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磨羯造物茶会 Act 11

「せっかく俺が安心していられる場所に、よく分かんねー奴を上げさせてたまるかってんだ!」
とにかく帰れ!とナツィはカウンターから身を乗り出して言う。
それに対しカプリコルヌスは冷静に、ほぅと立ち上がり腕を組んだ。
「つまり自分の領域に赤の他人を入れたくないと」
「そうだよ文句あっか⁈」
怒鳴られても眉一つ動かさないカプリコルヌスを、ナツィはいらついてますます睨みつける。
その傍でかすみはお、落ち着いて…とあわあわし、キヲンと露夏は呆然と見ていた。
「…」
暫しの睨み合いののち、カプリコルヌスは…ふむ、と呟いて組んでいた腕を解く。
「ではその結果わたしが損をしてもいいということだな」
カプリコルヌスはそう言って右手にどこからともなく1本の騎槍を出し、ナツィに突きつけた。
「表に出ろ、ナハツェーラー」
わたしと、勝負だ、とカプリコルヌスはナツィに言い放った。

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何が欲しいですか?

先が見える力が欲しいのですか?

何不自由なく暮らせるお金が欲しいのですか?

名誉が欲しいですか?

私が欲しい力はみんなを守る力です。

そして、守り抜いた時のみんなの安堵する姿が見たいです。

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百舌鳥と愉快な仲間たち_5

「うお…すげぇ、盾がないところも盾があるみたいな…アリエヌスが進めてない!」
ブケファルスが目をきらきらさせているのを横目に、フスは携帯を操作し、素早く状況をメールに書き込みだした。
「頑張れば広い範囲もいけるよ。まあ脳が疲れるけど……よし連絡できた」
「めっちゃ鼻血出てる!?」
慌てて何故か鼻をつまんできたブケファルスを米俵のように抱え、フスは盾で無理やり進もうとするアリエヌスたちを押し戻した。
「…あの、鼻血出てるからって鼻つまむのは…の、喉に鼻血が垂れる…」
「はっ!!ごめん!!気が動転した!!」
「だ、大丈夫…よし、じゃあここでアリエヌスたちを食い止めよう。あと、そろそろ広範囲守るの限界だから…ちょっと休ませてほしい…かも」
「任せろ!いくぞUccello balla lingua cento!」
フスが盾を引いた瞬間、ブケファルスの手から薙刀が伸びた。唐突に自分たちを阻んでいた壁がなくなったことで体勢を崩したアリエヌスたちを、すぱすぱと両断していく。
「これいいな、俺たちが交代でやっていけば耐久戦はいけるぞ!」
「そうだな…先輩がいつ来るかわからないから、できるだけ省エネで」