・”魔獣”
『魔法』の扱いに適合して進化した動物たち。
通常の動物と比べて体格・身体能力・思考能力・感覚能力などなどが強化されている傾向にある。
とはいっても全高20m超えの”鶏小屋”に避難していればそうそう被害を受けることは無い。
・”魔法”
謎のエネルギー『魔力』を原動力として超自然現象を発生させる能力。
理屈で説明するよりも「そういうもの」として飲み込んだ方が上手く使える。
が、人間には『科学』という理屈で説明した方が上手くいく技術を積み重ねてきた歴史があるので、とても扱えるような能力ではない。
せっかく魔法が使える上に何故か快く保護してくれるバーバ・ヤーガがいるので、そこに乗っかった方が良い。
「…そういう事があったのか」
「うん」
それから一週間後。
わたしは寿々谷駅近くの商店街の裏手にある駄菓子屋の前で、いつものメンバー…ネロ、耀平、黎、師郎と店先に座り込んで話をしていた。
あと、先週出会った逢賀さんも一緒だった。
「にしても、ヴァンピレスの兄貴なぁ…」
まさかアイツに家族がいるなんて、と耀平は逢賀さんの方を見やって呟く。
それに対し師郎は、そりゃそうだろと冷静に突っ込んだ。
「アイツだって所詮は俺たちと同じ人間なんだから、兄貴がいたっておかしくない」
「にしても兄貴までもが異能力者なんてびっくりじゃん」
この街は異能力者が多いとはいえ、そんなことある?ってところだけど、と耀平は駄菓子屋で先程買った海老せんべいをかじった。
「それで、ヴァンピレスの兄貴がボクらに協力を申し込むって…本気なの⁇」
くわえていたココアシガレットを指先でもてあそびながら、ネロが逢賀さんに目を向ける。
「あぁ、本気だよ?」
「どうなんだか」
逢賀さんの返事に対し、ネロの隣に座る耀平がそうこぼした。
今、分かっていること
それは
私はあなたに惹かれているということ
愛情というものを知らない私が
唯一、知った感情だ
昔、好きだった人に「君に愛情を、私のありったけの愛情を分けてあげるよ」と、
愛を知らない私が勇気を振り絞って
伝えたことがある
だが、その彼が'' 居なくなった "
その時からだったか、私は恋する気持ちを封印したのは
彼に贈った曲、【ピノとアメリ】はもう私は歌えなくなった
そんなときに、暖かい言葉を掛けてくれた人がいた
それが今の気になる人だ
私はその人に惹かれている
時々過去の嫌なひもに引っ張られている気がする。
新しい環境に少しずつ慣れて
友達できて
でもまだなにか足りない
それはもっと友達と話したい
素を出したい
というやつだと思う
でも過去がフラッシュバックしてくる
自分がまいた種が悪い意味で育って
嫌われた。
ひとりぼっちになった。
周りの鋭い視線が怖かった。
また、そうなっちゃうのかもと考えたら
一歩踏み出せない。
怖いんだ。
嫌われたらどうしよう
ぼっちで寂しい生活だったらどうしよう
そんな過去の嫌なひもに縛れている
そいつをぶっちきれたらいいのに
風が吹いたのに
君の声は聞こえなくて
さよならと言った君を引き留めたから
さよならすら言わずに行ってしまった
風が吹いたから
君の残り香すらなくなって
さよならと言われたらまた引き留めてしまうから
さよならすら聞かずに行ってしまった
花が咲いては散って
木々が揺らめいて
温かい日々が続いて
まだ君を追いかけていて
風が吹いた、の、かもしれない
風が吹いたらよかったのに
風が吹いたとしても、
・”命負祭(めいおいさい)”
バーバ・ヤーガの魔法の威力は、『背負っている生命の数』と『作り出した幸福の数』に比例する。つまり、より多くの人間を自分の”鶏小屋”に保護し、彼らに幸福を齎すほど、バーバ・ヤーガは強力な魔女へと成長していくのだ。
そこで、普段は不規則に徘徊している”鶏小屋”が偶然にも別のバーバ・ヤーガのものと遭遇すると、この”命負祭”が始まる。
これは”鶏小屋”どうしの物理的な衝突から始まり、最終的には互いの魔法の撃ち合いにまで発展する1対1の戦闘行為からなる大掛かりな生態行動である。なお、その間どちらの”鶏小屋”内部にも、衝撃や振動、魔法ダメージなどの悪影響が降りかかることは無い。
勝敗は両者の合意によって決し、負けた側の住人のうちいくらか(相場は1~3割程度。協議次第では多くなったり少なくなったりも)は勝った側の”鶏小屋”に移住することになる。
また、この”命負祭”は住人にとっても不定期に訪れる興行・祭事のような扱いがされており、勝てば自分たちのバーバ・ヤーガが強くなる、負けてもより良いところに移住できる可能性があることから”命負祭”の度に住人たちは大いに盛り上がるため、勝敗に拘わらず”命負祭”直後はバーバ・ヤーガの力が一時的に大きく強化される。
元の由来は、自分より強いバーバ・ヤーガに住民を引き渡すことで、内部の人間を確実に保護しようとした、とあるバーバ・ヤーガのエピソードにある。由来となったバーバ・ヤーガは自分の”鶏小屋”の住人をすべて差し出そうとしていたようだが、住人の数がバーバ・ヤーガの力に直結すると判明してからは、住人を渡し過ぎないよう暗黙の了解が広まった。
・”保護避難民の規模”
避難民の人数によって、その”鶏小屋”の規模はおおよそ以下のように分かれる。
飽くまで『人数』を基準としたものであり、基礎出力や幸福度によってバーバ・ヤーガの強さは変動し得ることに注意が必要。
ちなみに保護避難民が100人を超えるバーバ・ヤーガはそこまで多くない。3桁到達者はかなり頑張っている。
上の上:80人~
上の中:70~79人
上の下:60~69人
中の上:50~59人
中の中:36~49人
中の下:22~35人
下の上:15~21人
下の中:8~14人
下の下:~7人