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This is the way.[Ahnest]16

「今いるのが、ここ、テ・エストの中腹だ。テ・エストは三山脈で一番標高が低いから、明日か明後日には越えられるだろう。そんで、ここに集落がある。今歩いている道はこの集落に繋がってるんだ。ここで少し食べ物を買うなりして、休む」
アーネストはそう言うと、一番右の楕円っぽいもの(おそらくテ・エストなのだろう)を指さして、その奥の麓をグリグリと塗りつぶした。
「ただ、小さい集落だから、大したものはないかもしれない。憲兵も最近は視察にいってなかったみたいだからな。まあ、気性の荒い民族ではないから、きっと大丈夫だろう」
燃えさしを焚き火に戻した。火の粉がパッと上がる。
「言ってることはわかったわ、でも、」
シェキナが口を開いた。
「ほんとにそんなところに何かあるの?そんなところに集落があるだなんて聞いたことないわよ」
「ま、無いなら無いでいいさ。少なくとも廃墟ぐらいならあるだろ。薪ぐらいあるって」
「そうね、通り道だし、別になんてこと無いんだけれど」
「あったらラッキー、くらいだな。さ、ミートパイ食おうぜ」
話している間にパイは少しばかり焦げてしまっていた。それでもパイの中身はまだしっとりしていて、レンコンの歯応えも効いている。パリッとした皮の食感も楽しめた。雪の日は食べ物が傷みにくいのがいいよな、などとアーネストは独りごちる。

2

Advent 12/6

やっと、予定通りに書けます… 第6話”12/6”スタート↓

街はここしばらくの寒暖差で、人々の格好は、秋らしくなったり、冬らしくなったり…
今日は昨日と打って変わって、冬らしい陽気だ。
いつの間にやら、千賀橋の近くの銅像に、サンタ帽がかぶせてある。一体いつ、誰がかぶせたのだろう。落とし物なはずはないのだが―
「…、…くん、…コウくん、…入間コウ‼」
おもいっきりフルネームを呼ばれて、背中をカバンで殴られるまで、後ろに人がいることに気付かなかった。
振り向くと、久しぶりに見る顔がそこにあった。
「久しぶり」
吹奏楽部のOG…部活の先輩だった、光ヶ丘綺羅先輩が、そこにいた。
「…こんなところでフルネーム呼ぶのは、やめてくださいよ…」
「え~、だって名前読んでも振り向いてくれないからさ~もう実力行使しかないと思って~」
質問と答えが若干噛み合わない。この人はずっとこうなのだ。
「そーいやさ~、コウくんは、高校どこ行くの⁇」
「ここしばらくみんなそれ聞きますよ?」
高校の話は、あんまりしたくない、むしろ考えたくないんだよなぁ。
高校について考えてることといえば、入学したら軽音部に入りたい程度だ。
「いっそさぁ、ウチんとこ来る? ウチは大歓迎だよ? 軽音部あるし」
「え 先輩、その情報どこから…?」
「あーくららから~」
海月め、あのおしゃべりが…
俺は心の中で舌打ちした。この感じからすると、多くの吹奏楽部員がこの事を知っているに違いない。
「まぁ、頭の隅に入れときますよ」
「お、サンキュー。決まったら今度教えて」
この時ふと思い出した。例の約束のこと。みんなで集まる話―
「ねえねえコウくん、今度さ、”クリスマスフェスティバル”行くんだけど…行くの?」
俺は答えなかった。むしろ答えられない。
今日の町は冷えている―俺の未来も。

これで、「この物語」に出てくる、すべての主役を出せました。これからはその主役たちが、かわるがわる物語を語っていきます。
memento moriさん! 今日は今日中に書き上げられましたよ! どうですか!

