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2

アナーキー・イン・ザ・クラスルーム

狂ったように騒ぐ街と、抜け出した後に感じる孤独
孤独を抜け出す勇気を棄ててあまんじて受け入れる
まぜこぜた陰鬱なアパートの、ある一室のドアを開ければ、
そこは僕だけの国、ビザのないやつは入れない


変わってくのは僕ら人間で
地球さんは何も変わらない
唯一変わるといえば僕達が汚してくだけ

空回るよグルグルグルグル回る
歪が過ぎた世界の円周は
3,いくつじゃ 正直測れねぇ
空回るよグルグルグルグル


権利でありほぼ義務で登校、夢で何度も殺たあの顔
今日も「ノリ」という名のマジョリティー、そして今日も先生が泣いてる
出来ることなら馬乗りになって、首絞めながらあいつに言いたい
「ねぇ今日も馬鹿デカい声でさ、あのクソみたいな『ノリ』をやってよ」


今は黙って見ているけど
後少しネジが回っちゃったら
狂った僕が君を絞め殺してしまうんだろう

空回るよグルグルグルグル回る
歪が過ぎた世界の円周は
3,いくつじゃ 正直測れねぇ
空回るよグルグルグルグル


止まらない涙の連鎖を
誰も止めることすらしたがらず
「正解」という名の群衆たち
蹴散らす救世主すら出てこない

空回るよグルグルグルグル回る
歪が過ぎた世界の円周は
3,いくつじゃ 正直測れねぇ
空回るよグルグルグルグル

空回るよグルグルグルグル回る
歪が過ぎた世界の円周は
3,いくつじゃ 正直測れねぇ
空回るよグルグルグルグル

アナーキー・イン・ザ・クラスルーム
僕がもっとぶっ壊してやるよ
アナーキー・イン・ザ・クラスルーム
僕がもっと犯しくしてやるよ

6

ω

加速する日常に嫌気が差す若かりし日
虚無へ向かう旅路は複雑怪奇で
分岐点で間違い後戻りもできずに
急ぎ足で雑踏の中を歩いた
影に隠れた惨めさはどこからともなく現れ
あらゆる行動についての抑止力として
苦悩、絶望、諦観と嗚咽の種となる

自発的な交流をする程の自信は持てずに
目を瞑った事実が幾つかあった
それはきっと青春と形容される日々にて
犯した失敗が恐怖に結び付いたから
人のせいにしていたら成長はできないな
でも全部自分が背負い込むのも違うな
昔同じ眼をしたあの子が言った通りだ

僕の歌口ずさんでる君の幻影を見たんだ
泥濘に堕ちてこその人生
できなかった事 見つけきれなかった物
無垢な君の笑顔を守れなかった記憶が
僕を縛っていた呪いもいよいよ消えた
それでも肯定には程遠い
僕は僕のままで良かったか

煙臭いあの部屋 咄嗟についた嘘
一人また一人と離れていった
好き嫌いの境目が徐に消えていき
それがいつの日にかつまらなく思えて
自分とは何者か
曖昧な命題に妥協する人間を横目に生きた
そんな頑固さが吉と出たか凶と出たかは分からない

僕の歌口ずさんでる君の幻影を見たんだ
泥濘に堕ちてこその人生
当たって砕けた事 諦めて逃げた事
あの日立てた誓いを殺してしまった記憶が
僕を縛っていた呪いもいよいよ消えた
それでも肯定とは程遠い
僕は僕のままで良かったか

息を切らして雨の中駆け抜けた日々が
主観的には不規則に進む時間が
とちりながらも必死に紡いだ言葉が
分かり合えないと知りながら愛した心が
昨日までの生の集積が形作る
歪なんて言うのも憚られるそれは
自然な完璧が失敗を含むように
僕を否定した僕が織り込まれている

僕の歌口ずさんでる君の幻影を見たんだ
泥濘に堕ちてこその人生
いつか振り返ったときそう思えればいいが
無垢な君の笑顔を守れなかった記憶が
僕を縛っていた呪いもいよいよ消えた
それでも肯定とは程遠い
僕は僕のままで良かったか

2

ψ

具現化された悪意に触れる度僕は思うんだ
人間は自分が思う程高尚じゃないと
終末論は嫌いだよ でもこんな世界も愛せないよ
無垢な優しさが
足枷となるような場面を幾つも見た
僕は歌を歌ってた 誰かに届ける為じゃなく
いずれ何者かになってしまう
自分への供養としての歌
それは確かに深淵に突き落とされたあの日の僕を
もう一度手にしてみる動機として
美しく機能していた
それを笑うような奴にはいつかその報いが訪れる
そんなありきたりな道徳は
もう僕には必要ないんだ
喪失が流させた涙も 未だ風化しないトラウマも
全部糧にしてみせるから 全部歌にしてみせるから

