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 大型連休に入った。千本ノックのようなきつい労働からしばしの解放。頭がおかしくなりそうだった。ずっとネガティブな考えしか浮かんでこなかった。上を向くと、ポジティブになれると何かで読んだので、上を向いてみた。ちっともポジティブになれなかった。ポジティブになれる奴は、上を向くとすぐ脳への血流量が減るタイプなのだろうと思った。血流量の低下による痴呆状態をポジティブと錯覚しているだけなのだろうと。いまになって、額面通り受け取っていただけだったとわかる。上を向くというのは自己が上昇するイメージングをすることだったのだ。思考能力が完全に低下していた。ぼくは頭がおかしくなりそうだったのではなく、おかしくなっていたのだ。
 イメージングは、上手くいかなかった。嫌なことがずっと忘れられなかったからだ。ぼくは嫌なことが忘れられるというので有名な、神社に行くことにした。


「ちょっとあんた」
 露天の占い師の老女に声をかけられた。無視しようと思ったが立ち止まるしかなかった。なぜならバス停のすぐそばだったから。
「はい」
「嫌なことを忘れようとしてるだろ」
 ぼくは老女から目をそらした。べつに驚かなかった。例の神社行きのバスが停まる停留所なのだ。
「あんなとこお詣りしたって無駄だよ。だいたいね。嫌なことってのは忘れようとすればするほど忘れられなくなるものなんだ」
「……そんなことはわかってますよ。ご利益がなかったとしても、山の緑を見て、新鮮な空気を味わうだけでだいぶ気持ちが変わるでしょう」
 ぼくは目をそらしたまま、時刻表を指でなぞりながら言った。
「わたしが言いたいのはね。忘れようとするのは、明るく生きていこうとする気持ちがあるからだろ? だがそれはちがう。明るく生きてくためには嫌なことを忘れようとしちゃ駄目なんだ。明るく生きてくためには嫌なことと向き合わなきゃいけないんだよ」
 なんだか腑に落ちるようなところがあり、ぼくは顔を上げた。
 老女は、いなかった。露天も消えていた。けろけろと、蛙の鳴き声がどこかからきこえた。
 ぼくは来た道を戻り、駅前のビジネスホテルにチェックインした。部屋に入るとすぐベッドに横になり、目を閉じた。
 
 夕方、目覚めると、ぼくは蛙になっていた。

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哲学企画の事1

皆様、反応遅くて申し訳ございません。
哲学企画についての色々を。

はじめに何を話しましょう。
何度も言いますが、参加表明をして下さった方々に心からの感謝を。


私のもとに一つの意見が来ました。
「対話の中でその人自身の考えが変わってしまったら、その人にとって不利益では無いか。」と言うものです。
これについて私の考えを述べさせて貰うと、
これについてはケースバイケースであり、絶対に変えたくないのならそれ相応の理論武装をして下さい、
という風に思います。

それで、考えたのですよ。
皆さん、予行練習をしましょう。
ルールは以下の通り(予行練習なのでこのルールは予行練習だけのルールです。)

①予行練習の開始日は4/29。
②この日に皆、お題についての考えをここに投稿して下さい。500字を越えてしまう場合は、そこにレスをして続けて下さい。
③一通り読み終えて、出来ればでいいですが、気になる考えには質問や感想をレスしてみましょう。しかし、否定をしてはなりません。つまり、「これは間違っている!」と断言してはなりません。そういう場合には「どうしてこの考えに至ったのですか?」と聞いてみましょう。
④対話、討論は1週間まで続けていいです。
⑤哲学企画とタグ付けして下さい。
⑥参加表明した方は必ず参加しろという訳でもありませんし、必ずしも参加表明が必要という訳ではありませんし、質問したりするだけでも良いのです。

以上のルールで予行練習をします。

それで、肝心のお題なのですが、今回に限り私が出します。
ずばり、『何故上を向くとポジティブになるのか』にしましょう。(なんとか難し過ぎないのに落ち着いて良かった。)
2日間考えて、文に落としてみてください。


そして、企画名・ルール案・参加表明は募集していますが、締切が明日明後日なのでお早めにー。
では、また会いましょう。