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Tell us terrible Terrors:あけて その⑭

「ただい……君たち何してるの?」
16時半頃。冷房の効いた吉継の部屋で毛布を被っている二人を見下ろして、王蕗が尋ねる。
「あっ菅原先輩」
あっさりと毛布を捨てて立ち上がった吉継に対して、潮は包まった姿のまま王蕗の足元にすり寄る。
「先輩ぃ~、やっと帰ってきたぁ~」
「菅原先輩、“八尺様”に遭遇しました。あと、昨夜窓辺にやって来たのも“八尺様”です」
「……なるほど。詳しく聞こうか」
3人はテーブルに各々が道祖神の位置を記録したマップを広げ、情報共有をすることにした。
「にしても王蕗先輩のマップ、マークの数多くありません? というかこの村道祖神多すぎません?」
「“コロポックル”達に探させたんだ。君たちの見つけた分も合わせると……こうなるね」
王蕗が描き足したマップには、赤いポイントが100以上、村内はもちろんのこと周囲の山中にまで刻まれていた。
「……多すぎない?」
「多いね。そして、永江くんの証言や遭遇した際の状況、それから僕の推測も合わせると……」
王蕗は定規を手に取ると、赤ペンを走らせてマップ上のポイントを一つ一つ結び始めた。
「……多分、『結界』はこういう形をしている」
「……かなり滅茶苦茶な形してますね? この辺とか異常に細いし……」
吉継の疑問に、王蕗が頷く。
「おそらく、村内に“八尺様”を留めつつも人間が行動圏を避けて生活できるように、建物や道、農地を上手く躱すようにしたんだろうね」
「じゃぁ……『あけて』ってのは……」
「……結界に“穴”を、開けてほしかったんだろうね。『獲物』である君を追うために」
「ぴゃぁ恐ろしい~」
「……秋津さんいつまで毛布被ってるの?」
「……いやほら、めっちゃ強いらしいオバケ相手だし、一人くらいはビビり役がいた方が良いかなって」
潮もあっさりと毛布を解き、畳んで膝の上に乗せる。
「あ、秋津先輩それ演技だったんですね……」
「そりゃそうだよ。いくら準擬神格級っても、私は【ダイダラボッチ】だよ?」
「自信家ぁ……」
「ははは、頼もしいことだ。ところで結構分かってきたところで二人に訊きたいことがあるんだけど」
王蕗に視線が集中する。
「この“八尺様”を、倒すか封じるか。どっちにする?」