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無銘造物再誕 Act 30

「…ナツィ!」
近くの建物の陰から様子を見ていた金髪のコドモは、思わずナツィに駆け寄って後ろから抱きつく。
ナツィは驚いてちょっ、と抵抗し、背中の翼を消失させた。
「テメェ何すんだよ⁈」
くっつくんじゃねぇとナツィは金髪のコドモの腕を振り解こうとするが、金髪のコドモはふへへへへ〜と楽しそうな顔をして離れない。
「だってナツィかっこいいんだもーん」
「それとこれとは関係ないだろ‼︎」
「いいじゃーん」
金髪のコドモはナツィにひっついて離れない。
ナツィは近くで自分たちを見ているかすみの名を呼んだ。
「ちょっ、コイツどうにかしてくれ!」
離れないんだけど⁈とナツィはかすみの方を見やるが、かすみは静かに笑っているだけで何もしようとしなかった。
「…あ〜もぉぉぉ‼︎」
こっち来んじゃねぇぇぇ!とナツィは金髪のコドモを強引に振り解くと、そのまま駆け出す。
あ、待ってよナツィ〜と金髪のコドモもそのあとを追い始め、かすみもそれに続いた。

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気まぐれ川柳

真夜中の ひつじレースに ゴール無し

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コールセンター

 文明が発達し、清潔文化が行きすぎると人間は、有機的なものを気持ち悪いと感じるようになる。
 近年、その度合いはいよいよ激しくなり、若者は美を二次元── マンガやアニメ、ゲームなどのキャラクター──に求めるようになった。
 パンデミック後のライフスタイルからのフィードバックも手伝って、極端に潔癖症となった人々は、人工物に近いものほど美しいととらえるようになり、あげく、美は無機的であり、醜は有機的(少し前に流行ったSF映画のセットのような有機的デザインは、無機物を有機に擬態したもの、あくまでも、的、なのであって有機そのものではない)、美は善、醜は悪という考えかたがスタンダードとなった。
 当然、恋愛離れも増加傾向にある。恋愛は基本的に、生理現象に基づく有機的行為だが、しなくてもいいものだからだ。    
 このままいくと人類は最終的に、排泄を行うことにも嫌悪感をおぼえ、有機体であることに嫌気がさし、肉体を捨て、脳を人工物に移植するようになるだろう。  
 というエッセイをSNSにアップしてから一時間後、コメント欄を見たら、なんと、すでに脳を移植する時代は到来しているとのこと。URLをクリックすると、ちゃんとした国の機関らしい。早速チャットで質問する。
費用はどれくらいですか?
国の財源でまかなわれるので、いっさいかかりません。  
どのような手術をするのですか?  
手術は行いません。脳の記憶をコンピュータに移し替えるだけです。
ということは単にコピーを作成するだけなんですね。ありがとうございました。
 チャットを終えようとしたところに、電話がかかってきた。非通知は拒否されるはずなのに。反射的に出てしまう。

 ──もしもし。
 ──こちらは厚生労働省記憶管理センターです。コピーを作成するだけと解釈されたようですが、それは認識不足です。コピーではありません。
 ──どう考えてもコピーでしょう。  
 ──コピーかどうかは視点の問題です。オリジナルが消滅すれば、もはやコピーではありません。  ──それはオリジナルであるわたしに死ねということですか?  
 ──いいじゃないですか。気持ち悪いんでしょう。いまの自分が。

 移植されたいまも、コールセンターの仕事のかたわら、このようにエッセイの投稿をせっせと続けている。