「…お前名前は?」
おれは露夏って言うんだけど、と露夏は笑いかける。
金髪のコドモはえーと…と目を泳がせた。
「この子、まだ“保護者”に名前を付けてもらってないんですって」
金髪のコドモの困った様子を見かねたピスケスはそう呟く。
露夏はえ、マジ?と首を傾げた。
「この子名前ないの⁇」
露夏が聞くとそうなのよとピスケスは答える。
「はえ〜」
そういう“保護者”もいるんだなと露夏は顎に手を当てた。
「まだこの子を造った人は魔術に慣れていないから、急に人工精霊を造ることになってどうしたらいいのか分からないみたいなの」
だから急に名前を付けられなくてね、とピスケスは続ける。
「ま、魔術に慣れてないのに人工精霊を造るなんて…」
どういうことだよと露夏は呆れた顔をした。
ピスケスはふふふと微笑む。
「まぁ、ちょっとね…私がそうさせたんだけど」
「おい」
思わぬ発言に露夏は思わず突っ込む。
「お前魔術初心者に人工精霊造らせたのか」
何考えてんだよと露夏はピスケスにジト目を向ける。
ピスケスはまぁまぁいいじゃないのと続けた。