頭が痛いと
意識を保つのがしんどくなる
このまま何にもしないで
寝てしまおうか
目を閉じるけど、わかってる
やることあるよね
明日も学校だよね
頑張ろう、少し休んで、そしたら大丈夫。
頑張りすぎないように、でもやることはやる。
とりあえず、少し休もう。
いつまで経っても既読のままで
返らないメッセージを開いて
画面の向こうにいるのかすら
分からない君に溜息をつく
どれだけ待っても返さないから
私の語尾が愛想尽かして
もういいよ、って思った時に
返ってくるなんてずるいよ
「会いたい」なんて送れなくて
「ごめんね」ばっかり言い合って
「だいすき」って最後に
君が言ってくれたのはいつだろう
「さよなら」が辛いから
「ばいばい」なんてしたくないから
「ごめんね」が積もる前に
早く「だいすき」って言って
溶かしてほしい、
解いてほしい、
私の思いを大問一個分ほど。
いつまで経っても既読のままで
返らないメッセージを開いて
画面の向こうで悩んでる
君を想像して息を吐く
どれだけかかってもいいから
私の語尾も待ってるから
教えてほしい、ほんとの気持ち
返さないなんてずるいよ
解答期間は「さよなら」までだよ、
「だいすき」で誤魔化さないでね。
何度でも消して、また解いて、
へへへって笑って、「解けたよ」って言って。
序章
「舞さん、僕は明日海へ行きます。もう、戻ることはできません。あなたと過ごせた日々は私にとって、とても、幸せでした。では、さよなら」
彼の声はいつもと変わらず、いや、今まで一番冷たく、悲しげな響きだった。
運命の残酷さを知った。
自販機にわたしをなぐさめてくれる言葉がひとつもない時、哀しみと引換にいただいた小銭はどうしようもない雨にうたれます。
「あったかい」 を選んだはずの110円の予言者による自動音声---
「あなたに会えなかったことだけを描きしるす日記が、これから、わたしがある日を過ごした分だけ積み重なるよ。」
---が流れた後、光る赤色のランプは7777。
だからあしたも、君がいない金曜日。
君がいてほしい金曜日。
あの子はいつも笑っていた
でも 僕には作り笑いにしか見えなかった
ある日「その笑顔、本物?」と尋ねてみた
「あなたのそういうところ、キライ」
あの子は顔を歪めて泣いた
嘘の笑顔はもろかった
「とにかく目立って欲しいの、私たちが入れ替わってるなんて誰も気づかないし思いつくはずもない、だから私にあいつらの目を引き付けて欲しい、そしてできるなら奴らの弱みになりそうなこと、この際、いじめの決定的証拠でもなんでも構わないわ」
「とにかく目立てって、ここまでは用意周到だったのにここだけ急に人任せだな」
ここまで惹き込まれていた自分が情けなく感じられた。
「しょうがないでしょ!自分なんてどうなったっていいっていうメンタルで考えてたんだから!」
さっきまでの毅然とした態度から一転普通の女の子のような甘え様だ。とはいえ、自分の姿でやっていることがどうしても気になってせせら笑うことすら叶わない。
なんとももどかしい…というか気持ち悪い。
「はぁ、まぁ俺のやることはわかったよ、どちらにせよお互いのことを知らなければこの計画は成功しない。下手なバレ方をして面倒なことになるのも避けたいから、お前のことを一通り教えろ、学校での振る舞いはもちろん家の事、家での会話、部屋の使い方、その他諸々だ」
理想やら革命やらという輝かしい言葉に失望した途端に冷静になって必要なことが次々に思いついた。
「やっぱり話して正解だった、私だけじゃ私を大切にできない…だからあなたの…他人の体なら、きっとまだ生きたいって思えるって…」
“俺”は泣きそうな顔だった。
「でも出来なかった…結局私は私のことが嫌いで!自分じゃない誰かになりたくて!自分の体を誰かに押し付けたかっ…」
自分でも何故かわからなかった、しかし俺、もとい私の体は“俺”の体を抱きしめていた。
“何をしている…?俺の意思?違う…体が…勝手に…”
「何?あなた、そんなに優しかったっけ?」
「勘違いするな、俺じゃない、優しいとしたら…」
お前だ、という言葉は出す前に飲み込んだ。
言ってしまったら関係が変な方向に行ってしまう
そんな気がしてならなかった。
to be continued…
汚い言葉、凶器に満ちた世界で生き抜くこと
それはそんなに偉いのか
たまにそんな問にぶち当たる
活躍すること、名を残すこと、感謝されること、
偉いことなんて沢山ある
でもだからこそ、
その未来への門の前から逃げないこと
それが偉いんだ
ただ漠然と生きるんじゃない
死にたいという気持ちに打ち勝つことこそ偉いんだ
僕らの失敗が誰かを苦しめて
お互いの荷物の重みは分からない
だけど忘れないで
喜びと後悔似たもんでできてる
誰かと笑えるように
どうせなにも起こらないのが苦しいの
なにもできないのが苦しいの
おなじクラスじゃないのが苦しいの
一応おなじ空間にいるのもそれはそれで苦しいの
いつまでも思い出にすがっちゃうのが苦しいの
もう君のなんでもないのが苦しいの
どきどきしてたいだけなのそれもそれで虚しいの
もう会えなくなるのもそれはそれで
だけど
おなじ空間にいられるあと一年は
せめてせめて
君がくれたその感情で苦しませて
「…んじゃ、コイツと友達になれば?」
「え」
ネロに突然指をさされてわたしはつい困惑する。
「この人一般人だけど友達ほとんどいないし…」
「いやいやいや」
ちょっと…とわたしはネロに突っ込む。
ネロはえー何だよ、とジト目でわたしの方を見た。
「別に良いじゃん」
アンタも友達全然いないし、とネロは言う。
「この女とお似合いだと思うぞ~」
ネロはそう言ってニヤニヤした。
「…」
わたしは呆れて何も言えなかった。
「ふふふ」
不意に恵梨さんが笑った。
「ん、どうした?」
ネロが尋ねると恵梨さんはこう答えた。
「…いや、仲良さそうで良いなって」
「そうですか」
「そんなワケない」
わたしの言葉を遮るようにネロは否定した。
「…別に、コイツの事なんかどうでも良いし」
ぷい、とネロはそっぽを向いた。