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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 18.メドゥーサ ⑫

メイと別れてから数時間。
あの後わたし達はショッピングモールで駄弁ったりして、夕方になったのでそろそろ帰ろうという事になった。
「それにしても良かったなネロ」
あの子と仲良くできて、と夕暮れ時の路地を歩きながら耀平は言う。
「べ、別に流れでそうなっただけで」
そこまでボクの意志じゃないもん、とネロはそっぽを向く。
「ウソつけ~」
お前顔赤くなってたぞ~と耀平はネロをからかう。
「ま、ネロには唯似位しか女友達いないからな」
女子と関わる機会が少ないから、こうなるのも仕方ないと師郎も笑う。
「もー2人共~」
ネロは不満気に口を尖らせた。
…と、うふふふふと誰かの高笑いが聞こえた。
「⁈」
彼らもわたしもその聞き覚えのある声に足を止める。
辺りを見回すと近くの建物の3階の外付け階段の踊り場に、白いフリルワンピースを着た白い肌に赤黒く輝く瞳の少女が柵から身を乗り出していた。
「アンタは…!」
ヴァンピレス‼とネロは声を張り上げる。

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聖夜へのお誘い

シュトーレンが上手く焼けたんだ。

どうせ当日は家族と過ごすんだろう?
ほんのひと月、1日に数十分程度で構わないから、君の時間を私にくれない?

2

待ってない時

きみを待ってない時間が増えて
きみを思いださくなったこと

少しずつ当たり前になった
少しずつぼくは ぼくになった

きみはハイビスカスの王女さま
そしてマルメン吸って苦い顔

少しずつどうでもよくなって
だけど どうでもいいだけだって

年の瀬の焦燥にも追い風
沈むシュガーのかげろうだったね

窓ぎわの席一人 日が暮れて
いつも通りの まるでレコードです

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視える世界を超えて キャラクター紹介①

・千葉(チバ)
年齢:19  性別:未定  身長:種枚さんより少し高い
薄味だけど多分主人公。大学生。昔から霊が見えたが、霊感持ちではなかったために対抗手段がなく、正直とてもしんどかったそうです。ちなみに一人称は「自分」。

・種枚(クサビラ)
年齢:不明  性別:女  身長:160㎝
この物語を主軸になって動かしてくれる人。人。生まれた頃から歯が生えていた所謂『鬼子』(ぜひお手元の国語辞典で「鬼子」を調べてみてください。10代20代の皆さんなら持ってると思うので)。
ちなみに名前は偽名なんですが、由来は「鬼子→鬼の子→きのこ→クサビラ」の連想ゲーム。
手足の爪は通常の人間より長く硬く鋭いものになっており、筋繊維も常人より遥かに頑丈なので、身体能力もちょっと度を越して高い。
また感情の起伏がそのまま体温に直結する体質(熱くなれば熱くなるし冷めれば冷たくなる)の上に気性がかなり荒いので物理的に熱くなりやすい。
あと興奮すると何か角も生える。牙も鋭くなる。口も裂ける。瞳も金色に人外めく。
本人は祖先のどこかに鬼の血でも混じっていたのではないかと考えているが、現実はもう少しすごくすごい。少なくとも純血のホモサピ。
高い身体能力、鋭く頑丈な爪、超高温・超低温になる体質、霊感、あと色々を生かして、怪異を屠りまくっている。得意戦法はパワー・スピード・スタミナのうち相手の得意は更に上回って上から押し潰し、苦手分野は徹底的に叩く脳筋の極みみたいなやり方。持てる全てをフル活用した数々の必殺技には全部きちんと名前がついている。今回使った技で技名を口にしてないのを含めると名有りの必殺技は【垂爪】【推火爪】の2つ。