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LINkerWorld LINearWaltz / Miraculous-Ephemeral 1

「……ふんふふ〜ん」
 午後の暖かな日差しが辺りを照らす異界の前線都市・ヘスペリデスには、商店街がある。資源獲得のために開発が進む異界で働く多くの人々の生活を支えるため、人類の生まれた世界から決して少なくない数の人々がやって来ては、人々の生活に必要な仕事に就いているのだ。その業種は多岐に渡り、小売業やサービス業、運輸業……と人類が生まれた世界と同じように人々は働いている。異界の開発の拠点だけでなく、異界で働く人々を支えるために前線都市が存在していた。
 そんな街の商店街の大通りを、のんきに鼻歌を交えながらスキップしている奇妙なコドモの姿があった。
 そのコドモは短い黄緑色の髪に緑と赤のベレー帽を被り、黒いシャツに緑と赤のネクタイを締めた上に緑のブレザータイプジャケット、緑と赤のストライプ柄の膝丈ズボンを身につけて、足元は白い膝下ハイソックスに黒い革靴を履いている……といったいで立ちだ。
 パッと見たところは人間のコドモのそれだが、この華やかな容姿は本来であれば見る者に違和感を生じさせるはずである。しかし、ヘスペリデスの街中を行く人々は誰も気に留めない。なぜなら、このコドモは異界で働く人々や前線都市を、謎の敵・ディソーダーから守るために生み出された特別な存在——リニアーワルツだからだ。
 異界を開発する過程で人類や前線都市を襲撃するようになったディソーダーへの対策のため、異界開発の中心的存在・異界開発機構が生み出したこのヒト型存在は、二対一組で造られる合体・分離兵器……ジェミニを使いこなし、相性のいいリニアーワルツとペアを組んで前線都市の外へ戦いに赴くことが任務となっている。人々や前線都市を守るリニアーワルツたちは、異界で働き暮らす人々にとって自分たちを守ってくれる”英雄“であった。