で外にぶらぶら足を出して座っていた。
『君が足をぶらぶらしてるときは何かあるときだな。』
先生は後ろから声をかけると、私と反対向きに座る。
そして、私は驚いて横を向く。
「なんで?…なんでそう思ったの?」
『大体そうだろ?』
「楽しい時だってぶらぶらするよ?今、楽しんでるかもよ?」
『「だって」とか「かも」とか、絶対楽しんでないだろ(笑)?』
先生は優しく朗らかに笑うと頭をぽんぽんする。
「先生、よくわかったね(笑)。あ、今日もアルいないの?」
『アルは勉強熱心だからな。それに私と違って沢山の教師仲間がいる。』
「何それ。先生に仲間がいないみたいな言い方。別に教師仲間なんていなくていいじゃん。ほら、ここに生徒仲間がいるでしょ(笑)?」
先生は恥ずかしそうに笑うと私の頬をぷにっとする。
『私の話はいいから。君の話を聞かせてくれ?』
相談に乗ってくれるとき、先生はいつも朗らかに笑う。
「特に何かあるわけじゃないんだけど、私単体だとホコリみたいなものなんだなって。」
『なんでそんな事言うんだ?私が悲しいぞ?』
「ごめん(笑)。でも事実なんだよ。私1人だと教師もクラスメートの反応も違うんだもん(笑)。」
私がそう言ったとき、先生は横からギュッとハグをする。
「先生?」
『他の奴等が君に嫌な態度をとるなら代わりに私が特別な扱いをしてやろう。君、ハグするのは好きだったろう?』
「ハグは大好きだよ。「大好き」とか「もっと仲良くなりたい」とかっていう私の挨拶だから。」
『そして、君を落ち着かせるための方法だ。』
「先生本当に私の事よくわかってるね(笑)。」
私は先生からのハグをハグで返す。
『誰かと何かが繋がってないと不安になるんだろ?』
「生きてる実感を求めてるから(笑)。ねぇ、先生良い匂いする(笑)。」
私は握った先生の服をより強く握りしめる。
「でもね、良い事もあったよ。私の事、嫌いなんだろなって思ってた教師、私の事嫌いではなかったみたい(笑)。」
『そっか(笑)。それは良かったな。』
先生はもう一度朗らかに笑う。
私達は話し終わると、先生の部屋でいつものようにまた魔法をいくつか見せてもらった。
これは先生の励ましなのだろうなと感じながら綺麗な魔法を楽しんだ。
あんなにちっぽけなことでも笑わせてくれて
なんともないことでも楽しませてくれて
たいへんなことやくるしいことも
がんばっているきみが
すき。だから、
きみとずっと一緒にいたい。
僕が追い越して行った、昨日の僕。
決して無くならないし、腐らない。
いつまでもあるべきその瞬間の僕として立ち続ける。
成長した僕よりも、成長した僕の抜け殻の方がずっと、
カッコイイし、好きなんだ。
貴方の記憶。
貴方を愛したと言う記憶。
もし私が死んだなら
この記憶はきっと貴方と過ごした建物に。
貴方と過ごした道端に。
記憶のかけらが零れ落ちている事でしょう。
Memory
私の記憶は貴方の胸にありますか?
日常的な非日常の片隅に佇む貴方は私の光
一人の人に、こんなにも感情を揺さぶられることになるなんて思いもしなかった
貴方の声を思い出すだけで、どんなに辛いときでも幸せになれる
そんな魔法のような存在
僕はずっと君に憧れてた。
君は僕と違ってキラキラしてた。
ステージに立つアーティストのように、
私からは遠くにいるような君が、
同じ教室にいるだけで、
それだけで幸せだった。
君の世界に僕が入ることなんて、
絶対にないから諦めてた。あの頃は。
でも、今僕の隣には君がいるんだ。
どうして?
願いなんて、叶ったことがない僕の隣に。
君とは反対の世界を生きる僕の隣に。
そして、君は僕の目を見て微笑むんだ。
ねえ、どうして?
僕の声が君に届いているなんて。
生きてて良かったなんて、初めて思ったよ。
君とか貴方とか、似合う呼び方をさがしても
それは仮のものにしか見えないくらいの
特別の「〇〇」にしかみえなくて
でも元々人の名前を呼ぶのがとても苦手で
呼べないの
でもそんなこだわりはどうでもいいのよ、
いちばんたいせつなのは
いま君がこの世の、私と同じ国にいて、同じ都道府県に住んでいて、同じ学校の同じ部活で、幸せなことにクラスも同じで、
それが繋がって
私と出逢えたってことじゃないかしら?
突然の君の行動の意味は分からないけど
私が君と目が合わせられないことが
その先の展開を私の心を
写しているように見える