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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 13.リャナンシー ⑩

「りいらちゃんならさっき見ましたよ」
男の人と一緒にいました、とわたしは付け足す。
「男の人?」
女の人は首を傾げる。
「えぇ、家族か誰かだったり…」
「りいらはわたしとしか来てませんよ」
そう言われて、わたしはえ、と言葉を失う。
「そ、それはどういう…」
「どうもこうも、りいらは私とだけで花火大会に来てるんです」
女の人は深刻そうな顔で言った。
わたしはまさか、と思った。
脳裏に“誘拐"の2文字が浮かぶ。
「…嘘」
わたしがついそう呟いた時、後ろから聞き馴染みのある声が聞こえてきた。
「あ、いたいた〜」
アンタどこ行ってたんだよ〜とネロ達が駆け寄って来る。

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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 13.リャナンシー ⑨

りいらって…昼間話しかけてきたあの子だよね?
でもさっき誰か家族っぽい人と一緒にいなかったっけ。
わたしが色々と考えていると、2人は話し終えたのかお巡りさんはその場から去って行った。
「…あら?」
女の人はわたしの方を見てポツリと呟く。
「あなた確かりいらと一緒にいた…」
「あ、どうも」
そう言えば、この人昼間にりいらちゃんと一緒にいたな、と思いながらわたしは答える。
「りいらちゃんがどうかしたんですか?」
わたしが尋ねると、女の人は心配そうに答える。
「…それが、娘が急にどこかへ行ってしまって」
さっきまで一緒にいたんですけど、と女の人は言う。
「娘を見ませんでしたか?」
「えーと」
そう聞かれて、わたしは少し考える。

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イヤホンを
耳にさしては息をする
この周波数に生かされている

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思い出の味

思い出の味は
どんなに綺麗に飾られた料理でも
どんなに星の多いレストランでもなく、

父や母の味だってさ

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あと半年、、
わたしはこの恋心を
どうすればいいの?
卒業したら
きっとわたしから離れてしまうでしょ

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別れのワルツ

うーたった、うーたった
「ストップストップ!」
アンサンブルを止める彼の声、
「バス、1拍目ちょっと間延びしてるからもう少し響かせる感じでできる?」
「わかった、やってみる」
私はその頃初心者でそれしか言えなかった。
もっと楽器ができるようになって彼ともっと話したい
その一心だった。

しかし気づけばもう卒業が迫っていた
卒業式の後、部内の演奏会をするのが
うちの部の恒例だった。
受験が終わって晴れやかな顔でみんなが集まる。

「久しぶり」
そう言って3年生が集まる。
卒業式の1週間ほど前だ。
当然ブランクもあるので、練習しなけれぱならないのはやっててすぐに感じた。
あの頃できたはずの理想の音…
彼に見てもらった思い出の音…
懐かしくてたまらない。

でも今は出来たら練習が終わっちゃうから
出したいけど出したくない音…

るんたった、るんたった

みんなでまたワルツに乗れた
やっぱり彼と乗るワルツは最高だ
この時間が終わらなければいいのに…

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TEENAGER

「あと何回、ここでサヨナラが言えるかな?」
そんなくだらない想いは夕方3時の喧騒に消えて行く
また意味もなく5日間を過ごして
変わり映えしない道を2人でまた歩いて行く
2日間また君を想って
そしてまた5日間を浪費して行く
別れなんて知らない。
知らないふりをしてまた今日も君を想っている。
あと何回、ここでサヨナラが言えるかな。

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「生きてきたのね」と想像と魔法。

貴方と私が出逢えば今からのことだけ時間を繋ぎ合わせているの。
でもね、貴方と私が出逢う前、貴方も私の知らないどこかで何かをして生きていたのね。
私もそうね。
貴方がどこかで存在していることが、
私のずっとずっと救いになるの。
私の生きるが延びる魔法なの。

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co2zr.0.5.1

死にたさと、息をしているだけ、の隙間に在る光を見つけてしまう僕たちの居場所。

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君といると楽しい
一緒にいられて幸せ
だけどね
たまに、ほんとたまにね
悲しくなったりする
この気持ちって何なんだろうね