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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 13.リャナンシー ㉕

うつむく小さな少女を見て、わたしは思わずこう言った。
「大丈夫だよ」
りいらちゃんはどういう事?と言わんばかりにこちらを見る。
「きっと大丈夫」
だって…とわたしは続ける。
「この街にはあなたの仲間がいっぱいいるから」
…どうしてそんな事言うの?とりいらちゃんは尋ねる。
「この街にはね、たくさんの異能力者がいるんだ」
だからきっとりいらちゃんにも友達ができる、とわたしは笑った。
「本当?」
りいらちゃんは身を乗り出して聞く。
「現に異能力者だったから仲良くなれたような人達がいるんだから、りいらちゃんにもできるよ」
友達、とわたしは笑いかけた。
りいらちゃんは嬉しそうな顔をした。
…と、ここで離れた川のすぐ側から声が飛んできた。
「おーい」
見ると、2人共何してるんだーいと耀平が話しかけていた。
「折角ならこっちに来いよ」
師郎もそう呼ぶ。
「あー、今行くー!」
わたしはそう言って立ち上がる。
そして足元のりいらちゃんに目を向けた。
「行こう、りいらちゃん」
りいらちゃんは少し驚いたような顔をしたが、うんとうなずいて立ち上がった。

〈13.リャナンシー おわり〉

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コロナ前最後の帰省

学校の終業式を終えて帰宅し、既に纏め終わった
荷物を持ってNRTに直行し
2時間のフライトを終えて親子3人
仁川国際空港第二ターミナルに降り立った
平昌オリンピックの前後だったな
オリンピックのマスコットがお出迎え
親父数日後に合流の予定
到着は夜の9時前後
空港鉄道で二駅ほど
ウンソ駅前のホテルに1泊
クリスマス前後の夜、非常に冷え込むので
駅の入り口側の食い物屋で串刺しのおでんとその場で蒸してくれる水餃子を人数分一パックずつ注文して部屋で窓から見える列車を見ながら食べる
一夜明け、叔母の住むソウルへ
しばらくは叔母の家に泊めてもらうことに
その後,母の郷里の田舎町へ向けてソウル駅へ
客車の窓が四角い客車列車の急行ムグンファ号南行麗水EXPO 行き
ソウル駅を出てからおよそ数分,龍山を過ぎたあたりで凍った川にかかる鉄橋を渡る
そう、この川は俺にとって思い出に残った出来事が多くまた韓国有数の大河として有名な漢江だ
そして、永登浦を過ぎるとソウルの郊外へ出る
世界遺産の城として有名な城のある水原に着く
懐かしいなぁ
この地にある世界遺産のファソン(華城)には家族4人で行ったことがある
台風のせいで華城列車という移動手段が使えなくて山のように建つ城壁の頂上から歩いて入り口まで雨の中傘もなく下りたのはいい思い出さ
そんな思い出の町を過ぎ、祖父母と俺と母さんとまだ幼稚園児だった弟と海を見に行ったアサン(牙山)の街まで南下して来た
ここまで来れば、禮山の町はすぐだ
大型の温泉保養施設で夏にはプールもやってる大型施設のパラダイススパの最寄り駅、道高(トゴ)温泉までやってきた
ここの駅は昔移設された経緯があって今の位置にあるそうだ
旧駅跡には廃線跡を活用したレールバイクの施設で親戚一同集まって遊んだっけ
そんな今までの母方の実家へ帰省した時の思い出に浸る12歳の日韓ハーフの少年、
目的の駅に着くまであと数分ということで下車準備をする弟,迎えの親戚から駅に着いたと連絡を受けた母親の3人を乗せてムグンファ号は田舎町、禮山の中心地から一駅手前の駅に着いた
数日後、親父を迎えにソウルの玄関口と言える空港に向けまた北上する
今度は客車の窓が楕円形のセマウル号が親子3人と故郷からソウルに戻る若者を乗せて北へ向かう

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勇気

ここまでこれたのはやり切る勇気があったわけじゃない。辞める勇気がなかっただけ。
ここまで生きてこれたのは生きる勇気があったわけじゃない。死ぬ勇気がなかっただけ。
でもそれを、世間では生きる勇気とか言って、もてはやしてるけど、自分は、ただ、勇気がなかっただけ。

かっこよくなりたくて13年間生きてきたけど、今はむしろかっこ悪くなりたい。
なんでだろう。
まあいい。理由なんていらない。明日も、明後日も。
かっこ悪い人を目指して生きていこう。
勇気なんかなくても、生きていけるって分かったから。

