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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 12.ユニコーン ⑫

「…」
わたしは墓地に1人立っていた。
…というのも。
「まさかわたし以外全員がパーを出すとはね」
わたしはかくれんぼの鬼を決めるじゃんけんで、見事に負けて鬼になってしまったのだ。
そしてわたしは、この広大な墓地に隠れている皆を探すハメになったのである。
「…それにしても」
わたしは人気のない墓地でぽつりと呟く。
「”今回は”、異能力を使っても良い、ね…」
わたしはさっき耀平が言った言葉を反芻する。
かくれんぼが始まる前、耀平は異能力禁止縛りはナシな、と言ったのだ。
普段彼らが遊ぶ時、ルールの1つとして”異能力禁止”というのをやっているらしい。
その禁止、というのを今回はナシにしたという事になのだが。
「完全にわたしへの嫌がらせだよね…」
わたしは思わずこぼす。

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machine human&human ~日常~

「そんなワケないってどういうこと?」
ヒノが落ち着いた時に僕はもう一度尋ねてみる。
「『人間と機械人間が幸せに暮らす街』だなんて、嘘ばっかり!そうやって幸せに暮らしてる所なんて片手で数えられるくらいしかない!」
「うん。確かにそう、だね...」
機械人間は「モノ」として扱われることが大多数だ。
そこを突かれると何とも返答しづらい。
「ヒノは最近怒ってばかりですヨ。もう少し冷静になりましょウ?」
ネムがひょっこりとリビングに顔を出した。
「はあ!?そんなことないし!」
「ほら、今も怒ってル」ネムが静かに返す。
「うるッッッさい!!!」
どうやら喧嘩が始まったようだ。やれやれ...。

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嫌になる

内から溢れ出す黒い感情。
嫌い。
もう戻れないの。
あの頃は知らなかったから仲良くなれた。
あんな性格してたなんて。
こんなにも黒い感情が、私から出ていることにもショックで。
もうあの場から消えちゃいたいよ。
本当は消えたくないのに。