どしゃぶりのバス停で 3
「はい、相葉さん、ギリギリセーフですね。あと3分おそかったら、遅刻だったわよ」
教室に着くと、先生がイラついた口調で言った。
いつものホームルームで、終わるはずだった。
「えーっとね、今日は新しい仲間を紹介したいと思います。入って」
入って来たのは…朝バス停で出会ったあの人だった。
黒髪で、メガネをかけてる。いわゆる知的な感じのイケメン?
私は、こういうのに疎いからあんまりわからないけど、女子がさっきからざわついている。
「伊藤弘明です。」
「伊藤君は、愛知県から引っ越して来ました。仲良くしてくださいね」
先生が早く済ませたい、という調子でホームルームを終わらせた。
ホームルームが終わると、教室がざわつき始めた。
私は、仲のいい優里香の方へ行って、結局伊藤君には何も言わなかった。