「”ヴァンピレス”なのだから‼」
彼女がそう叫ぶと、周囲に立つ分身たちは具象体の白い鞭を振るいつつ駆け出した。
わたしは驚いて後ずさるが、ネクロマンサーはその手に具象体の黒い大鎌を出し、わたしの目の前に躍り出る。
そして襲いかかってくるヴァンピレスの分身を、鎌の斬撃で消し飛ばした。
ネクロマンサーはそのまま黒鎌を構えてヴァンピレスに向かって走り出し、ヴァンピレスの目の前まで肉薄する。
しかしヴァンピレスは具象体の白い鞭を剣のようにぴんと張らせて、ネクロマンサーの黒鎌を防いだ。
「まさかアンタ、”寂しさを埋めるため”に他人の記憶を奪ってたとはな」
随分コドモっぽいんじゃねーの⁈とネクロマンサーは尋ねるが、ヴァンピレスはそんなの嘘よ‼と悲鳴にも似た声を上げる。
「わらわは、わらわは他の異能力者や、常人が恵まれているのがうらやましくなんかないわ!」
特に貴女達なんか…‼とヴァンピレスは白い鞭でネクロマンサーの黒い鎌を押し切ろうとした。
ネクロマンサーは負けじと白い鞭を押し返そうとするが、不意にネクロマンサーの背後に分身が出現する。
まだ伝えられていない思いがあります
言葉にしたいのに
何処かに消えていってしまったの
でもちゃんと此処に居るって
分かってほしいから
今日も静かに貴方の隣にいます
私は貴方が生まれたときから
ずっと側にいた天使です
まだ言えてないけど
感じててほしい
希望を見失っても
見つからない果てに残るように
私を失くしても
歩き続けててほしい
疲れて動けないときには
ちゃんと泣き叫んでほしい
そしたらちゃんと
側に行くから
大丈夫。それだけです。
言葉にしていない思いがあります
それはあえて
自分で気づいてほしいからなの
でも分からなくなったときは
ちゃんと伝えに
また飛んでいくから待っててほしい
私は貴方が生まれたときから
ずっと探し続けていました
全く見つからなかったけど
やり直しは効いたんだ
勇気を見失っても
底のない果てのない思いのように
私を失くしても
生きててほしい
疲れて倒れそうなときには
ちゃんと泣き叫んでほしい
そしたらちゃんと
ちゃんと行くから
大丈夫。そのはずです。
人は一人になれないから
孤独と向き合うのは嘘で
本当に大切なことは
自分と向き合うこと
希望を見失っても
崖の果てに残り続けるように
私と別れても
歩き続けてほしい
それはいつしか貴方の
大切な人生の一部
折れてしまいそうなら
側に行くから
大丈夫。後悔はない。
私はこれで全て果たせたような
貴方を守れたような
きっと力になってたらいいな
見つからなくなるけど
私はもう階段を昇るから
貴方の側に居られないけど
気持ちだけは
留めておこう