表示件数
0

ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 25.ヴァンピレス ⑦

「だから、ぼくはあの子の兄として、1人の異能力者として、ヴァンピレスを止めたいと思っている」
それでも、ぼく1人の力じゃどうにもならないんだ、と彼はわたしに向き直る。
「…もしかして、ヴァンピレスが他の異能力者の異能力を奪って回っているから?」
わたしがふとそう言うと、彼はそうだねとうなずく。
「彼女が”他者の記憶を奪い取る”能力以外にも、さまざまな異能力を他の異能力者から奪っているのもあるね」
お陰で彼女は寿々谷でもトップレベルに凶悪な異能力者になっているし、と逢賀さんは呟いた。
「…だから、きみがよく一緒にいるネクロマンサー達に、協力を依頼したいと思ってる」
「えっ?」
彼が不意にそう言いだしたので、わたしはついポカンとする。
逢賀さんは驚くのも無理ないよねと苦笑した。
「でも、ぼくは本気で彼女を止めたいと思ってるんだ」
このまま放っておいても、彼女が余計寿々谷で嫌われ者になってしまうからね、と彼はわたしの目を見る。

0

LINkerWorld LINearWaltz / Miraculous-Ephemeral 3

「私が通行人の道案内をしている隙に、勝手に前へ進むんじゃない」
 「トラブルにでも巻き込まれたらどうするんだ」と厳しい表情で言うウェスト管理官に対し、ミラは「えーいいじゃーん」と笑う。だがウェスト管理官はますます厳しい顔をした。
「リニアーワルツはあくまで異界開発機構が保有する、対ディソーダー戦のための戦力なんだ」
 「だから前線都市内で行動する際は、管理官の監視の下でしか行動できないと……」とウェスト管理官は言いかけるが、ミラは「えー厳しい〜」と口を尖らせる。
「自分はペアがいないから戦力外なのにー?」
「こういうときにその話を持ち出すんじゃない」
「そんな〜」
 ウェスト管理官に諫められて、ミラはついがっかりする。そんなミラを見ても「お前が勝手な行動をすれば、私も処分の対象になりかねないからな」と冷たいことをウェスト管理官は言い、ミラに「ほら、突っ立ってないで」と声をかけた。
「訓練中の仲間たちのために焼き菓子を作るつもりでいたんだろう?」
 「店にさっさと入るんだ」と管理官はミラの肩に手を置いて、店内へ入ろうとする。ミラも「うん」と頷いてウェスト管理官に続こうとした。
 しかし急に歩道を通りに沿って走ってきた人物にぶつかりそうになってしまう。ミラは相手を避けようとしてよろけて尻もちをつき、相手も前方へ転んでしまった。

0

LINkerWorld LINearWaltz / Miraculous-Ephemeral 2

 しかし、この鼻歌を歌うリニアーワルツ・ミラキュラスことミラは少し事情が違う。というのも、このリニアーワルツは十分戦える状態であるはずなのに、ペアとして適合するリニアーワルツが見つからないのだ。
 リニアーワルツは生み出されると異界開発機構の上層部が保有する高度なAIによって膨大な組み合わせシミュレーションが行われ、その予測結果の中から一番戦闘において相性がいいと考えられる相手とペアを組ませられる。だがミラは、この組み合わせシミュレーションでもペアとして適性の高いリニアーワルツがあまり見つからず、結局”有事の際の予備“という名目で生み出された基地のある前線都市・ヘスペリデスにい続けているのだ。そのため、基地内ではペアのいないミラを“戦力外のお荷物”として邪険に扱う者も少なくない。しかしながら、ミラはそのことをあまり気にせず、ペアが見つかるまでのんびりと待機の日々を送っているのだった。
 そうこうしているうちに、ミラは小さな商店の前で立ち止まる。小さいながらも小綺麗なその店には、“MARUS GROCERY”という看板が掲げられていた。
 ミラは看板を確認すると、店の自動ドアに近づこうとする。しかし背後からの「おい」という鋭い声に呼び止められて、くるりと振り向く。そこには背が高く、ヘスペリデス基地で働く職員の制服を着た女が立っていた。
「どこへ行っていたんだ、ミラキュラス」
 睨みつけてくる女に対し、「あ、ウェスト管理官」とミラは間の抜けた声で返す。ウェスト管理官と呼ばれた女は「お前なぁ…」と呆れた。

1

Saturn

我の輪がいつか亡くなれば
なんの意味のないガスの集まり
太陽なんかに愛されることなく
ただビッグクランチを待つだけ
曜日で並べても 月 火 水 木 金 土 日
場所が変われば人気ないSaturn
地球から見ればこの輪がきっと
何よりも美しいからずっと
太陽系惑星6番目
大きさで見れば2番目
人間なんかよりすごいSaturn
仲良くなるための"友達の輪"
好きになってほしいなBaby
だって我は美しいSaturn
逃げれば何もないからBay bay
輪が消えないからずっとJump jump
君が笑顔でいるからDance dance
ターンはだけにも負けないYes yes

ほらI LOVE Saturnって言って...