リンッ
音がして
振り向いたけど誰もいない
「だれかいるの?」
問いかけると
風だけが私の頬を撫でる
また 歩き始める
今度は笑い声
小さい子どものように
クスクス笑っている
「誰なの?」
私は今度は振り向かず
その場に立ったまま
問いかける
「ヒトノコ」
ただそれだけ言った
あなたはだぁれ?
「どけ」とも言われない透明人間みたいな私だけど、
そんな私のことは嫌いじゃない。
悲しいときはみんなで泣いて、
嬉しいときはみんなで笑おう。
わっはっはと声を出して、
悲しさが飛び去ったら、
また一歩踏み出そう。
少し止まって休んだら、
またみんなで笑おう。
楽しいときはみんなで笑おう。
悲しいときもみんなで笑おう。
わっはっは。
ほら。
笑顔の花がまた咲いた。
悲しいときはみんなで泣いて
みんなで笑おう。
サイレンは叫びにも似ていて、
声を掻き消した。
苦痛な光が、
空々しく
夜空を巡る。
群がる影
眩しいライト
世界が赤かった。
壊れた匂いは、
焼き魚だった--------
もう、いよいよダメになってきた
マンガのタイトルどおりだな
「私がいてもいなくても」
地球は回って誰かは笑い誰かは泣いて、
私がいてもいなくても、誰も困らない
誰でもいいから困らせたいな
夏の装いの少女は
名残を残そうとしているのだろうか
私はどうだろう
みんなからしちゃあきっと足りない夏だった
君だけを探し求るのも楽しかったし
青春でもいいでしょう
わたしは何故かそれがよかった
「お、こkoハ何ナんda?」
「ハッ、ココハ封イnサれタ時
とwoナジ場しョノ1かくデごzaいマす。」
「つマリ奥馬ト?」
「サヨウニ」
「ダいbu変わッたノウ」
ここは奥馬市の一角、波波波き商店街
その路地裏で会話をしていた。
しかし、通行人は全く気にしない。
いや、聞こえないのだ。
「そロsoろ、体オ作ロうkaと思uノだが」
「新なニクタイヲデゴザいますka?」
「あぁ、そういうことだな」
「なれば私もそういたします。私は貴方様のために命をかけた身、おともいたします。」
「そうか。では、景気付けに
ぬしに新たな名をやろう。」
「ははぁ、ありがたき幸せ。」
「ぬしは、今日から狂骨砕だ。」
「さて、では無一では、なにもできぬ、 何かするか。」
「何処へでも。」
かくいうと彼らなぞの人物は、
どこかへ消えてしまった。
(おい、知ってるか、棟梁が復活したらしいぞ)
(そうなのか、でも誰からだ?)
(詳しくは知らんが狂骨砕なるものから)
狂骨砕が所々で口にしたことにより実体を持つ
『何か』達に復活したことが伝わってしまった。 時を同じく、桜ヶ崎高校では昼休みになっていた。 桜ヶ崎高校は、昼休みに校外の
ファミリーレストランや、ファストフード店、
喫茶店に自由に行ってよいということもあり、
付近の飲食店は桜ヶ崎高校の生徒達で
ひしめき合い、店側の嬉しい悲鳴を
作り出していた。
1-Cでも他クラス同様個々のグループ内で
どこに行くかを雑談していた。
「なぁ、どこ行く?」「マイク行かん?」
「いやぁ昨日も行ったやん!」「じゃあガルドは」
「長居したくなるやん!」
「どこ行きたいんだよ!」
彼らは一頻り雑談が住むと教室を後にした。
そして、教室にはいわゆる「陰キャ」と呼ばれる
者たちのなかでも群れないタイプである、
「ボッチ」が残る結果となった。
もうなんでもいいの
こんなあたしの存在なんて
どうでもいいんだから
ちっぽけなの人間って大抵
気づいたらいつも誰か増えてて
知らない間に誰か死んでるの
まぁそんなもんなのよ人間って
大体の人間は
生きる意味を
見いだせないんじゃない?
あたしだってずっと探してた
生き甲斐を求めて生きてるんでしょう?
刺激を求めて生きてるんでしょう?
あたしは運良く見つけたわ
人間ってね、
恋をすると生き返るの
一瞬にして世界が変わるわよ
誰にって?
貴方に決まってるじゃない
もうなんでもよくないわ
あたしの存在に、気づいて。
「待って!待ってよ!」
私がこれからすることの1番の恩恵を受ける人であり
おそらく1番悲しんでくれるであろう人は
やはり最後を見届けるこの屋上に現れた
「ダメ!私はあなたのそばにいちゃいけないの。
あなたは綺麗な白を纏う聖なる羊、なのに私は罪に汚れた醜い黒い羊、住む世界が違うの!」
屋上のフェンスを前に私は友達に言ってしまった。
「違う!私はあなたが好きなの、あなたを失いたくない!
たとえ周りからなんと言われようと私はあなたを信じるから!友梨奈ちゃん!」
その友達はフェンスに手をかける私を必死に止めるように名前を呼んだ。
その瞬間ヒガンバナの花ビラが落ちるように何かが私の心を開こうとしてる感覚がした。
「違うよ…虹花ちゃん…私だってあなたが好き…
でも…あなたは…私といたらきっと何かを失う…から…ねぇお願い!私を殺して!」
逃げたかった。あんな顔を友達にさせたこと、クラスの子に言われたこと、全てが次々に私の心を攻める。
もう私はここにいちゃいけない…
“私が犠牲になってあなたが幸せになるなら…”
願ってしまった、こんな残酷な願いを。
指にフェンスが食い込む。
“あの子にヒガンバナが渡るくらいならいっそ…”
次々と死ぬ理由が浮かんだ。
フェンスの1番上に手がかかる。
手に当たる風が強い…
あぁ、もう何も苦しまないでいい。
そう言って…
友達の苦痛に満ちた顔から逃げた。
私は結局最後まで厄介者でしかいられない…