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飛龍造物茶会 Act 27

「…まぁまぁ、とにかくその話は置いておいて」
あなた、うちのきーちゃんを守ってくれてありがとうねとピスケスはトゥイーディアに笑いかける。
「別に、うちは自分のしたいようにしただけだよ」
自分より小さい子を守るのが道理ってもんだろ、とトゥイーディアは腰に両手を当てる。
それに対し、ピスケスはそうねと返した。
「…ま、とにかくきーちゃんを見つけられたことだし」
そろそろ寧依探しに行こうぜ、と露夏が不意に言い出す。
「あいつも迷子になっちゃったみたいだし」
早く探してやらないとな?と露夏が笑うと、仲間たちはそれぞれ頷く。
「じゃあ、帰りましょう」
ピスケスがそう言うとキヲンはトゥイーディアにバイバイと手を振って表通りに向けて歩き出す。
それに対しトゥイーディアはまたなと手を小さく挙げてその場から去っていった。
そしてナツィやかすみ、ピスケス、露夏も歩き出し始める。
路地裏に、また静寂が戻った。

〈飛龍造物茶会 おわり〉

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星喰い

「んで、これからどうすんだ?なんとかかどうとか言ってたけど…」
目下の問題はそこだ、私も対処法を思いついていない
「そうだな…■■■■■は星を喰う星だ、この星から逃げたいが外縁まで到達されてしまったようだ」
「それってなんなんだ?聞いたことねぇけど」
「それは…そうだなノア、君には話しておこう。
先に謝っておく、私はアヴァスではない。惑星■■■■■■から来た観測員なんだ。この体はアーマーではなく本来の体でアヴァスの体であの原石を探していたんだ」
「どっひゃー、じゃあソロウは宇宙人ってことか?」
「まぁ、この惑星の者から見たらそうなるな」
「なんでレヴェリアイトなんか探してたんだ?」
「惑星■■■■■■は星の寿命で生命とエネルギーを育むことができなくなってしまった、そんな故郷を蘇らせるためにその手がかりとなるエネルギーを探すため我々は星々を飛び回っていた、そんなときにレヴィアントの反応を見つけたんだ。なんとか構造式を持ち帰るために原石を探していたんだが、この全面戦争が起こってしまった。候補地は絞り込めていたから採取ついでに保護しようとしていた…このエネルギーはこの惑星の住人に必要なものだからな、失うことなどもったいない」
「そうか…それはありがとう。構造式はもう取っただ?」
「それは大丈夫だ」
「ソロウの星も蘇るといいだな」
「それなのだが…さっき帰るためのエネルギーを使い果たしてしまったんだ」
「え゛っ…それどうすんだ…」
「アテがないでもない…」
「おぉ!」
「あるん…だが…」
正直、やる気が起きないことなのである

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背番号3よ永遠なれ

野球にが好きな人なら誰もが一度は憧れる永久欠番
長い野球の歴史の中で名選手やヒーローと呼ばれた選手は限られているけれど球団の数だけいた
しかし,永久欠番となりえたのはそのさらに一握り
俺たちのヒーロー,背番号3をつけた大型内野手もそんな永久欠番の1人

本場,米国では労働者を中心に広まったこの球技
日本では学生の種目であった
だからこそ,今から90年以上前,プロ野球ができてすぐの頃は「子どもの遊びを仕事にしてしまった大人」として軽蔑されていたプロ野球選手
そんな風潮を大きな出来事が2つあった

1つは戦争中に1発の爆弾で荒れ果て、大変な悲劇のあった広島で、高校生を中心に野球が身近な競技という街で平和の象徴にして現地の人々を勇気付けるべくして産まれた市民球団・カープ誕生

もう1つは,大学野球の人気全盛期に知名度が特に高い6つの大学にいた名選手でも5本の指に入るとされた天才の巨人入りだ

のちにMr.プロ野球と称されたその男は,前代未聞の9年連続優勝・日本一のV9という球団が誇る偉業を最初から最後まで支え、10連覇の夢が儚く砕けた年に「わが巨人軍は永久に不滅であります」という名言を残して引退した
選手としてのプレーはもちろん,ファンサービスも積極的で時には対戦相手の選手やファンも魅了した
そんな天才は指導者や解説者として多くの野球少年に希望の光を与え続けた

そんな天才が梅雨時のある日,天国へ旅立った
享年89,最後まで89(野球)が好きだったのだろう
彼が愛した愛弟子が監督として率いる球団は、全国の野球人からの涙雨を受けて中止になった彼の故郷での試合に翌日から臨み,その2年前に病に倒れて急逝した選手のために優勝・日本一になったライバル球団のように、チームを1つにまとめて優勝し13年ぶりの日本一になるだろう

夢が溢れる長嶋野球
スリル・スピード・スピリット
ゆくぞゆくぞ火の玉まっしぐら
ゆくぞゆくぞ長嶋ジャイアンツ
日本一だ読売巨人軍

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夜の帳

街頭の眩さ

シャンプーの香り

葉の音

夜風が私を撫でていった