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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 13.リャナンシー ㉔

「それは…」
りいらちゃんは気まずそうにそっぽを向いたので、わたしはそれは?と彼女に近寄った。
「…1人じゃ帰れる気がしなかったから」
あと、大人と一緒の方が怪しまれないと思ったし…とりいらちゃんは恥ずかしそうに言う。
「…なるほど」
想像の斜め上すぎて、わたしはそれしか言えなかった。
でも、言われると腑に落ちるかもしれない。
「ねぇ、この事はママには言わないで」
言ったら許さない、とりいらちゃんは目をネオンイエローに光らせた。
「さ、さすがに言わないよ」
言ったら面倒臭い事になるだろうし…とわたしは続ける。
その言葉を聞いて、りいらちゃんはそう、とだけ答えた。
「…りいら、これから1人なのかな」
暫くの沈黙の後、りいらちゃんは不意にこぼす。
「この街で、独りぼっちなのかな…」

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気まぐれ

理想の言葉よりも
用意された言葉よりも
ふと言ってしまった言葉の方がいい

「好きやねんけど」

それくらいが丁度いい

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乗ってた時間こそ短いが

家族4人,2回台湾の地を踏んだ
1回目は、台湾の成田空港と言っても過言ではない桃園の飛行場から台北へ
2度目は、小港飛行場こと高雄国際空港から高雄市街へ
どちらもタクシー移動がメインだったけど、高雄と台南の往復の移動で乗った自強号や花蓮からの帰りで乗ったタロコ号、市街地の移動ではMRTの地下鉄は今でも記憶に残ってる
歴史の街,台南と港湾都市の高雄はかなり近いけど観光客も通勤客も運ぶ重要区間
島の西海岸にあって南端に近い中で1番栄えている港が高雄、そのやや北にあるのが歴史の街
まるで京阪間みたいだな
車窓も大都市とベッドタウンを結ぶような風景さ
タロコ号の沿線は、原住民が今も暮らし、国立公園があるタロコの山から流れた川が生み出した綺麗な海岸線がしばらく続く
海の反対側には山がそばにある関係で車窓はまるで伊豆みたい
いつか彼女ができたなら
見せてやりたいこの車窓
鈍行列車でノロノロと
乗れば海の風景を2人で独占できるはず
高雄の空港降りたなら
まずは地下鉄
北に行き
君に見せたい美麗島
駅の改札の天井は
ステンドグラスの装飾が
俺も一度は行ったけど
忘れられない美しさ
今もスマホの待ち受けに
そこから一駅
高雄駅
自強号で1時間
台南越えたらすぐに着く
嘉義の街にも行きたいな
不屈の闘志を示した高校の
球児が過ごした街なのさ
お茶の山地で有名な
阿里山行くにも都合がいい
そのあとガオティエ乗り込んで
着いた駅は
台北だ
ここはよく混むターミナル
だから俺の手離すなよ
MRTの赤線で
着いた駅は101
あの有名な
観光地
タワーから見る街の夜景
美しいこと間違いなし
台湾の
古い呼び名はフォルモサで
美しい島という意味の
ポルトガル語が由来だよ
自然と歴史,多様な文化が織りなして
できた魅力が溢れてる
島より素敵な君だけは
絶対手放す気はないよ

