ヴァンピレスから異能力を奪い取る作戦を止める、とわたしが決めてから暫く。
わたしは寿々谷駅周辺のあちこちを走り回っていた。
…というのも、なんだかんだ半年以上ネロ達と一緒にいて、互いの連絡先を交換していないのだ。
一応ネロ達と逢賀さんの作戦会議の場に同席しているので、大体どの辺りで作戦を決行するかは分かっている。
しかし、ヴァンピレスをどのタイミングで襲撃するかは逢賀さんが連絡したタイミングで、という事になっているため、どこか別の場所でネロ達が待機している可能性があった。
「どこ行ったんだろう…」
路地を早歩きしつつ、わたしはそう呟く。
とりあえず、いつもの駄菓子屋でいつも店番をしているおばあちゃんにもネロ達を見ていないか聞いたが、今日は見ていないという。
もしかしたら既に作戦は終わっているのかもしれないが…そうであって欲しくない。
わたしは一縷の望みをかけて、路地を駆け出した。
とにかく、異能力を使うのだから人目につかない所のはずだ…
そう考えつつ路地の十字路にさしかかった時、不意に見覚えのある小柄な少女が路地の角から転がり出てきた。
わたしは自分の足元から立ち上がろうとするその少女…ネロと目が合う。