「“商会”の連中はしつこいな」
「それはこっちのセリフだ」
“学会”の犬ども、とキャスはナツィを睨む。
「おいらたち“商会”のナワバリに人工精霊を差し向けやがって…」
「は? コイツはただの迷子なんだけど」
キャスの言葉にナツィは言い返す。
嘘つけとキャスは吐き捨てるが、ナツィは嘘じゃないとキャスを睨み返した。
「単にコイツは裏路地に迷い込んで気付いたら“商会”のナワバリにいた、それだけだ」
「そんなの建前だろう⁈」
キャスは言い返すが、ナツィは建前じゃないと冷静に返す。
「コイツ、なにも武器を持ってないし出したりもしてないだろう」
普通に“学会”から差し向けられた人工精霊だったら攻撃されそうになると応戦するのが普通だろ、とナツィは続けた。
キャスは、それは…と言いかけるが、すぐに言葉が続かなくなる。
しかし…例え、そうだとしても!とキャスは槍をナツィとキヲンに向けた。
「無関係の奴に“商会”に触れられちゃ困るんだよ‼︎」
キャスがそう叫ぶと、キャスが持つ槍の穂先が橙色に輝き始める。
ナツィは咄嗟に大鎌を構える。
だがそこへ雄叫びと共に何かが突っ込んできて、キャスの槍を奪い取った。
そして上空へと舞い上がる。
アヴェス:ジオコクシクス・カリフォルニアヌス
モチーフ:オオミチバシリ(Geococcyx californianus)
年齢:13歳 身長:159㎝
所属カテルヴァ:ランギヌイ
説明:擬命型レヴェリテルムを扱う数少ないアヴェス達を集めた特設部隊“ランギヌイ”のメンバー。スタミナ自慢のレヴェリテルムを操るだけあって、本人も持久力と生命力に優れ、三日三晩休憩なしぶっ通しの戦闘行動にもギリギリ食らいつけた実績の持ち主(戦闘後、15時間ほど泥のように眠り続けた模様)。
レヴェリテルム:ヴェナトー(Venato) 語義:追跡者
説明:体長2m強の金属製狼。唯一“ランギヌイ”だけが所有する『擬命型レヴェリテルム』。自律稼働し、一度狼の姿に変化すると、所有者の手を離れてもある程度の知性を持って動き回る。スピードこそ先輩2名のレヴェリテルムに劣るものの、持久力が極めて高く、丸一日最高速度で走り続けてもパフォーマンスの低下が見られない。また、嗅覚が極めて鋭い。
アヴェス:ストリゴップス・ハブロプティルス
モチーフ:フクロウオウム(Strigops habroptilus) ※所謂『カカポ』
年齢:11歳 身長:145㎝
所属カテルヴァ:ランギヌイ
説明:“ランギヌイ”の新入り。『擬命型』を扱うという理由でこの部隊に入れられたものの、他のメンバーが得意とするスピーディーな戦法にはまるで向かないずんぐりむっくりなレヴェリテルムを扱うので、自信が無い。
レヴェリテルム:エキドナ(Echidna) 語義:ハリモグラ
説明:体高1.8m程度の二足歩行金属製ハリモグラ着ぐるみ。唯一“ランギヌイ”だけが所有する『擬命型レヴェリテルム』。他の『擬命型』と異なり気の抜けた外見で動きも鈍重だが、パワーと耐久力に優れ、鋭い爪を具えた太く頑丈な両腕を器用に用い、救助活動などで活躍する。一度ハリモグラの姿に変化すると、所有者の手を離れてもある程度の知性を持って動き回る。パワーはヴェロキタスと押し合っても1㎜も揺らがないほど。スピードは最高時速10㎞程度。短い両脚でどってこどってこと走る。
アヴェス:ストゥルティオ・カメルス
モチーフ:ダチョウ(Struthio camerus)
年齢:17歳 身長:166㎝
所属カテルヴァ:ランギヌイ
説明:擬命型レヴェリテルムを扱う数少ないアヴェス達を集めた特設部隊“ランギヌイ”の最古参にしてリーダー。“ランギヌイ”は『擬命型レヴェリテルム』と呼ばれる、完全自律型機械生命体のレヴェリテルムを扱うアヴェスをまとめ上げた特設部隊で、その発生確率の低さから、所属人数が規定下限の5人にさえ満たない。
レヴェリテルム:ヴェロキタス(Velocitas) 語義:素早さ
説明:体長3m程度の四足歩行する金属製無翼竜。唯一“ランギヌイ”だけが所有する『擬命型レヴェリテルム』。自律稼働し、一度竜の姿に変化すると、所有者の手を離れてもある程度の知性を持って動き回る。高いパワーとスピード、精密性を誇る高性能レヴェリテルム。戦闘特化型だが、長い尻尾もあることで、戦闘外行動にも十分優秀なパフォーマンスを発揮する。
アヴェス:ドロマイウス・ノヴァエホランディアエ
モチーフ:エミュー(Dromaius novaehollandiae)
年齢:15歳 身長:155㎝
所属カテルヴァ:ランギヌイ
説明:擬命型レヴェリテルムを扱う数少ないアヴェス達を集めた特設部隊“ランギヌイ”のメンバー。身長はあまり伸びなかったものの、レヴェリテルムを扱うには小さく軽い方が有利なのでまあ良いかと思っている。部隊内で最も積極的な気質で、レヴェリテルムの“クルスス”を駆り、最前線を駆けずり回る。
レヴェリテルム:クルスス(Cursus) 語義:走り
説明:体長3m程度の翼の無い金属製ヒポグリフ。唯一“ランギヌイ”だけが所有する『擬命型レヴェリテルム』。自律稼働し、一度ヒポグリフの姿に変化すると、所有者の手を離れてもある程度の知性を持って動き回る。速力に関しては部隊内で最高。視力に優れ、特に遠視能力が高い。大体25.0くらい。
原石を抱えて二人は街中を駆け抜ける、人は最早いなかったので行きよりも速くさっきのドーム状の建物についた。
「ところで、どっからいくんだ?普通に出たんじゃ狙われるだけだで」
「そこは大丈夫だ、私に策がある」
ドームを抜けて地下の入り口に急ぐ。
ここには『私』がいる、有効活用させてもらおう
「あった、これだ」
「なんだこりゃあ…」
「ここに来る途中で見つけたんだ、コイツを鎧にして駆け抜ける」
「そんなことができるんか?すげぇなソロウ」
「『想像力は力なり』だろ?」
そうして原石をノア一人に任せて『私』の体に触れる、移し替えができたんだから逆もいけるはず…
体が光を帯びて粒子となる、しかしそれも途中で消えてしまった。
「く…どうなって…」
「内容量が違うんでねぇか?体の大きさとかまるで違ぇし」
「まさか…足りないのか、エネルギーが?そうだ、その原石を私に託してはもらえないか、この中なら安全だ」
「それはいいだ、向こうまで運ぶにはこいつがいるからな」
そして、原石と共に再び『私』の体に触れる。
体が光を帯びて、『私』に取り込まれていった。
「報告!保管庫が開けられていた模様!」
荒々しく扉を開けて部屋に入ってきた直後、そう兵が叫んだ。
「なんだと…!?中身は?アヴァスを警備につけていたはずだが」
「何もなかったそうです、誰もいなかったとも」
「…そうか、ご苦労。特務部隊をここに呼んでくれ」
「はっ!」
兵が出ていったあと、小さくため息が出た。