気づいてない気がして
そんなわけもないはずで
まだ思いが浮いている
あの頃と何もたがわず
かつ交わらず
柄にもなくピンクに染まるのは
きっとスティルフォレルスケット
例えば傍に居られたって
飴みたいに小さくなれずに
場所をとっていたいね
とりあえずフォレルスケット
初々しさに身を投じる味
飽きっぽくたって開きっぽくたって
いつか戻ってる
貴方にフォレルスケット
大切に梱包したら「思い出」みたいだ!!
違う、忘れたくもないし失くしたくもない
現在進行形で あなたにこんなにも会いたい
え、とわたしは絶句する。
「最初にターゲットはアイツらって言ったのは、実はウソ」
本当は何も関係のない人間だよ、と師郎は笑った。
「最初から俺らが狙っていたのは、お前さんの背中だったのさ」
騙してスマンな、と師郎は謝った。
「じゃあわたしに審査員を頼んだのは…」
「お前さんを確実に呼ぶための口実」
師郎にそう言われて、わたしはえぇ…と呟く。
「まぁ、こっちも騙して申し訳ないとは思ってる」
でも稲荷がお前さんに会ってみたいと聞かなくてなぁ…と師郎は苦笑する。
稲荷さんはちょっと、と言いかけたが、すぐに諦めたような顔をした。
「…まぁ、私がアナタに会ってみたいって言ったのも、アナタを対決に巻き込んだ原因なのだけどね」
だから私からも、ごめんなさい、と稲荷さんは頭を下げた。
「でも、面白かったわ」
稲荷さんは顔を上げるとぱっと笑顔を見せる。
盛大な大学準備週間を抜け
束の間の休息期間が始まる
と言っても大学の友達と呼べる人はまだ…
かと言って高校の人に声をかけるのはなんか過去にすがってるような気がするので自然と避けた。
1人で色々やっても感じるのは結局
高校生と大学生の料金の違いとか
定期圏の変化とか
そんな休息らしくないことばかり
それでもまぁ気は楽になったのかな
久しぶりに前向きにここに書き込もうと思えたり
大切なのは世間的な休みらしい休みよりも
自分に合った休み方
ホームに押し出された
人混みまるでところてん
ところでところてんって
心太って書くんだね
にゅるっと図太く生きたいね
嫌いな人の夢を見て
ふっと目が覚めた
本当に嫌いになってしまったから
全部、消したはずなのに
もう少し、眠りたかったけど
またあの人が出てきたら……
怖くて眠れない
誰かに話したいけれど
まだ、話せない
胸がぎゅっと苦しくて
少し泣いてしまったけど
だいじょうぶ だいじょうぶ
震える肩を抱き締めて
深呼吸を一つして
思い出とはさよならするよ
「ははは…」
駄目だったか…と目を暗緑色に光らせた彼は言う。
「え、え…これはどういう事なの⁇」
わたしは2人の顔を交互に見ながら言った。
すると、向こうから不意に聞き覚えのある声が飛んできた。
「はーいそこまで‼」
見ると、少し離れた所に耀平とネロと黎が立っていた。
「対決は引き分けだな」
耀平はそう言って笑った。
「…そうだな」
「今回は仕方ない」
師郎と稲荷さんはそう言って耀平達の方へ歩み寄った。
わたしはその場の状況がよく分からなくて、思わず尋ねた。
「ねぇ、これはどういう事?」
対決のターゲットは…とわたしが言いかけると、目を光らせるのをやめた師郎が言った。
「あーそれはな…実はターゲットはお前さんだったんだよ」