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Daemonium Bellum:Angels Lapsus Ⅱ

「おい”ルシファー”」
見ると部屋の入口に帽子を被った人物が立っている。
「健康のためにも外へ出た方が良い」
その体はお前1人のものじゃないんだぞ、と帽子の人物は椅子にダン、と足を掛けた。
「アモン…」
ルシファーは微妙な顔をする。
アモンはべべ、と呼ばれた人物にも目を向ける。
「あとベリアル、お前ちょっと強引過ぎ」
もう少し優しくせい、と睨み付けた。
ベリアルはふふふと笑う。
「アモンはぼすの事が好きだねー」
「ちょっ違っ」
アモンはすぐにそっぽを向いた。
「別に好きじゃないから!」
ただ心配してるだけ…とアモンは顔を赤くする。
「うんうん、アモンは好きだもんねー」
ボクも好きだけどね、とベリアルはうなずく。
「と、とりあえず、俺は行くからな!」
アモンは気まずそうに部屋を出ていった。
「じゃあ行こっかー」
ベリアルはルシファーの手を引きながらそれに続く。
「え、ちょっと待ってよ」
ルシファーはそのまま引きずられるように部屋から出ていった。

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Daemonium Bellum:Angels Lapsus Ⅰ

太陽が高く上った昼下がり。
人里離れた森の片隅に小さな屋敷がある。
その屋敷の一角にある部屋で、机に伏している者がいた。
「…おーい」
起きて、と揺すられるが、その人物は顔を上げる気配はない。
「起きないの~?」
暫く揺すって、やっとその人物は顔を上げた。
「何か用?」
無理やり起こされた事に不服そうな顔をしながら、その人物は傍に置いておいた眼鏡を掛ける。
「やっと起きましたね」
ずっと揺すっていた人物はうれしそうな顔をする。
「ねぇ”ぼす”…外へ出ましょうよ?」
「断る」
”ぼす”と呼ばれた人物は、間髪入れずにそう行った。
「だってめんどくさい」
「そんな事言われても」
ずっと室内にいたら身体に悪いですよ~と金髪の人物は”ぼす”を揺する。
やめなさい、と言いながら”ぼす”と呼ばれた人物は相手を諫めた。
「どーせ、天使共がわたしを探しているから、外に出たって…」
襲撃されるくらいならここにいた方がマシ、と”ぼす”と呼ばれた人物はそっぽを向いた。
えー、と金髪の人物は不満そうな顔をする。
「もし天使に遭遇してもボクやアモンがどうにかするから大丈夫だよー」
だから外に出よーと金髪の人物は”ぼす”の腕を引っ張る。
ちょっとベベ…と”ぼす”は嫌そうな顔をした。
すると部屋の入口から声が飛んできた。

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5月。

紫がかった雲を、
綺麗な星空を、
明るい陽射しを、
賑やかな雨を、

全部、あなたと見られたら。

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普通

明日をいきるために「しにたい」と呟いた
今日の自分を励ますために「きえたい」と唱えた
気づいたらやめようにもやめられない習性になっていた

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♡~ヽ(´o`;

絶対助けに行く
待っててね、私

そしてたどり着いた
そう、ここは貴方の胸の中

助けないで

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てつだって

季節外れの冷たい風に吹かれて
冷えきった私の手を温めてくれる誰かが欲しい

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復讐代行 設定

喪黒闇子
県立TT北高校の2年生。2年A組
幼い頃に両親が離婚してからネグレクト気味の母と暮らしている。
ある時期以来クラスでは「陰キャ」と呼ばれ、クラスのヒエラルキーを強くコンプレックスに感じている。

桐谷青路
クラスメート
小学生の頃に「陰キャ」と呼ばれていじめられて以来いじめ、仲間はずれに対して強い恐怖を感じている。
高校デビューでどうにか陰キャ脱却はできたもののその恐怖は拭えず、陽キャのグループと少し無理しながら一緒にいる。

橘蓮
クラスメート
ずっと「陽キャ」で居続けるカリスマ的存在でクラスのヒエラルキートップ。
クラスのまとめ役もこなし、いじる時とそうでない時の使い分けもはっきりしていて信用も厚い。だが、そこにはただならぬ覚悟があり少し残酷な1面も?

小橋健太郎
クラスメート
橘蓮の幼馴染で同じくクラスのヒエラルキートップ
橘と違うのはカリスマでないこと。歪んだ正義感を持ち、それ故に「陰キャ」に対して嫌悪感を持っている

三浦祐介
県立TT北高校2年B組
桐谷青路の幼馴染で「陰キャ」というものに対して理解があるが揉め事が苦手なため、いじめに対して強くは出れていない。それでも陰ながらにサポートをしている。
(桐谷青路が立ち直ったのも彼のおかげ)

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復讐代行 ~第1話 異変~

目が覚めるとそこには見知らぬ天井が広がっていた。
どうやら死なずに済んだようだ。
「あ、目が覚めたんですね、喪黒さん」
そう言って看護師が歩み寄る。どうやらここは病院らしい。それにしてもよくある展開だ、記憶喪失モノだと大体ここから…
「自分の名前、言えますか?」
ほら来た、しかし幸か不幸か僕の記憶は鬱陶しいほど鮮明だった。
「桐谷青路です」
問題なく答えられた。
「…」
しかし看護師はどこか困惑した表情だ。
なぜだ?何も間違っていないはずだ、それとも上手く発音できていなかったのか?
「桐谷青路!20XX年5月N日生まれ!なんなら住所だって言えるよ!」
長めに喋ったが反響して帰ってくる言葉に発音のおかしな点は見受けられない…
でも、そろそろ気がついていた。
なんだ…?この違和感…
少し体を起こして感じる胸元の重み、
でもこれは気絶明けで体が慣れていないだけだと言い聞かせることができた。
男の声が…聞こえない…
こればかりは言い訳が出来なかった。
気絶の影響で声が出づらいなら喉の異変でわかるし、何より発音に問題がないことからも異変がないのは明らかだった。
そんな自問自答の間に病室に医者と思しき白衣の男が入って来ていた。看護師がその医者と話している内容までは聞こえなかったが、何やら不思議そうな顔でこちらを見ていることだけはひしひしと感じられた。
「担当医の福原です、もう一度お名前を言って頂けますか?」
「だから!桐谷青路!記憶には何の異常もないんだってば!何なんだよさっきからさ!」
「あなたの名前は喪黒闇子なんです」
俺は全ての辻褄が合うその情報にただただ目を丸くすることしか出来なかった。

to be continued…