「…あの子、他の異能力者の異能力も使えるの?」
わたしがふと耀平に尋ねると、彼はあぁと返す。
「奴は他人の記憶を自分のものにできるから、他人の異能力も自分のものにできるんだよ」
お陰で何人も奴の餌食になった、と耀平は呟く。
「うふふ、これで分かったわ」
ヴァンピレスは暫くの後そう言ってにんまりと笑みを浮かべる。
「あの子の名前は謝花 メイ」
異能力が発現間近なのね、とヴァンピレスはこぼす。
「しかも随分強力な異能力者みたいね」
これは欲しくなるわ、と彼女は笑う。
「まさかアンタ…」
ネクロマンサーが思わずそう言うと、ヴァンピレスはうふふふふと答える。
「今度会った時は奪ってしまうのも一興、かしらね」
ふふふふと言いながら、彼女はわたし達に背を向ける。
「ちょっ、アンタ‼」
ネクロマンサーがそう叫んでヴァンピレスを呼び留めようとする。
しかしヴァンピレスはそれじゃ、ご機嫌ようと言い残して姿を消した。
「…」
暗くなった路地裏に、わたし達だけが取り残された。
そろそろクリスマスの時期だね。
そうだね。スーパーなんかクリスマス1色だ。
この時期になると必ず出てくる話題があります。
同じものを思い浮かべてるかは別として、そうですね。
そう、「サンタクロース信じる? 信じない?」論争です。
(そっちかー)
で、どっち派?
…………その話題、毎度のことながら1個気になることがあるんだけど。
うん。
いるかどうか分からないものについて信じるか否かを問うのは分かるんだけどさ。
(……うん?)
サンタクロースって実在するじゃん? 信じるも信じないも無くない?
(そう来たかー……)
「えっと、お久しぶりです、種枚さん。この間はお世話になりました」
「良いの良いの、気にしないで……っと」
前からやって来た自転車を、種枚さんに手を引かれて回避する。
「そうだ、君、聞きたいことがあるんだけど良いかね?」
「え、はい、良いですけど……」
「よしよし、まずはこれを見てほしい」
言いながら彼女がパーカーのポケットから取り出したのは、少し折り目のついた写真だった。中学校か高校の制服を着た、快活そうな少年の写真だ。
「見た?」
「見ました」
「見覚えある?」
「無いです。人探しですか?」
「まあね。知らないなら別に良いよ」
写真を再びポケットに仕舞いながら、種枚さんは答えた。
「あの、種枚さん。その人探し、手伝いましょうか?」
立ち去ろうとする彼女の背中に問いかける。彼女は足を止め、こちらに振り向いた。その顔は先週あの人影に見せた悍ましいものとは違う、ただ純粋な喜びを示す笑顔だった。
野球の話になりそうなんやけど、ポエム部の先輩方にあこがれてやってみようか、、、入試もあるので不定期かもしれませんが、、
今、長編シリーズを一つ書き進めてるんですよ。
前にもここで書いたんですが、ナニガシさんのもの書きは世界とキャラクターを用意したら向こうが勝手に動いてくれるのです。
先日、そのやり方で世界の動くままに任せてたんですが、キャラクターの1人がぽんと放った質問が、物語の流れを完全に止めやがりました。
キャラクターが勝手に動くとは言ったけど、まさかそれで動かなくなるとは思わんやん……。
あれか? キャラクターを制御する技術も身に付けなきゃ駄目なのか?