そうしてキヲン、露夏、ピスケスは、2人きりで出かけるナツィとかすみを追いかけ始めた。
基本的に人工精霊は魔力を探知する能力があるため、ナツィとかすみに気づかれないように3人は距離をとって2人を追いかけていく。
そして路地裏から大通りに出てしばらく歩くうち、人工精霊たちは駅直結の大きな商業施設にやってきた。
「…それで、なんか欲しい系統の服ってないのか?」
平日とはいえそれなりの人々で賑わう商業施設の中を歩きながら、ナツィはかすみに尋ねる。
ナツィの隣を歩くかすみはうーん、と天井を見上げた。
「別に自分はなんでもいいけど…」
「なんでもとか一番困るんだけど」
かすみの呟きにナツィは呆れる。
「今日はかすみの服を買いにきたんだから、かすみの好きなようにすりゃいいんだよ」
ナツィがそう言うと、かすみはそう言われてもと苦笑いする。
「自分はそういうのの好き嫌いがあんまりないしなぁ」
「それが困るんだよ」
ナツィは立ち止まってため息をつき、かすみに向き直った。
私の存在意義。
そんなのどこにあるの?
みんなはどうやって見つけてるの?あるの?
私は不登校で、社会のお荷物。
存在する意味もなくて、社会のお荷物で、どうやって生きていけばいいの?
人間は馬鹿だ。
少し考えればわかることを
感情が邪魔して間違える。
そんなんが溢れるこの世は
綺麗なんかじゃないでしょう
人が生きる意味。
そんなものはない。
心臓が動くから生き、
心臓が止まれば死ぬ。
人生ってそんなもん。
頑なに開かない私のこころ。
開きたいのに人見知りでなかなか開けない私のこころ。
でも話しかけてくれたらちょっとはこころひらく。
こころひらいたら明るいうるさい人間になるよ。
こころひらいたら視野が広がる気がする。
まだまだだけど普段の明るい人間を出してみたい。
理想と現実の差が激しいけど。
くちべただけど。
こころひらきたい。
みんな良いよね。相談相手がいて。
心を許せる人がいるってことでしょ。
勉強でわからないところを教えてくれるんでしょ。
喧嘩したり、慰めあえる人がいるってことでしょ。
でも、私にはそんな相談相手がいない。
友達はいるとしても、
心を許せる友達なんていないし、
勉強を教えてくれる友達なんていないし、
喧嘩したり、慰めあえる友達なんていない。
だからか時々虚しくなる。
そんな友だちがいる人達を羨ましく思う。
私は何もできないただの雑魚だって思う。
悲しい。
この世で一番強い つながり
他のひとのところに行っても
他のだれが想っていても
そのひとは絶対
わたしには勝てない
絶対勝てない
絶対勝てない
わたしの身体の隅々にまで
赤い糸が張り巡らされている
わたしを縛り付けている