学校行事part.2
そして、私が「Nだけ乗せて行ってもらってもいいですか?」って言う前に、Sが言った。
S「あと5分で、社会施設つくから」
一瞬、何を言われたか、わからなかった。
「あと5分の道のりで俺を頼ろうとするな。」
コイツが言いたいことは、これか。
クソが。一発、殴らせろ。
この5分の道のり、光遮るものがない、上り坂だぞ?しかも、このスピードで歩いてて、最低15分かかるぞ?
人として、最低だった。ごめんなさい。私たちが、頼る相手、間違えました。
男子2人は、諦めて社会施設の先生に知らせに行った。残りの男子2人は、Nの荷物を持った。私は、Nの背中をさすった。
後ろにいた全部の班に抜かされた。
Sも、車で私たちを抜かした。
坂の中腹で、Sが来た。いかにもイヤイヤ来た感じ。
S「もう時間ねぇから。N、乗れ。他は走ってけ」
......Nは、Sと二人きりの閉鎖空間が嫌だったが、諦めて乗った。
私たちは、走った。
走りながら、ふと、疑問が浮かんだ。
「Nがうずくまってる時、スマホ片手に車で素通りしたのって、誰ですか?」