世界が変わるのを待ってる 窓から外を眺めている
少年だった僕に告ぐ 武器を取り戦うべきは今
肯定される事は無いが美しいと形容される
人間の足掻くその様は数少ない愛せるものだ

洗い流す機会も無く誰もが多少の罪を背負う
それを糾弾する資格を
誰も持ってないのは自明だが
身の程知らずは何処からか
掃いて捨てる程に湧いて
心無い言葉はまるで頭上を飛ぶ弾道ミサイル
アルコールで安い眠りに誘われた弱い精神は
希望を未だ持っている 手放す事なく持っている
誓いを立てたあの場所は
コンビニへと様変わりして
虚しい気持ちになったからギターを握って抗った
投げつけられた物も多く 手では拭えない物も多く
大衆に異分子と見做されるような事も沢山あった
それでもまだ立ち上がるのは
それでもまだ戦えるのは
この苦しみと生きる意味が
無関係じゃないと思うから

その確信は楔である 僕を貫く楔である
少年だった僕に告ぐ 足元にひっそりあった影
色も形も多種多様な苦悩が集まる海辺にて
眺める落日は懐かしく数少ない愛せるものだ

流動的な価値観を意識せざるを得なくなって
それを後戻りの言い訳にしそうな自分を叱咤して
理解されないような機微や報われない擦れ違いは
ここで荼毘に付すとするよ この歌を墓標にするよ

どうにもならない日々の事 殴るに殴れない敵の事
研ぎ澄まされた眼光は痛みに隠れる一縷の望み
できない事はやらないけど使える物は全部使う
そうして辿り着いた自分は数少ない愛せるものだ

0

χ

ワイドショーを賑わす連続強盗殺人事件
月光が照らすは何の変哲も無い一軒家
夫婦仲は悪く夫は今別居中だ
家庭を顧みなかった彼には当然の報いか
妻の体には至る所に刺し傷があって
幼い息子が一人取り残されて
犯人の映像は監視カメラにあって
推定するに二十代後半 未だ逃走中で

こんな夜は探せばそれなりにある
だからどうした? 吹く風はいつも冷たい

誰からも愛された事の無い人は屈折して
心の大きな穴を何かで埋め合わせたくて
それを合法的にするのは思うより難しくて
誰が悪いとか誰かに勝手に決められたくなくて

涙で見上げた月が滲んだ
涙で見上げた月が滲んだ

暴力とは物理的なものだけでは無くて
むしろ鋭い言葉の方が彼を傷つけて
母親に捨てられたのだと彼は思い込んで
部屋には多数の酒瓶 臭いが充満して
彼は人前で笑顔など見せた事は無くて
心配してくれる人も少なからずいたが
そんな懇意は沈黙により尽く打ち払われて
いつしか彼の胸には狂気が潜んでいて

こんな夜は探せばそれなりにある
だからどうしても吹く風は冷たくなる

理由があれば何でも許される訳じゃないけど
衝動が形成される過程は確かにあって
その引き金は往々にして外からの刺激で
結局性格は生まれた場所で決められて

涙で見上げた月が滲んだ
涙で見上げた月が滲んだ

数日後犯人が呆気なく捕まると
誰も彼もがこの事件に興味を失くして
娘を失った遺族は人知れず泣いた
事件解決を喜ぶ世間に隠れて泣いた
母を失った少年が理解するのは数年後の話
憎しみが連鎖するのは至極当然な理
忘れてしまいそうになるが人間も動物
頭の中で思っている通りには行動できない動物

こんな夜は探せばそれなりにある
だからといって吹く風を冷たくしないでよ

怒りの対象が常に形あるものとは限らず
社会構造に殴られる事だってある
綺麗事なんかさらさら言う気は無いけれど
こんな夜はさっさと明けてほしいんだよ

涙で見上げた月が滲んだ
涙で見上げた月が滲んだ

3

υ

心、擦り減ったお前を彼女は優しく撫でてくれた
やるせないどんな不条理も
あのとき確かに昇華された

心、酔っ払いの怒号にそんなに怯える事はないよ
虫の群がる街灯に有象無象は溶け込むから

足元を見て歩いていたら
誰とも目を合わさずに済むけど
愛しい彼女の澄んだ瞳はお前一人では持ち得ない物

こんな僕の苦いだけの記憶も
切り分けてよと笑ってくれた
だから僕は傷跡をなぞる
その白い腕を走る細い線を

心、僕はたまにお前が分からなくなる事がある
何の解決にもならないと知ってて
数々に当たり散らす

心、今日はもう眠ろうか 明日の事は明日考えよう
彼女の目にできてた隈は幸福からは程遠い

澱んだ空気に吐きそうになる
混濁させるのは容易いけれど
鋭く尖ったままでいてと頼まれたあの日の残像

こんな僕の苦いだけの記憶も
切り分けてよと笑ってくれた
だから僕は傷跡をなぞる
その白い腕を走る細い線を
指と指絡み合えば刹那生き辛さも消えた
そんな気がしたんだ
だから僕は足跡をなぞる
いつか迷わず走ったあの線を