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スタンプ2

こんな私のポエムにいつもスタンプをくれる優しい方は誰なんでしょう。

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無能異能浪漫探訪⑭ 

「コックリさんコックリさん。わたしたちのこと、怖い?」
モジヒナは不敬にもとんでもない質問を放ってきた。指の下の硬貨はしばらく動かなかったが、数秒経ってようやく、動き出した。
硬貨が進む方には、「いいえ」の文字が。しかし、道半ばで止まり、反対方向へ動き始めた。
そして、あと1,2㎜で「はい」の文字に硬貨の端が触れるってところで、また硬貨が止まり、鳥居に戻って動かなくなった。
「……強がりだね」
「強がってるね」
「意地張ってるね」
「誇り高いね」
「でもちっぽけなプライドだよ」
「簡単にへし折れるね」
モジヒナとモジミチルは何やら勝手に言い合っているが、こっくりさん相手に滅茶苦茶無礼だな……。呪われても知らないぞ。
「鳥居に……戻ってるね。じゃあ次の人どうぞー」
モジヒナが言うと、後はよくあるこっくりさんの流れになった。みんなでおっかなびっくりこっくりさんに質問しては、答えていただき、答えに盛り上がり、鳥居に戻っていただく。
大体全員2周くらいしてからそろそろお帰りいただこうという話になった。
こっくりさん、こっくりさん、どうぞお戻りください。
硬貨はしばらく鳥居から動かなかったものの、モジ兄妹(姉弟?)がもう一度唱えると、自然に「はい」まで動き、その後鳥居まで戻った。
「こっくりさん、こっくりさん、ありがとうございました。お離れください」
最後の呪文を唱えて指を放した。
「……以上、俺の降霊術でした。これが俺の『能力』です。お目汚し失礼いたしました」
深々と礼をしてから、用紙を回収。処理は家に帰ってからゆっくりやろう。
「やー、楽しかったよー。こっくりさんって本当に勝手に動くんだねぇ」
トモちゃんにもご満足いただけたようで何よりだ。
「私達は君を歓迎するよ。……えっと……?」
「そういや、トム以外には自己紹介が済んでなかったっけ。見沼依緒と申します。ミヌマとでもヨリオとでもイオとでも、好きなように呼んでもろて」
「おーけーイオ君。仲間入りおめでとう!」

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あの日へのエール

君が見てきたこと
考えたこと
ゆっくりでいいから
誰かに伝えてみなよ
そうすれば
君の世界はだんだん広がっていくから

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思い出の鉄道は、数年の時を経て蘇る

ここはデンマーク、コペンハーゲン中央駅
スーツケースを持って俺と弟と母が横並びに3人、ここから出るハンブルク行きICE列車を待っている「本当に、列車ごと船に乗り込むの?」「そうだよ。かつて日本で、本州と北海道を結んだルートに準えてドイツの青函連絡船って呼ばれてるよ。俺、一度は乗ってみたかったから楽しみだなぁ」そんな話に「2人とも、今日の景色は一生に一度きりかもしれないから、よく目に焼き付けてね」と母親が言う。
そして、親子3人を乗せた特急はこの旅のメインルート,大ベルト海峡の航路、いわゆる渡り鳥ルートを過ぎてハンブルクに着いた。
親子の旅はまだまだ続き、場面は変わってオランダのアムステルダム中央駅
「まるで東京駅だ。東京が恋しいなぁ」そう呟く俺の声は母の耳に届いたようだ「ベルギーではハズレだったけど、こっちには美味しいと評判の和食屋があるから、寝台列車までの時間で食べに行こうか」そんなたわいもない会話を経て一家はCNLペガスス号のアムステルダム発チューリヒ行き寝台特急に乗り込んだ。
それから数時間,オランダのユトレヒトも、ドイツのアーヘンもボンも過ぎてスイスのバーゼル付近を走行中、俺は電車酔いに悩まされ、宿泊地のグリンデルバルトで体調を治してスイスの旅を楽しんだ
それから数ヶ月後、このドイツを中心に走るCNL寝台列車が全系統廃止された。その3年後、今度はコペンハーゲンとハンブルクを直線的に結ぶ渡り鳥ルートが廃止になった。
渡り鳥ルート休止の2年後に当たる2021年12月,名前をナイトジェットと変えてオランダ〜スイス間の寝台列車が復活した。
そして2022年現在、かつての渡り鳥ルートを船を介さずに結ぶ橋やトンネルの建設が進められており、ドイツからのICやICEが走る日も近いそうだ。
俺たち兄弟の思い出を乗せた列車は名前を変え、車両を変え、ヨーロッパを巡る旅人を乗せて新たな時代のヨーロッパを駆け抜けてゆけ!

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吐き出せきれいごと

綺麗事だけじゃ生きていけないけれど、それを捨ててしまったらそれこそ終わりだと思うので。

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仮面の向こうへと

人は決して完璧なんかじゃない
誰かを助けるためには誰かを傷つけなくちゃいけない時だってある。
それを覚悟したヒーローにずっと憧れてきた。
でも…涙を隠して、なんて辛すぎるから…

「ヒーローが人の笑顔を守るなら、僕はヒーローの笑顔を守る」

そう決めたんだ!
たとえヒーローが孤独に堕ちても
僕が必ずそばにいる!

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牛乳

のんだら腹をこわすって
わかってる時もある

のんだら後悔するって
わかってることもある

のんだら分かることだって
わかってるフリで言う

のんだら必ず笑って
君にあいに行く

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よく噛んで 君の思い出 つぶしたら
バターのもとが中から

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大切な ことは何度だって言うよ
体の奥の奥から

なんか君がすてきさ