できたての琥珀で眠る蜉蝣
指で掬えば、甘い黄金糖
あした髪を切る予定だから
いまのわたしを目に焼きつけてね
指先がすこし重なって
背中まで絵の具が弾け飛ぶ
そのほかはいらない
つま先でふれるのも
怖くって遠くからながめてる
背中押して!南風
弱りだす心臓を君とわかちあう
そのために必要な感情
1分の1のスケール感で
だきしめ続けていたい
宇宙にも置きざりにされていた
僕たちに必要な感情
2分の1のシャープをかけて
爪でなぞって 笑いあう
今日が終わった。
はい。
私の生きた歴史は1日増えました。
これが教科書みたいに
カラーで分かりやすく遺されて
使われなくなったとき
私が死んだときに
中身の色は褪せていく。
そんなこんなで今日も
私は歴史を積み立てた。
偉大な1日だ。
いつかこの私の教科書に、
君が掲載されますように。
私の将来を、
改訂してやる。
別に嫌ってない。
ただ、好きではない。
この世から消えて、とかじゃない。
この世でひっそり生きて。
あなたが悪いわけじゃない。
良いとは思わないけど。
そのうちいなくなるのは知ってるけど。
「そのうち」が長い。
昨日は赤色
おとといは青
一昨昨日はピンク
今日は黒
自分は気持ちが色で現れる
明日は何色かな
午前中で学校は終わると言っても
退屈でしかたがなかった。
2年C組の神崎永魅理はホームルーム中
ずっと窓の外の空を眺めていた。
正しくは、空の中に浮かぶ『何か』なのだが…
「次は11番か、11番の奴ー。」
「…。」
「おい、神崎、お前の番だ」
「えっ、なにが?、あっ何がですか」
「はぁ、お前は外を見ながら寝れるのか…
器用な奴だな、自己紹介だよ」
「あっ、はい、11番の神崎永魅理です。
元1-Dです。趣味はオカ本漁りです。
これで大丈夫ですか?」
「あぁ、次は12番の北村ー」
「………」
「………」
「………」
また彼女は視線を窓の外に写した。
(あれ、いなくなってる……まぁ常に見かけるけど)
空にはく雲がなん欠けらしかないその虚空を
ただひたすら眺め続ける彼女は学校では不思議ちゃんで有名な人物である。
たまに不可思議、摩訶不思議とも言われている
彼女、神崎永魅理(かんざきえみり)は
全身緋色の格好をしている。
髪やブレザー、スカート、さすがに
ブラウスは白だかほとんどが緋色と
服装自由な桜ヶ崎のなかでも
群を抜いて奇抜な格好をしていた。
今日、空が澄んで綺麗だったって、
一体、何人の人が気付いたんだろ
皆、地面とスマホばっかりみてるよ
なんかばかみたいだよね
午前中で学校は終わると言っても
退屈でしかたがなかった。
2年C組の神崎永魅理はホームルーム中
ずっと窓の外の空を眺めていた。
正しくは、空の中に浮かぶ『何か』なのだが…
「次は10番か、10番の奴ー。」
「…。」
「おい、神崎、お前の番だ」
「えっ、なにが?、あっ何がですか」
「はぁ、お前は外を見ながら寝れるのか…
器用な奴だな、自己紹介だよ」
「あっ、はい、11番の神崎永魅理です。
元1-Dです。趣味はオカ本漁りです。
これで大丈夫ですか?」
「あぁ、次は12番の北村ー」
「………」
「………」
「………」
また彼女は視線を窓の外に写した。
(あれ、いなくなってる……まぁ常に見かけるけど)
空にはく雲がなん欠けらしかないその虚空を
ただひたすら眺め続ける彼女は学校では不思議ちゃんで有名な人物である。
たまに不可思議、摩訶不思議とも言われている
彼女、神崎永魅理(かんざきえみり)は
全身緋色の格好をしている。
髪やブレザー、スカート、さすがに
ブラウスは白だかほとんどが緋色と
服装自由な桜ヶ崎のなかでも
群を抜いて奇抜な格好をしていた。
よく聞いて、
わたくしからおくる言葉に返却期限はないのですよ。
いたるところに栞をそえて、
雨にぬらしてしまったってかまいませんのよ。
だから詩集にわたくしの言葉を探してなんかいないで、もっとお話してくださいな。