未練を数えて生き延びる 損を恐れて蹲った私が ただ無下にしている日々 見る人が見れば贅沢な 見る人が見れば脆弱な そんな 私の生きた日々 意味なんてあるのかと自問して 意味なんてないだろと他答され 意味なんているのかの終着は 答えであるのか 逃避であるのか
絡めた指を恋にしてしまうことなんて きっと訳ないことだけれど 色を持たせず絡め続ける 其処に価値を見出すことって そんなに受け入れ難いことかしら?
眠れぬ夜には目を閉じて 貴方の腕を そうぞうする 白くて骨張った長い其れの 終着点は ひんやりとした掌 腫れた頰を宥める其れの 手首に息衝く light blue 眠れぬ夜には目を閉じて 貴方の胸を そうぞうする すとんと滑らかな硬い其れが 骨を失くした首を支えて 左耳の下 脈打つ其れが 彷徨う呼気を引き留める まるでトドメを刺すみたいに 私を抱き潰してくれたなら 詮無い願いを託して そうぞうしてしまった腕と胸 曖昧な輪郭の貴方へ 名前までもを託して仕舞えば いっそ私は幸福だろうか?
例えば、辛党の君が作ってくれる とびっきりの甘口カレーに私の舌が蕩けた時 例えば、慣れない私がやっと こさえた 味噌カツに君が うま!とがっついてくれた時 きっと此処には 愛が満ちている
貴方の心の柔らかいところを 如何斬り付けるかばかり 考えた日々があって それは それで 私にとっての愛だったけれど 歪に盛り上がる新しい表皮の でこぼことした畝に縁取られた 貴方の心の有り様に 言い知れぬ悪寒を懐くことが 今では私にとっての愛であって それはきっと 罪悪感を背負うことへの自己陶酔でしかなく それはきっと 今迄のどの瞬間にも貴方への愛ではなかった
貴方が傍に居なくても 私の笑みは翳りない 私が傍に居なくても 貴方の背筋は歪みない そんなことが 悲しいだなんて 不健全かしら 不健全だわ 貴方が傍にいなければ 私は息の継ぎ目を見失う 私が傍にいなければ 貴方はその足を踏み出せない そんなことが 愛しいだなんて 勘違いかしら 勘違いだわ
予報を裏切る青空に 晴れ女だなって笑った君 隣が あの人じゃないから、なんて とてもじゃないけど言えなくって 日頃の行いが良いからね、なんて 曖昧な笑みで 君の手を握ってみた
花散らしの夜には絹を纏って 貴方を懐きに参ります 剥き出しの土塚の傍ら そっと頭を預ければ 極上の羽毛のような貴方が 私の肌に降り積もる いつだって曖昧な笑みの貴方は 懐くつもりの私を 冷え切って尚 懐き続けるおつもりなのですね
今日お店に貴方に似た人が来たの。 だから何? って言うような 他愛のない糸口で 会話を始められるくらいの そんな親しさになりたいの。
重ねれば重ねただけ それは白々と私から離れて行くので こちらの詩集をお読みになって ちょっと長くてお手数をお掛け致しますけれど どうぞ その御手で撚り合わせてやって下さいな。