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少年少女色彩都市・某Edit. Outlaw Girls Duet その④

触手は筐体を破壊することなくただ理宇だけを執拗に追跡していく。理宇はゲームコーナーの中をひたすら逃げ回り、格闘ゲームコーナー、メダルゲームコーナー、再びクレーンゲームコーナーと走り続けたところで、前から襲い来る触手に挟撃され、再び拘束を受けた。
首、両手首、両足首を絡め取られ、完全に身動きができない状態で空中に持ち上げられる。
「うげっ……! た、たすけて先輩……!」
身じろぎして抵抗するが、エベルソルの力はかなり強く、全く歯が立たない。そのうち胴体にも触手が巻き付いていき、更に締め付ける力が少しずつ強くなり始めた。
「せ、先輩……どこ……? ロキ、先輩……」
首の触手も締め上げられ、意識が遠のいていく。完全に気を失う直前、ロキの光弾が触手の拘束を吹き飛ばし、理宇の身体はそのまま床に落下した。
「リウ、変に逃げ回るからサポートが遅れたよ。ごめん」
「ぁぅ……それは、ごめんなさい」
「謝らないで。立てる?」
駆け寄ってきたロキに助け起こされ、理宇は再びスティックを生成した。
「すみません、まだ戦えます。ロキ先輩は下がってください」
「ん、頑張れリウ」
再び始まった触手の猛攻を捌き始めた理宇を置いて、ロキはゲームコーナーからひとまず脱出した。

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はあーー

きみはほんとうにあたしを手の上で踊らせるのがすきだよね。それでもそばにいたいと思うこのきもちはきみのなかにもあってほしいとねがうしかできないのがつらいよ。

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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 20.エインセル ⑯

「…呼ぶよ」
ヴァンピレスを、と榮は呟く。
わたし達はついぎょっとする。
「…あんたも、ヴァンピレスと繋がっていたんだね」
どうりで…と雪葉は呆れたような顔をする。
「あんたも、脅されてやっているのかい?」
雪葉が尋ねると、榮はまぁと答える。
「…酷い事をするもんだね」
でも、と雪葉は目をつぶる。
「うちらからは、逃れられないよ」
そう言った彼女の瞳は、青白く輝いていた。
「っ‼」
榮はそのまま逃げ出そうとするが、その身体は凍りついたように動かない。
…と、彼の背後から誰かが近付いてくるような足音が聞こえた。
榮が動かない身体を無理矢理動かして後ろを向くと、そこにはツインテールに白いフリルワンピースの少女が立っていた。
「⁈」
榮は声にならない声を上げる。
少女はにんまりと笑い、榮の肩に手を伸ばした。

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fate destroyer

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とにかく、きっちり報酬は出してくれるようなので
それはありがたく頂戴する。
そして、

「君さぁ、かなり腕立つみたいだね。もし、よかったら騎士団で働かない?」
「は?」

...とまぁ、こう言う経緯で騎士団へ入る事になった訳だ。



「わぁ〜。...ごめんなさい師匠、絶対真似できないです。」
「ああ、だろうな。さて、続きはまた話してやるから、今日はもう寝ろ。」

to be continue

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視える世界を超えて エピソード8:雷獣 その⑦

「なッ、射線に入ンな馬鹿!」
自分が割り込んできたことで、種枚さんの攻撃は止まらなかったものの、姿勢を大きく崩して攻撃は外れたようだった。顔のすぐ横を強烈な風圧が通り過ぎる。
「君、なんでソイツを庇うんだ! ソレは『人間』じゃあない。『妖怪』だぞ!」
白神さんが妖怪? 白神さんとは決して長い付き合いだったわけじゃないけれど、それでもこれまで接してきた限りでは他の『普通の人間』と変わったところはあまり無かったように思う。……けれど。
「およ、千葉さんだぁ…………。ねえ千葉さんや? まさか、そのお友達の妄言を信用するわけじゃないよね?」
声をかけてきた白神さんの方に目を向ける。白神さんは身体を起こし、こちらに縋るような視線を向けている。
「…………自分の知る限り、種枚さんは『そういう嘘』を吐くような人間じゃありません」
「千葉さん……」
泣きそうな顔をする白神さんには申し訳なく思いながら、種枚さんに向き直る。
「それでも彼女は、自分の大切な友人です。人間でないことが、彼女が殺されるのを黙って見過ごす理由になりますか!」
「ち、千葉さん……!」
白神さんに何か言葉をかけてあげたい気持ちはあるけれど、今はそれができない。種枚さんから目が離せないのだ。
今、目の前に立つ種枚さんは凄まじい殺気を放っており、足下の落葉からは彼女の体温によるものか、黒い煙が薄く立ち昇っている。
間違いなく、種枚さんは白神さんを殺す気だ。自分がここにいることで場の緊張が保たれている。自分が少しでも動けば、種枚さんはその隙を逃さず白神さんに迫るだろう。実力で彼女を止めることができない以上、自分はこの緊張状態を維持することでしか白神さんを守れないのだ。

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深夜の迷子 宵_2

「きゃっ!?」
素っ頓狂な声を上げたゆずを、せんちゃんはそのまま背中側に隠す。
「なっ…なに、なに!?」
「あれ見える?」
せんちゃんが指を指す先には、顔のない巨大な六本足の蜥蜴らしき生き物がいた。頭と思われるところには大きな口、背中と思われるところには墓が生えるようにいくつも建っている。
「うぇえぇええ…なにあれ…」
「あれは、なんというか…神隠しそのものというか…多分、ゆずのことを迎えにきたんだな」
『神隠し』は尻尾をずるずる引きずり、段々と速度を上げて近づいてくる。
「ひっ…」
「くっそ…なんで目も鼻も耳もないくせにこっちの場所が分かるんだか…」
せんちゃんはゆずを抱きあげ、木の上に素早く登った。
「私にちゃんと捕まっといて」
ゆずは何度もこくこく頷く。と同時に、『神隠し』が木を這い上がってきた。
「あ、やっぱ嘘」
「えっ」
せんちゃんは立ち上がり、ゆずを文字通り振り回す。
「あわわわわ…」
「そいっ!」
せんちゃんはゆずを、投げた。
「きゃああああああ!?」

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幻想を抱く

なつかしい過去の影に
恋してるように錯覚する
ってことがあるとおもう