表示件数
0

Tell us terrible Terrors:死にゆくお前に中指を! その②

人気の無い地下道に入ったところで、青年が口を開く。
「……今回のホシは」
「“アッチ側”に行っちゃったあたしらの先輩。残念だよなァ~」
「把握してんならさっさと動けよ……」
「やる気無いのに動くわけ無えだろ常識でもの言えよ。モチベ0で命なんか張れるかってんだ」
「俺らが動かなきゃ大勢死ぬんだぞ?」
「うるせえうるせえこんな声響く場所で言うことじゃねえだろTPO弁えろカス!」
「所構わず説教しなきゃならないこっちの身にもなれってんだ!」
「無能の世話しなきゃなんねえこっちの身にはなったのかよあァ!?」
男が足を止める。その気配に気づき、女性も立ち止まり正面から向き合った。
「……誰が『無能』だって?」
「あたしと組んだ奴で1人だって“有能”な奴なんざいなかった。だから全員死んだんだろうが」
「てめッ……! 失礼だとは思わねえのかよ……!」
「あいつらに口無しだバーカ。外ならぬバディのあたしの評価に外野から口出される覚え無ェんだよ」
「このッ……!」
その時、通信インカムに着信が入った。二人は同時に通信態勢に入る。
『“騒霊”、“二重身”、ターゲットを発見した。ヤツの現在地は――』
「……喧嘩は後だ後輩。さっさと行ってさっさと終わらせんぞ」
「分かってる」
“騒霊”と呼ばれた女性・茂木加奈と、“二重身”と呼ばれた青年・慈雲寺陸斗は、先ほどまでの口論が嘘であったかのように目つきを変え、歩き出した。
「おい後輩、“略霊”回し続けろ。『死相』が突然増え出したら敵前だ」
「言われるまでも無え」
今回二人が臨んでいる任務は、暴走した“語部”の討伐だ。陸斗の【ドッペルゲンガー】、その略霊能力は、対象の“死相”――『死に近づいている運命』を相貌として感知する。『暴走した“語部”』などという殺傷と破壊の権化が傍にいれば、死のリスクに近づいた事実が彼の目に掛かるのは明白だった。

0

Tell us terrible Terrors:あけて その④

オリエンテーションから数日後の日曜日午前7時50分。養成校高等部校舎前に、3人は集合していた。
「おはようございます、秋津先輩、菅原先輩」
「よっす後輩くん~」
「おはよう永江くん。10分前行動とはしっかりしているねぇ」
「はい……で、ここで合ってますよね?」
「そだね~、8時出発って話だけど……車移動?」
「らしいね。“妖記廊”の人が車出してくれるってさ……と、噂をすれば」
エンジン音に3人が顔を上げると、1台の紺色のハイエース・ワゴンが最徐行で近づいてくるのが見えた。
「あのナンバー……うん、あれだね」
「おー、でっかい車だ~」
潮が先んじてワゴンに向けて駆け出し、後の二人も続く。停車したワゴンの運転席側の窓が開き、30代ほどの男性が顔を出した。
「お、全員揃ってるな。5分前集合とは感心感心。それじゃ、みんな後ろに乗りな」
3人が乗車してシートベルトを締めると、ワゴンはゆっくりと発進して校門を抜けた。
「さて、依頼内容については理解できてるかな?」
運転手の男が尋ねてくる。
「はーい、“八尺様”を倒す!」
「または封印する」
潮と王蕗の答えに、男は頷いた。
「そう。封印用装備については一番後ろのシートにオリコン(折り畳みコンテナ)があるだろ? そこに入ってるから。それから、全員分の“霊凛”と“霊火”もあるぞ。みんな講習は受けてるか?」
「もちろん!」「はい」
潮はサムズアップを示し、王蕗も首肯する。
「自分も行く前に受けとけって言われて受けました」
吉継も答えると、男は目を細めて頷いた。
「真面目な学生たちで何よりだ。目的地までは3時間くらいかかるから、好きに過ごしていてくれ」
車が赤信号で停止したタイミングで、王蕗は席から手を伸ばし、後部座席に載っていたオリコンを引き寄せた。
「おっ、流石王蕗先輩腕長~い」
「こういうところは背が高い強みだよねぇ」
王蕗はオリコンを膝に乗せると、封印装備を確認し始めた。潮はスマートフォンをいじりながら時間を潰し、吉継は再発進したワゴンの車窓から、流れる景色を眺めていた。

0

Summer toast

夕暮れの風、ぬるくなった soda

Time to reflect on what happened today.

つまらなかった? Not at all.

That's 青春, that's what it's all about.

Is that so...? まぁいっか

I made a quiet toast to someone.