祖父との最期
土曜日の昼過ぎ、自分の祖父が長い闘病生活の末
天国へと旅たちました。
どうしようもないくらい涙が流れました。
祖母を除き、子供、孫の中で最後に会ったのは 自分でありました。
祖父の遺体は、その日は家へと帰りました。
自分も、その日は祖父母の家に泊まり
悲しさを紛らすように寝ました。
そして深夜、フワフワとした感じのまま廊下を通り、祖父が寝ている部屋を通ると、うーんと、そ祖父が上半身だけ、起き出してきました。
慌てて、祖父に近寄り
「起きたんね!?」
祖父は、笑顔で頷きました。
「ちょっと待っててな。お茶と飯でも持ってくるから。あ、ばぁちゃんも読んでくるから」
また、笑顔で頷き、自分はキッチンへと歩きだしました。
そして、次に気がついたのは深夜、布団の中。
「(あぁ、お茶とか出した後、また俺、寝ちゃったんやな。茶碗でも回収しないと。)」
そう信じて疑いませんでした。
そして、意識がしっかりした頃
「(ん?、じぃちゃんの寝てる部屋って、ばぁちゃんも寝てたよな…なんで、あの時ばぁちゃんの布団が無かった??)」
そう、夢だと気づいた時、涙が流れました。
今までだって、別れ際はいつだって笑顔でした。
おそらく祖父は、自分に何も言いませんでしたが、笑顔でお別れを言いに来たんでしょう。
その証拠に夢に見た祖父は、病気で痩せた顔ではなく、元気だった頃の、にこやかな顔でした。