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復讐代行 あとがき

復讐代行を読んでくださった皆さん!
本当にありがとうございます!
当初の予定よりも長くなり、更新の空く期間もあり
と散々な形ではありますが
先程の最終話を持って無事に完結しました!
皆さんいかがだったでしょうか?

今作は初め、「宇宙を駆けるよだか」という作品を見てこんな設定の作品を書いてみたいなぁというところから始まりました。
この作品はクラスでブスといじめられる女子と主人公が入れ替わる物語で、ただパクるのもつまらないので、主人公の方を男にしてみました。
ですが
「いじめ」をテーマにするとついつい色々詰め込みたくなるのが悪い癖ですね笑
登場人物それぞれに考えがあるようにして自分の中にある全てを書こうとも思ったのですが長くなるので避けました。なので実はまだ小橋と橘のお話が少し残ってます
もしかしたら来週辺り書くかもしれません。
最終的に書きたかったこととしては
「いじめ」は人を壊してしまう。
それは時に、優しさすら信じられなくなるほどに
でもその優しさを信じることこそが生きる希望
それをどうか自分の中に確かに持っていて欲しい

ちょっと隠しすぎたかな?
あんまりまっすぐだとクサくなっちゃうから
少し遠回しにしたり、素直な言い方をしなかったり
そんな僕の小説…に限らず詩も
これからも楽しんで頂けたら幸いです

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オーディエンス

想いは一緒で、好きも一緒で
願いも一緒だけれども
どこかぶつかる。何故かぶつかる。
寂しくなる。悲しくなる。
なんでそんなにも
私達は、手を繋げないのかなぁって思うんだけど。
それでも、想いを守りたいから。
好きも守りたいから。願いも守りたいから。
だけど
綺麗に守っていく方法なんて知らないから。
それは間違ってるよ!って言ってみるけど
それをみんな言うから。
あれ、これ、誰が正解?って。
気付いたら、なくなってんの。

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はるかぜと共に現れた旅人と過ごすのんびり生活 前書き

今回から試験的に小説を書いていこうと思います。
今回から1ヶ月間毎週小説を書いていきます。
今月は5週間なので5回分ですね。
この5回でレススタンプが50いかなかったら打ち切り、いったら完結するまでしっかり描き続けます。
ちなみにこの5回のうち、この前書きもカウントします。実質小説は4回分です。
とりあえず設定を書いておきます。とは言ってもほんの少しだけですが…
・空野 蒼(そらの あおい)
主人公。ひょんなことからカービィと体が入れ替わる。
・カービィ
どこからともなく現れた桃色の旅人。ひょんなことから蒼と体が入れ替わる。
・2人の目的
入れ替わった体を元に戻し、カービィを元の世界に返す。

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みかん

なにもない時間だった

友だちもできたし
気になるひともいたし
好かれもしたし
嫌われもした

本当はきっといろいろあって
そのいくつかはこうやって思い出せもするけれど
それでもなんの印象もない生活だった

途中で「普通」を離脱した私は
いろんなことを経て
あそことは違う場所で
あの時よりも濃く楽しく苦しみながら
まだこどもでいる
 
もう会うことはないであろう
だけどあの時あの場所に確かに一緒にいて
私の1年とちょっとをつくりあげた人たち
 
卒業おめでとう

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復讐代行 最終回 後編

「うん、そうだね」
俺は…というより身体の主は素直に頷いた。
「え?」
「お…おい…」
「確かにこの身体はあなたが使ってた、ほんとにその全部が罰?私は楽しかったよ?」
「なんで…?なんでそんなこと言うの?」
「だって生きてるんだよ?何度も諦めようとしたこの身体をあなたが生かしてくれた、わがままだけど生きる希望だった。あなたがいるから今の私がいる」
「希望か…」
闇子は涙が溢れた。
「今、この主はあの時の私と同じ過ちを犯そうとしている、だから闇子ちゃん…今度はあなたが変え…」
次第に光の声は小さくなる。
「待って!」
「あとは俺が聞く」
「もういいよ、命を賭けた復讐じゃ意味がないってわかったから…」
少し肩を落とし、ため息気味に言った。
「…ならいいけど…」
「あと、身体もきちんと返す」
そう言って闇子は両腕を広げた。
“そうすればまた話せるよね?”
「え?あ、あぁ」
あっさり返すと言われ、青路は少しリアクションに困りながらも闇子の胸にそっと身体を委ねた。
「ねぇ、最後にひとつ教えてよ…生きる希望って何?」
「希望ってきっと誰かを信じられるってことだ、時にそれは裏切りっていう災いになることもある。でもそれでいい、希望と災いはいつも波みたいに繰り返す。それにどう乗るか、そんな赤ん坊みたいな他力本願を生きる希望って呼ぶんじゃねーの?」
「そうだね…それってもう1人の自分なのかな」
「さぁな…でもそういうのもありなんじゃね?」

