最後の電話
呼び出し音を聴きながら
出るかなぁ、出るかなぁと
待っているとき
呼び出し音が途切れた。
「もしもし!◯◯だけど…」
勢い余って名乗ろうとしたのに…
その言葉が最後まで言われることは
…なかった。
僕の「もしもし」に応えたのは
無機質で
淡々とした
「おかけになった番号は現在使われて
おりません」
これで10回目。
どこかで
10000回ダメでも10001回目は…
なんて聞いたことあるけど、
僕はそんなに挑戦できない。
からもう。
これで
最後にするね。
この10回の間で言いたかったことは
「さようなら」
よりも
「ありがとう」
だったんだけどな。