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メインエベント

「なあ兄よ」
「どうした弟よ」
「皮肉なもんだと思わないか。今日はクリスマスだってのに、街はもうお正月気分だぜ」
「昨日が一番のクライマックスだったな」
「前夜祭が当日よりメインってなんなんだよ」
「まあそういうな、弟よ。しかし考えても見ろ」
「なんだよ」
「そんなのクリスマスに始まったことじゃないだろ?」
「まあ、そうかもね」
「誕生日に買ってきたケーキなのに前日に食べちゃったり」
「うんうん...うん?」
「学校の創立記念日を今日だと思い込んで前日に休んだり」
「お、おいちょっと待てよ」
「父さんと母さんの結婚記念日を一日間違えたり」
「それ全部俺のことじゃねえか馬鹿兄貴ィ!!!」
「ああ、そうだったけか」
「てかよくもまあそんなに覚えてるもんだな」
「記憶力だけは良い方なんで」
「でもさ」
「うん?」
「やっぱりよく考えると、寂しいよな」
「そうだよなあ」
「そうだよ」
「うんうん.........平成もあと四ヶ月そこらで終わりだからな」
「そうそうそのとお...ってその話してねえッ!!!」
「みんな『平成最後』『平成最後』って騒いでるけど来年の五月まであるからな」
「良いんだよそんな話は」
「というわけでよいお年を」
「今年もまだあるよッ!!!」

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LOST MEMORIES~Christmas ver.~

「瑛瑠、付き合ってくれないか。」
帰り道、時はクリスマス。ケーキを囲む家族や甘やかな時間を過ごす恋人たち、かたやクリスマス商戦に追われたバイトとクリスマスなんていらないと追い込まれた受験生。
そんな喧騒に飲み込まれていた瑛瑠は、英人の言葉に応える。
「いいですよ、どこへいくんですか?」
薄暗い帰り道さえ光で彩られ、浮き足だった街並みを体現している。
ふっと笑った英人は、デートと一言。瑛瑠は呆れたようにため息を吐く。
「行き交うカップルのクリスマスムードにでもあてられたんですか。」
「横に何の申し分もない女がいて、見せつけたくないわけがないだろう。」
瑛瑠はじとっと横目で見てやる。その目を見て、肩を竦める英人。
そうして瑛瑠はふと思うら、
「たしかに、隣にイケメンを置いてクリスマスの街を闊歩できるのは光栄なことですね。」
すると、今度は英人が好戦的な目を瑛瑠に向け、艶やかに微笑む。
「お手をどうぞ、プリンセス。」
ダンスパーティーにおけるマニュアル通りのエスコートを演じられてしまったので、瑛瑠はその手をとる。
「ほんと、いい性格してますね、王子様。」
どちらともなくきゅっと握った手は、冬の帰り道にも関わらず、あたたかかった。