襲撃開始から暫く、3人は森の中を走っていた。
空を見上げれば、何人かの天使がこちらを追跡している。
「…アイツら、何で急に襲ってきたんだ?」
「知らない」
「アモンが何かやらかしたからじゃない?」
「うるせぇ!」
お互いに言い合ったりしながらも、3人は追跡から逃れようと走っている。
「このままだとラチが明かないな…」
アモンはぽつりと呟く。
「じゃあ、あいつらを撒くために散る?」
「お、そうだな」
ルシファーの提案に、アモンは賛同した。
「ぼすがいいのならボクもそれに従う~」
ベリアルはのん気そうに答えた。
よし、じゃあ…とアモンはうなずく。
「解散!」
ばらっと3人は森の中でそれぞれの方向に散っていった。
だがすぐにひっと誰かの声とドサッという音が聞こえた。
「げっ」
まさか、とアモンは思わず立ち止まる。
「おいルシファー!」
アモンは名前を呼ぶが返事がない。
まずい事になった、とアモンは声がした方へ走り出した。
愛はまだ純粋で
ただ君の目に触れぬよう
耐え忍ぶのには恋心ひとつ
乞い錆びた鉄を剥がさるるまで
自分の気持ちを言葉にできないのは
私の言葉の引き出しがまだぜんぜん埋まってないから。
あの人みたいに
自分の気持ちを上手に言葉にして表現できたら…
そしたらもっと色んな気持ちが
色んな人に伝わるのかもしれない。
今私を表現する言葉って
どうしたらいいんだろう。
A「お前らはどの派閥よ?」
B「そらお前、天使様しか勝たんってなもんよ。あの神々しく美しい姿を見れば、誰だって頭を垂れるって。この間見た悪魔との戦闘での華麗な立ち回りなんか、ただっただ息を飲んだね」
C「馬鹿かお前は。悪魔のもたらす混沌は、人生観変えるぜ。俺なんか週1でサバトに出てるからな。大量の天使に囲まれながら見事に勝ったあの姿は、崇拝に値するって」
A「お前そんなんだから成績悪いんだよ。時間を勉強に使え。言っとくけどなぁ、最強は堕天使だからな。天使からも外れ、悪魔たちに与するわけでも無い中立的な立ち位置だからこその軽いフットワークとアウトローな雰囲気。それに何より、片翼ってのがかっこいいんじゃねーか」
B「中二病乙」
C「D、お前は?」
D「……こんな格言を知っているか? 『化け物を倒すのは、いつだって人間だ』」
B「こいつも大概中二病だな」
嘘つきの猫との旅
鞄の中には古い砂時計と宛名を書かなくても届く手紙
花の魂を集めながら、色々な場所を飛び回る
ああ、お前と行く場所は何処も奇妙で面白い
「おい!どうなってんだ!てめぇ、一体誰なんだよ!」
思わず“俺”の胸ぐらを掴んでしまった。
「おいおい、陰キャが青路に何の用だよ!」
近くにいた小橋健太郎が嘲るように俺を蹴り飛ばす。
「痛…何すんだよ!健!」
「あぁ?クソ陰キャが気安く名前で呼んでんじゃねーよ」
今の姿のことも忘れて思わずいつもの名前で呼んでしまった。
「あ、ごめん…」
「そういうとこがキモいんだよお前!」
いつも見てきた健太郎の顔がこんなにも怖く感じるものだったのかと改めて置かれた状況に困惑する。
「はっ、ちょっと責めたらすぐこれだよ!陰キャとのコミュニケーションは難しいなぁ!」
俺、いや私が困惑した隙をつくように健太郎は煽り立ててくる。これでこちらが殴りかかりでもしたら完全にアウトである。だからといって黙ってる訳には…
「まぁまぁ、その辺にしておいてやれよ」
教室に現れたのは橘蓮だった。彼もまたいつも一緒にいたメンバーだったが今は輝くヒーローにすら見えた。
「蓮もこう言ってるんだからさ、“闇子ちゃん”を攻撃すんのはやめてあげようよ、元はと言えば俺の“罰告”が原因なんだろうからさ、でしょ?闇子ちゃん?」
彼の言葉に続いて“俺”が健太郎を制した。しかも何やら言いたげな表情だ。
「う…うん…」
「まぁなんだ、悪かったな喪黒さん」
「え?あぁ…うん」
もはや状況への混乱と“俺”の表情に何も頭に入らず、生返事が精一杯だった。
そうして授業中は慣れない席、慣れない道具に四苦八苦しながらどうにかやり過ごした。
昼休み
「闇子ちゃん、昼一緒に食べない?」
“俺”から声をかけてきた。
「何の用だ、こないだの“罰告”の続きか?」
用があるのは明らかに私の方だったが、周囲の目もあったため“俺”は俺らしく“闇子”は闇子らしくなるように意識して返答した。
「それもいいね、でももっと大事な…」
そっとメモを私の目の前に見せてきた。
『体の入れ替わり』
その言葉に思わず反応してしまう。
「気に入ってもらえたみたいだね、また屋上でいいかな」
「わかった」
もはやそう言う以外の選択肢はなかった。
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露骨な表現を含みます。
苦手な人は見るのを避けてください。
僕の風車回れ回れ、向い風に押し倒されずに、力へ変えて
前へ進む追い風を、作り出し周りのモノに、与えてみんなで前へ進んでいこう。
風がやんでも、いつか風はふき、また僕の風車は回っていく。
ああ、今日もいい風が、僕にも君にも吹いている。
ケガして、顔に傷、心に傷がついて学校に行けなくて、気持ちを切り替えあと一時間でも 学校に行きたくなる。そんな、学校と友達を持っていることが、温かく、自分の傷薬だと感じた、桜木の緑葉の並木しげるこの頃。
とっても美味しいごはん
いつも忙しいのに
私のためにつくってくれて
「自分で食べたらあんまり美味しくないね」
なんて笑いながら
それでもたくさん、たくさん、つくってくれて
ぜんぶ、ぜんぶ、私の大好きなもので
ありがとうを伝えたいけど
直接はちょっぴり恥ずかしいから
ペンを手にとって、紙を広げて
ありがとうをいっぱい書くよ
ありがとう。お母さん。大好きだよ。