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五行怪異世巡『覚』 その①

「種枚さんのォー、五行会・山狩りたァーいむ」
「わぁーぱちぱちぱち」
種枚さんと白神さんの和やかな挨拶。
「……ところで、1つ質問良いです?」
「ん? どしたの千葉さん」
「なんで自分もこの場にいるんですか」
種枚さん曰く、今日はこの山で何か妖怪を捕まえるらしい。それで白神さんにも助力をお願いしたいと、そこまではまだ分かる。しかし、自分はただの『霊が見えるだけの人間』だ。戦力にはなりようが無い。いても足手まといになるだけだと思うのだが……。
「え、だってぇ……クサビラさんと二人っきりになるの怖くって……」
白神さんがすり寄ってくる。
「……いやまぁ、それは仕方ないか…………」
「ッつーわけで、チバさんよォ。お前にも同行してもらうわけだよ。まァ安心しなって、私がいる。ついでにシラカミメイもいる。危険なんか無いさね」
「いやまぁ、はい。そこについては別に心配してはいないんですけど…………あ、ところで今日の山狩りって何を狙ってるんですか?」
「ン?」
種枚さんの口角がニタリと吊り上がる。
「覚」
彼女はそう短く答えた。