fin

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復讐代行 最終回 前編

あの子は…
私を助けて死んだ…
私はその時に入れ替わり方を知った。
それからはこの体の預け先を探す日々だった。
「やっと見つけたんだよ光ちゃん、だからもうすぐ私もそっちに行くね…」
屋上の風が気持ちいい。
同じ場所とは行かなかったけど、高校の屋上、体を預けた場所で私は消える。それで今度こそ儀式は完了する。
「待って!」
“光ちゃん…!!”
でもありえない…彼女のはずがない…
だって今あの体は…!
「なんでここが?」
「お前は最初、ここで俺と体を入れ替えた、そしてもう一度入れ替えろと言うと今すぐは無理だと言った。ここでひとつの仮説が立つ。あの時の体の入れ替わりは…お前の命を賭けたものだったんじゃないのか…」
的を射ていることがバレないようなるべく素知らぬ顔を通す。
「ん?」
「とぼけんなよ、お前は魂を移して体を入れ替える。古くから伝わる物心二元論的考えだ。そしてそれを引き起こすには物体つまり身体から、非物体ここでは魂が分離する必要がある。そこに飛び降りなどの浮遊感はうってつけだ。屋上ならそれに近い感覚を共有できる。どうだ?間違ってないはずだぜ」
完璧で流れるような説明に思わず笑みがこぼれた。
「随分理路整然だね、誰かの入れ知恵?」
「まぁな、でも認めるんだな」
「だってもう死ぬからね」
脅しのようにフェンスに手を掛ける。
「だからそうはさせないって」
“まただ…光ちゃんに見える…”
「俺…何言ってんだ…?」
どういうこと?本人も自覚がない…
まさか…身体の人格…?
「前にも言ったでしょ、全力で思いやるって!」
“やっぱり…でも”
「なんで?」
「身体と魂が同じことを思ってれば…な!」
同じこと…
「今だ!」
その一瞬の逡巡の間に闇子の体は引きずり落とされた。
「なんで邪魔するの!あなたなら…2人ならわかってるでしょ!私は…この命を賭けて…」
「命を賭けて『いじめ』を犯罪として見られるきっかけを作る…ってか?そしてその復讐の相手はいじめを行うやつじゃない、いじめを学校内の揉め事にまとめるカリスマ性を持ったやつだ…この大橋光みたいな」
「そうだよ!こいつらの善意が罪を揉み消すんだ!だからそれを身を持って味合わせる。それがあの時決めた私が下すあなたへの懲役よ!大橋光!」

to be continue

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Trans Far-East Travelogue㊱

駅に戻り、三崎口に着いてから3分の接続で乗り込んだバスの車内で少し先程の件を話すことにした
「何が原因だったか、訊いた?」そう尋ねると「名古屋で、彼氏さんが台湾にいる少し年配のお友達の親御さんに会ったんだって。そしたら、彼氏さんがその親御さんに日本語で『ホンショーのお二人が僕らくらいの頃は大変でしたよね。特に、2月のあの日は酷かったと聞いてます』と言って会話してるのを聴いて、彼女さんは『ホンショーって何?2月って何かあったの?バレンタインのチョコ作りが大変ってこと?』って言っちゃって、彼氏さん御立腹からの喧嘩別れだそうよ。でも,台湾で2月に大変なことあったの?昭南島占領しか知らないんだけど」と返ってきたので「2・28か…あれは気の毒だよなぁ…にしても、そんなセンシティブな話題をいきなり切り出すのもどうかと思うが、そんなボケかますかね…いくら無知でも、そんな反応されたら俺でも怒るよ。大勢の人の命が失われた悲惨な事件で生き延びることの大変さをバレンタインのチョコ作りと比べるのかよ…」と溜息混じりに返すと「2・28事件?2・26の間違いじゃないの?」と返ってきたので「2・26は日本の軍隊の暴走、2・28は終戦後の台湾で起きた事件で、立場によって見方が変わる、近現代の台湾を語る上で絶対に避けられない、非常にセンシティブな話だから避けるのが無難な話題さ。教育の大切さを教えてくれる歴史的事件でもある」と返す間にバスが目的地の温泉施設最寄りの停留所に着いた
「さぁ、降りるか。このことは後で兄貴とも話すよ。ここでは短時間で入って上がるけど、良いかな?」と声をかけると「そうね。私も彼女さんと話してみる。一応、持ち帰れるようならタオルはドライヤーで乾かすから、時間かかるかもね」と返ってきたので「なら、念の為今乗った奴の折り返しの2本後に乗ろうか」と返すと嫁も頷いている
バスの時間まで、タイムリミットは残り45分だ