1年半が打破された
怒りさえ湧く愛情に
何も言えずただ謝って
馬鹿馬鹿しいのも気づき始めたよ
もうやめたい私が責任を詰むゲーム
昨日見つけた縁起でもない歌
今は本気で聴いてんのおかしいでしょ
わかんないから薄っぺらに感じてるの
成長できるとか落ち着けるとか
作文みたいなのは心底どうでも良くて
貴方に愛されてみたい
どうせ馬鹿馬鹿しいのなら
貫けなかった自分が信じられない
小学生のころ、眠るのがもったいなくて
でも、遅くまで起きていること、知られたくなくて
安っぽいランタンと布団の中に潜って
本を開いたり、絵をかいたりしてたこと、思い出した。
今は、眠ることが難しくて、苦しくて
でも、ずっと起きていると朝になっちゃうから
少しの涙と布団の中に潜って
スマホの画面を行ったり来たりしている。
あの頃に戻りたいな。
「何してんのよそこで!」
少女はずかずかと円に歩み寄る。
円はげ、環(たまき)…と後ずさった。
「ケンカは良くないって何度も言ったじゃない!」
そう言いながら、環と呼ばれた少女は円の耳を引っ張る。
「痛ててて」
もう何よみっともない!と環は円の腕を掴んだ。
そのまま環はその場から去ろうとしたが、ふとわたし達の方へ目を向けた。
「…ウチの円がすみません」
迷惑だったでしょう、と環はちょっと頭を下げる。
「え」
「別にアンタが謝らなくても」
皆は思わずそう言ったが、環は相変わらず申し訳なさそうな顔をしていた。
が、すぐに円に向き直ってこう言った。
「…とにかく、帰るわよ!」
環は円を引きずるようにその場から去って行った。
「…」
わたし達は突然の出来事に暫くポカンとしていた。
「…何だったの、今の」
「ははは」
わたし達は暫しの間、その場で立ち尽くすばかりだった。
〈10.ウロボロス おわり〉