「へー、親の仕事の都合で寿々谷に来たんだ」
「そうなんです」
坂辺さんと一緒に会話しながら、わたしは学校の近くの通りを歩いていた。
「お父さんがこっちに転勤になって、それで引っ越して来たんです」
坂辺さんは恥ずかしそうに言う。
「ふーん」
わたしはそう言ってうなずく。
「前の学校はどんな感じだったの?」
「え?」
わたしが尋ねると、坂辺さんはポカンとして立ち止まる。
「前の学校…」
坂辺さんはそう呟いてうつむく。
「…あ、ごめん!」
変な事聞いちゃったね…とわたしは咄嗟に謝る。
「別の話しよう!」
わたしはこの微妙な空気を何とかするために、話題を切り替える事にした。
『響鬼さんは…なんで牛鬼なんかに…』
『鬼の力を制御できなくなったのさ』
『鬼の力を!?』
『でも響鬼って人はこうも言ってた、正しい心で鬼の力を制御できるなら鬼となって俺を倒せって』
『僕が…響鬼さんを?そんなのできるわけないじゃないですか』
『それでいいんじゃない?その優しさがあれば鬼に心を奪われることもないってさ、受け継ぐのは鬼の力だけじゃない、響鬼って人の魂を受け継ぐことなんだ』
このシーンだけで普通に良い!
人生には色んな形の師がいて、何を教わるのか、そして何を感じるのかが大切なんだって…
白すぎる景色に
寒さを気にせず歩く人
マフラーも巻かず
まっすぐに道をつくる
私は感謝しつつ
つくられた道を歩く
先駆者よ
どうか私の前を歩き続けてくれ
私にはこの雪をはねのける力がない
先駆者よ
このまま目的地まで導いてくれ
私の靴下を守ってくれ
全ての授業が終わって放課後。
生徒達は帰りや部活の準備に追われている、
そんな中、わたしは荷物を鞄に詰めていた。
「あの、不見崎(みずさき)さん」
不意に声をかけられたので見ると、坂辺さんが立っていた。
「…一緒に帰りませんか?」
急な提案に、わたしは目をぱちくりさせる。
「あ、別に、いやなら良いですよ」
1人でも帰れるし…と坂辺さんはうつむきながら言う。
「…別に良いよ」
わたしが笑顔で言うと、坂辺さんはホントに?と聞き返す。
「うん、わたしこの後部活ないし…」
「嬉しい!」
わたしが言い終わる前に、坂辺さんはそう言って手を叩く。
「…へ?」
「あ、何でもないです」
わたしがポカンとしている様子を見て、坂辺さんは慌てて平静を装う。
坂辺さんてこういう反応もするんだなと思いながら、わたしは行こっか、と歩き出した。
なぜ終わったのかとずっと第2作作って!!と思っている作品です。
これを聞くといつも救われます。
『100人いたら100通りの人生があるはずよ。普通の人生なんてある?他人と比べたらドラマチックな人生だわ。あなたがどんな人生を歩もうと私は見守る。それに私は幸せな人生を送れてるわ!』
ドーバー港で入国審査を終え、幼馴染と合流し、駅まで行くバスに乗り込む
彼女が「エスコート、ちゃんとしてや〜」と上目遣いで言ってくる
「任しとけ。と言いたいんだけど、生憎頭の中のロンドンの地図は小6の時のヤツだからアップデートしないとな」と言って笑うと、「記憶力が良い君のことだから、流石にチューブの乗り方は覚えてるんでしょ?こいつは僕の奢りさ」と言って幼馴染が2枚のオイスターカードを手渡す「わざわざありがとう。乗り方は覚えてるよ。でも、路線図は確認のためにもう一度見ないといけないけどな。まぁでも、列車の終点がビクトリアだから乗り換えはEmbankmentかな」と返す
「チューブって?」と彼女が訊く
幼馴染は絶句していたが、俺は苦笑いを浮かべて「ロンドンの地下鉄のことさ。車体を前から見るとかまぼこ型で、イギリスの人はチューブに見えると言ってそう名付けたんだよ」と返す
「Dover Priory Stationか…着いたぜ。I’m back, our mate, the UK. I shall return,London.Please wait for us for a few hours.」「お二人さん、あまり見せつけないでくれよ?」「憧れの街を好きな人と一緒に廻るの、楽しみだなぁ」とそれぞれ三者三様のセリフを残して目の前に入線してきた特急に乗り込み、ニューカッスル、ニューヘブンと並ぶ英国第三の海の玄関口を後にする