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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 9.エルフ ②

…と、わたしはある事に気付いた。
4人の中で、黎だけがそっぽを向いている。
彼が会話に参加しないのはいつもの事だが、それにしても気になった。
「ねぇ黎」
わたしは思わず話しかける。
黎はちら、とこちらに視線だけ向けた。
「…どうかした?」
わたしが黎に話しかけたからか、残りの3人も会話をとめてこちらに目を向ける。
当の黎は黙ったままだ。
「黎、どうかしたの?」
ネロも気になったのかそう尋ねた。
黎は静かにネロ達に視線を向ける。
「…何でも」
そっかーとネロは答えた。
耀平と師郎は黙って見ていたが、何でもなさそうと分かるとさっきの会話に戻っていった。
わたしもすぐに意識が会話の方に向いて、さっきの事は忘れてしまった。

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初逆電

心臓を爆発させながらの会話
嘘みたいな現実
3人の話し声、笑い声、アドバイス
すべて忘れず頑張っていきたい

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夜明けの瀬に心が暮れるころ。

夜明けの瀬
心が暮れる
終夜(よもすがら)
宇宙の瀬にて
また座りこむ

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オタク

私の好きな漫画、アニメ、音楽を
おんなじように「好きだ!!」
って思っている人とは
なんだか仲良くなれる気がして
ついつい、話しかけてしまう

「この部分がこうでそれがすごく好きで…!」
「わかるよ!私はここが好きでね……!」
あぁ、こんなにも楽しくて、素敵なんだ
好きなものを好きだと、人に伝えることは

前の私は、
いわゆるオタクに憧れていて
何かひとつでもいい
あんな風に「大好きっ!」って
きらきら話せたら…って思ってたけど
気が付いたら、ちゃんとオタクになっていた笑

大好きなものが出来たこと
夢中になれるものが出来たこと
誇りに思って、いきてます!

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アナタハダレ?

「私は誰でしょう?」

その声が、僕の耳から離れない
貴方は誰なの?ねえ、教えてよ
返事はないまま、夕焼けこやけ、日が暮れた

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旅商人の売り文句

やあやあどうも、そこな御仁。そう、そこのイケてる貴方様。
へえ、ワタクシはほんのつまらん旅のアキンドってやつでして。
商い物もほんの些細な代物でございます。
へい、何を売っているのか、と? あれまあ興味がおありで。貴方様のような素敵なお方にお目かけいただけるとは何たる光栄。ええ、ええ、何も言わずとも、ワタクシには貴方様からビシビシとご立派な人物の御威光が感じ取れますで。
さて、ワタクシの商い物についてでしたね。いえ、何ね、ワタクシは往く先々で出会う皆々様方に、夢と希望をお売りしておりますので。そう、夢と希望に御座います。
あら、その顔、もしかしてお疑いで? どうぞそう警戒なされずに。ワタクシの扱う夢と希望は、これまでに出会ったどんなお客様にも、ドキドキワクワク、胸の高鳴りってものをお届けしておりますれば。
さて、貴方様もお一ついかがです? なに、気に入らなければお代金は全額きっちりお返しいたします故。どうぞお一つ。
え、なに、そんなら一つっきり? そう来なくっちゃあ! 貴方様ならそう仰ってくださると信じていましたよ!
それでは代金を……あら、小銭が多くあらせられる。ひぃふぅみぃよぉ……ええ、ええ、それでも確かにぴったり頂きました。それではこちらの箱を。
はい、ほんのちっぽけな小箱に御座います。ちょいとばかし開けるのにコツが要りますが、そこはワタクシが順を追ってお教えいたします故。さあ、さあ、カタカタカタン、ってな具合に、ほら、蓋が緩んだ。ここを滑らし、こいつを捻って、そうら開きます、開きます、それ開いた!
……え、何。空っぽじゃあないかって? けれど貴方様、この箱を開けようと弄繰り回している間、ずぅっと楽しそうだったじゃあありませんか。どれ、会ったすぐより、良い顔をしていらっしゃる。やり遂げたーって満足感があるでしょう?
え、騙されたようで気に入らない? いえいえ、そんならこちらの力不足、先ほど頂きましたお金は、きっちりお返しいたしましょう。どれ、硬貨が多いな、一つ、二つ、三つ、四つ……今、何どきで? はっはっは、冗談ですよ。これできっちりお返しいたしました。そちらの小箱は慰謝料ってやつです。どうぞ取っておいてくださりますれば。

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薄っぺら

他の人のポエムを見て
自分のポエムの薄っぺらさに気付く
それでも作り続けるんだ
自分なりのポエムを
ゆっくり 感じるままに

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歯車2

学校という大きすぎる歯車が動き出した
そこに繋がる学生という歯車に同じ力が加わり否応なく回り始める。
しかし当然同じ力じゃ歯車の大きさによって回転量に差が生まれる。
誰かが1周する間に僕は何周もしてその分エネルギーを消費する。
世界は時間という単位が人々に均等に与えられている。でもそれは時として不平等に映る。
ならいっそその不平等を勝ち取れるくらい効率のいい大きな歯車になりたい。
社会に追われない、消費されないくらいに大きく…

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イヤホン

他の人と自分との境目が曖昧な私
混ざりあって、時には侵食される
そうか、そうだった
こんなにも疲れていたのは……

‘’私”と‘’私以外”の境界線
この線は、私にとってすごく大事なんだ