心、僕は決してお前を零したりしない ここに誓うよ
彼女が僕の中にお前を見つけてくれたのが
嬉しかったんだ

こんな僕の苦いだけの記憶も
切り分けてよと笑ってくれた
だから僕は傷跡をなぞる
その白い腕を走る細い線を
指と指絡み合えば刹那生き辛さも消えた
そんな気がしたんだ
だから僕は足跡をなぞる
いつか迷わず走ったあの線を

2

σ

咄嗟に嘘をついたら
その後生きづらくなってしまったこと
暗い話はしたくないから
テレビで聞いた話をしていたこと
本当の僕は君が思うよりも汚くて
君に好かれるようなところが何一つ無かったこと

覚えてる

君が何か伝えるときに
僕の目を真っ直ぐ見てくれたこと
君と手を繋いだときに
命の温もりを肌で感じたこと
別れ際になって初めて君が怒ったとき
何考えているのか分からないと叫んだこと

覚えてる

確固たる夢など持たず彷徨う
煙草の煙の行方を目で追う
自分の不甲斐なさに半ば呆れながらも
自分を奮い立たせる今日
何にもできなくてごめんなさい
生まれてきてから今まで間違いだらけの人生だった

僕は君のことそんなに
好きじゃなかったのかもしれないな
君に求められてるのが
ただ嬉しかっただけなのかもな
あの頃の僕の埋め合わせ
ポケットには幾らかの小銭だけで
真面目に働かないとな、なんて思った

転んだ拍子に
砂が口の中に入って気持ち悪かったこと
人の顔色を伺って無難な選択ばかりしていたこと
死んだと思ってた親父が実は生きていたこと
母親の腕の痣を誰がつけたのか分かったこと

覚えてる

考えてもどうしようもないことを考えて怖くなる
もしも君がいたら
一人じゃないよ、とか言ってくれたかな
そんな都合のいいことを夢想する
やっぱり僕は汚いな 昔の最低なままだ
失望されるのも慣れたよ

好きだった漫画の最終回 大団円で嫌いになった
世界は綺麗好きなんだと
そのとき思い知らされたんだ
お前には居場所がないって言われた気がしたんだ
口の中に苦い味が広がったような記憶

覚えてる

僕は同じ場所でもがいてる 君は随分遠くにいる
こちらを振り返らずに 僕には一瞥もくれずに
走り去っていく君がとても綺麗だった
その残り香は君のいない世界にも
まだ残っている気がした

4

ρ

味方なんて一人もいない
匿名希望の罵詈雑言
どうせ君も人間だ 得てして屑に違いない
幸せだと思い込んだら幸せになれるようなもんさ
そう思っていたあの日々は確かに幸せだったんだ

確かに幸せだったんだ

掴み所のない虚無に 行くあてなど知らない憤怒に
こんなに荷物が増えるとは
予想していなかったけれど
誰も信じられないんだ その言葉だけ信じていよう
君が僕の敵だったときに落胆せずに済むように

覚悟を決めて立ち上がれ
陳腐な叱咤と激励
大衆は自分勝手
分かったよ 好きにやらせてくれ

あの日陰で誰か泣いていた
それはもしかすると僕だった
よくある別段何ともないような話
奥歯を食いしばり歩いてた

ふざけんな こんなどん底で
終わりなんかにしてたまるかよ
唾吐き石ころ蹴飛ばし帰る寒空
充血した目で見据える未来

大人はいつも小賢しい 徒党を組めば尚一層
それらはいつも壁となり 決まって僕の邪魔をする
どんなに惑わされようと 自分だけは信じていよう
自分で決めた道を行くときに振り返らないように

絶対死ぬなって言われて
僕は何て答えたっけ
右手の拳力込めて
大きく息吐く 外は雨

あの日陰で誰か泣いていた
それはもしかすると僕だった
よくある別段何ともないような話
奥歯を食いしばり歩いてた

ふざけんな こっから正念場
ハンデはこれくらいで結構だ
唾吐き石ころ蹴飛ばし帰る寒空
充血した目で見据える未来

死に物狂いで生きなきゃ駄目なんだ
じゃなきゃ死んでるのと何も変わらないんだ

あの日陰で誰か泣いていた
それはもしかすると僕だった
よくある別段何ともないような話
奥歯を食いしばり歩いてた

ふざけんな こんなどん底で
終わりなんかにしてたまるかよ
唾吐き石ころ蹴飛ばし帰る寒空
充血した目で見据える未来