もしもあの500日がなかったら 私は貴方の恋人になれただろうか 変わりゆく貴方の価値観を 変化に気付かず許容して そうして私を変えながら 貴方の隣に居れただろうか
きっとこれは悲しいことではないのに 纏っていた感情が剥がれてゆくのは悲しい
辛いとか苦しいとか 吐き出してそれが何になるの 誰も受け止めては下さらないのに 構ってとか愛してとか 願ってそれが何になるの 誰も掬っては下さらないのに お慕わしい気持ちなど 差し出してそれが何になるの あなたはきっと振り払うのに
初めてを大事に抱えて いつかいらっしゃる貴方のために なんてね、本当は そんなアテ何処にもないから いっそ私が奪ってしまおうか、とか そんなことを考えたりもする 冬の夜
飴色の把手を回して 踏み入ったのは懺悔室 腰掛けたベンチの隣に 神父様はいらっしゃらない だって呆れてしまわれた 何度も掛け直した首のロザリオ 貴方に叱って欲しくて信仰を曲げた私を 貴方は見放してしまわれた いいえごめんなさい 責めるつもりはないのです 詰るつもりもないのです 私はただ、懺悔を。そう、懺悔を。 懺悔をしたかったのです ごめんなさいと言って ロザリオを手首へ巻き直したかったのです 天への謝罪は貴方が届けて下さるけれど 貴方への謝罪は何方に願えば届くのかしら
私は君を愛しているけど それは引き留める理由にならないね 私の願いは何時でも 君の自由と喧嘩している その背中に映える白を 私は如何しても奪えない 君は大きな空の高いところを 何処までだって翔んでゆける くん、と顔を上げて ぴん、と伸びた背で 大丈夫 きっと 君を阻害するものは何もない その気になれば君は 父でさえも越えてゆける 君は真っ直ぐ前だけを見据えて 私を顧みることはしないで 期待値が零なら私は 遠くなる背中を きっぱりと愛してみせるわ
お気に入りのキャミソール つるつるしてて気持ちいの 風邪引くだろって怒った君が 買ってくれたセーターは ふわふわしてて気持ちいの だけどね 違うんだよ 私が欲しかったのは 綺麗な色のセーターじゃなくって 風邪引くだろって怒った君の ちょっぴり苦しいハグだったんだよ
商売道具の舌が縺れて 原動力の心は からから 掛けられた期待に 応えられないもどかしさ 栄養源の映画や舞台は 観るほど自尊心を潰しにかかる 商売道具の喉を壊して 原動力の想いを棄てて 出来もしない妄想は 時折信じられないくらいに甘美 そうしたってどうせ私は 懲りずに渇望してしまうのに
わけもなく、わけもなく世界は 崩れてゆくのです 僕の掌から毀れる無数の何か それを認識する隙さえなく 世界は崩れてゆくのです 崩れた先には 白くて大きなお皿があって 滑らかなその肌を 世界の欠片が染め付ける そうして わけもなく、わけもなく世界は 創られてゆくのです
挿げ替えて 挿げ替えて 「私はあなたの味方です。」 挿げ替えて 挿げ替えて 「私はいつも味方です。」 そうしていつも挿げ替えて 「本当ノ私ハ何レデスカ?」 何れも全て私なら、 挿げ替えているのは誰のカオ?