こんなにも辛いなら
いっそ夢に溺れてしまえ
布団の中でうずくまって
ひたすら眠れるまで耐えた
朝日が上る
すずめの鳴き声
結局眠れないまま、今日になる
たしかに棘は生えてるし、ぶち当てれば簡単に刺さるし、簡単には抜けないけれど、同士と寄り添うときは普通にしまっておくよ? だって、敵にそうするように痛い目に遭ってほしくは無いもの。
可愛げが無いなら 子憎たらしさを愛でればいいじゃない
独占欲が強いのが嫌い?
ならば それごと まるごと 愛してよ
梅雨。
雨の季節。
低気圧が頭を圧迫する。
太陽は隠れていて気分も上がらない。
ため息をついてぼんやりとする。
思い浮かぶのは君の姿
君は何よりも温かくて
曇っていても雨が降っていても
私の心を晴れさせた。
ねえ。会いたいよ。
また隣に来て悲しみで濡れて冷えた私の心を温めてよ
どうやっても火がつかないの。
好きでたまらなくて、君を温めたいのに
不完全燃焼で有害ガスばっかり充満してるよ。
ひとりじゃダメみたいだ、
雨に濡れた君を自分だけの力で温めたいんだけれど、
私だけじゃダメみたい。
私自体も濡れてちゃ火なんてつかないんだよ
一緒に温めあえたら、濡れた服も乾いて暖かくなるのかな
ねえ君は何を隠してるの。
腹が立ってしょうがないんだ
君は悪い所を直さないのに
私にばかり直せと言うの
私にはそんなこと言う資格ないんだろうけど
束縛してしまう。
信じれない
いなくなってしまいそうで
「…!」
まずい、と思ったネロは咄嗟に手を引っ込めようとした。
しかし手遅れだったようだ。
気付いた頃には、円の目を淡い青緑色に光っていた。
「隙あり‼」
ウロボロスはネロの手を掴んでそのまま引っ張ろうとした。
…その時だった。
ウロボロスの後頭部に、突然何かが直撃した。
「っ‼」
彼がぱっと振り向くと、地面には空き缶が転がっていた。
「…まさか」
ウロボロスがそのまま地面から目を上げると、そこには見知った2人組が立っていた。
「よぉ、ウロボロス」
師郎がちょっと手を振りながらにやりと笑った。
「…」
黎は師郎の隣で黙って立っている。