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さざめき

時々、胸がざわりと騒ぐ

海の波のような
木々の揺れるような
小さな音が広がって

波は荒れ、風が強く吹き
嵐のような不安が
私を呑み込んでいく

大きく深呼吸をして
収まるのをじっと待つ

「大丈夫」
そう言い聞かせながら
やがて来る日常を
ひたすら待ち続ける

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時が止まった幽霊

私はエレベーターの側にずっと立っている。
...あ、◯◯だ!見ないうちに髪短くなってる。
後ろから肩を叩いて驚かせてやる!
ゆっくり、ゆっくり、近づいていく。
そして◯◯の肩にふれたーはずだった。
私の手はあっけなくすり抜けた。
そりゃそうだ。私は幽霊になったんだもの。
すぐそこにいるのに、なんでさわれないの?

誰にも見えない涙をぬぐった、ある夏の日

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休日

本屋へ行くと時間が止まる。
今日も君のこと、忘れられずにいる。

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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 10.ウロボロス ⑫

「…どこへ行くの?」
わたしは思わず尋ねたが、コマイヌはちょっとな、と曖昧な返事しかしてくれなかった。
「まぁとりあえず、おれ達も行こう」
そう言ってコマイヌはネクロマンサーと共に歩みを進めた。

また歩き出して暫く。
わたし達3人は相変わらず路地裏を歩き回っていた。
コマイヌ曰く、まだ円は移動しているようだ。
「アイツ…本当にどこへ行ったんだ?」
ネクロマンサーは疲れた顔で呟く。
「アイツがいそうな場所も探してみたけど、収穫はなかったな」
コマイヌも苦笑した。
もうそろ夕方だし、帰りやがったかな~とネクロマンサーは伸びをする。
「…ねぇ」
わたしはふとコマイヌに話しかけた。
「師郎達はどこへ行ったの?」
さっき離れて行ったけど、とわたしは聞く。