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薔女造物茶会 Act 6

「何だよさっきの話って」
ナツィが不思議そうに呟く。
ピスケスはふふふと笑って話し出した。
「最近”学会“が追っているホムンクルスの話よ」
…人造人間か、とナツィは呟く。
「ええそうよ」
ピスケスはそう言ってティーカップに口をつける。
「人造人間って今学会の規則で禁止されてるんじゃなかったか」
ナツィが言うとピスケスはうふふと笑った。
「それがね、ある魔術師がこっそり作ったらしいのよ」
その魔術師はすぐ学会にとっちめられたんだけどね、とピスケスは続ける。
「でも肝心のホムンクルスが逃げ出したらしくて」
「それマズくね?」
ナツィは思わず遮る。
「学会は何をしてるんだ?」
呆れたようにナツィが呟くと、ピスケスはふふふと笑った。

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言葉がいらない

真っ黒に塗りつぶされた
空白のページ
対をなすのは
はるか空の上
満天の星
非常に明るい天の川銀河
はるか下方の雲の切れ間に
猫の目よりまんまるい
大きな大きな満月
地上の星にマスクされない
シーンに言葉はいらなかったのだろう

言葉のいらない詩ってあるだろうか

焚火
イルカ
パントマイム
昨日燃やした僕の詩

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山のあなた

あのころの僕に幸せはなかった
幸せが欲しいと叫んだ詩は
その実自己顕示具現の言の葉
「独りの僕」に酔いしれた馬鹿

あのころの僕に幸せはなかった
幸せが欲しいと嘆いた歌は
似たもの同士を引き合わせては
真夜中笑って語らう仲間

あのころの僕は幸せだった
幸せなんだと綴った唄は
いつしか僕から言葉を奪った
満たされたゆえに失う何か

今でも僕は幸せなんだ
けれども二度とは叫べぬ詩が
不幸せゆえの希望とすれば
意図せず心は霧をはらんで
満たされぬゆえの願う力が
あのころの僕を輝かせたか
ただどうしても埋められぬ隙間
僕から離れた美しき言葉

ここにはもうない魂の詩

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7年越しの想い

朝7時52分
いつもの十字路で待ち合わせ
「おはよう」を合図に手を繋ぐ

他愛ない話をしながら
飽きるほど通った道を2人で歩く
そうして1日がやっとはじまる

君とこうして笑い合う日々が
ずっと続けばいいのに。

そんな気持ちを胸に秘め
夕方3時46分
「またね」を合図に手を離す

タイムリミットは4ヶ月。
それまでに
卒業する前に
ありがとうを伝えなきゃ