3

ひと口

 夜勤明け、コンビニで缶ビールとチリ味のポテトチップスを買い、歩きながら飲み食いした。いい気分だった。
 雨がぱらついてきた。僕はパーカーのフードをかぶり、足を早めた。
 部活の朝練だろう。ビニール傘をさし、テニスバッグをかついだ女子高生が橋の欄干から身を乗り出し、くんくんとにおいを嗅ぐような仕草をしていた。
 すれ違いざま、女子高生がよく響く低音で、「綿のフードパーカーって洗濯物のなかでいちばん乾きにくいよね」と言った。僕は立ち止まった。女子高生が欄干に背中を預け、こちらを見上げた。僕はすぐに稲荷大明神だと気づいた。
「稲荷大明神様。どうも」
「様はいらんよ。彼女とはどうだ」
「常連になったので、顔は覚えられました」
 数日前、好きな女の子(コーヒーショップの店員)とつき合えるよう願掛けした直後、僕の目の前に現れて以来、ちょくちょくからんでくるようになったのだ。神も最近は暇なのだろう。
「そうか。まあいい。がっついたら上手くいくものも上手くいかん。恋はあせらずだ。女性は一般的に安心感が得られなければ恋愛に進まんからな。まずはいい意味で害がないことをアピールすることだ」
 稲荷大明神はそう言ってから僕の顔をじっと見つめ、「君の両親はそれぞれ出身地が違うだろう」と、傘を僕にさしかけながら続けた。
「僕は大丈夫です。どうぞ、濡れてしまいますので」
「わたしは神だ。雨に濡れたりなどせん。さしなさい」
 言われてみれば少しも濡れていない。僕は傘を受け取った。
「父は京都、母は東京です。どうしてわかるんですか?」
「魅力のある人物は塩基配列が変化に富んでいる。両親の遺伝的距離が遠い可能性が高い」
「僕、魅力ありますかねぇ」
 まんざらでもない調子で僕が言うと稲荷大明神は、「まあまあだな」とこたえた。
「まあまあならよかったです」
 僕は取り繕うように言って缶ビールを飲んだ。
「以前と比べると少しは自信がついたように見えるな。何かあったのか」
「酔ってるからですよ」
「ひと口くれ」
「女子高生にビールを飲ませるわけには」
「この姿ではまずいか」
「まずいです」
「じゃあまたな」
 僕は後ろ姿を見送った。この話は、次回に続かない。

2

Advent 12/5

さーてさて、つい30分ほど目に過ぎ去った12/5… 第5話”12/5”スタート↓

「ねぇ冷ちゃん、これ分かる~?」
「いいよ、見せて」
やっぱりあたし、冷ちゃんの友達でよかった。そんな思いを噛みしめた。
冷ちゃんはあたしと違って、勉強ができて、周りへの気配りが上手で、ザ・秀才!って感じ。
対してあたしは、集中は続かないし、そそっかしいし…自慢できるのは、抜群の運動神経ぐらい。冷ちゃんみたいだったら、そこまで今は困らなかったんだろうな~
「…鈴ちゃん、いい?」
「あ、ごめん。いいよ」
冷ちゃんはあたしに丁寧に、よくわかんない比の定理やらなんやらを教えてくれている。
もうとうにテスト2週間前は過ぎている―今日で1週間前になったところだ。
実質、1学期中間・期末当たりは、みんなめちゃくちゃ頑張ってはいなかった、まあ普通通り。
だが、2か月前の2学期中間は驚きの事態になった。
「みんなが、やる気を出している…⁉」
衝撃の事態。あたしはいつも通りやってたから、いつもは点数で勝ってる人たちに、負けた。
今回のテストは、これで受験で使う内申確定、というわけで、いつもはさわがしい教室内は、少々物々しい雰囲気だ。
あたしも、頑張らなきゃ。その気持ちでテスト3週間前から勉強してる。だけど…
「わかんねぇーーー!」
わかんないトコが多すぎて、もはや大混乱。というわけで、ここしばらく、友達の冷泉(れいぜい)ミユキこと、冷ちゃんに質問しまくってるワケ。
まあ、ほかの人もなんだが。
「…なんだけど、わかった?」
「うー、もう1回!」
わからない、といえば、この間届いたメールだ。行ける・行けないだけでも返信したいけど、まだ「その日」の予定がわからないのだ。
(まぁ、この調子じゃぁ、無理そうだな)
あたしは心の中でため息をついた。ホントは行きたいけれど…
「…どう? 鈴ちゃん」
「あ~、ごめん! ワンモア!!」
いいよ、と冷ちゃんは笑ってくれた。やっぱ、あたし、冷ちゃんの友達でよかった。

2

目と目

「本当の事を言えば毎日は 君が居ないという事の繰り返しで」
って誰かの言葉繰り返して
君への愛の言葉にして

最低な夜を超えたとしても
君との距離は変わらなくて
つまらない日々の言い訳も
楽しさも君のせいにして

ByeByeByeByeByeもろくに交わさないから
明日会っても「おはよう」なんて言えないわけでございまして
「大大大大大嫌い」がない分ちょっとの好きもないよ。
じゃあね、またね、おやすみってさ。
言って。


「今日はアタリ 今日はハズレ そんな毎日でも
明日も進んでいかなきゃいけないから」
って処方箋独断で流して
君には届くわけもなくて

愛 ラブ 言う わけもなく
手繰り寄せるでもなくて
大抵午後4時の頃には
君とさりげなく別れて

ByeByeByeByeByeもろくに交わさないから
消しゴムの「ありがとう」がなんとも嬉しかったりして
「ないないないないないよ、そんな」そんな言葉が引っかかって
じゃあね、またね、おやすみってさ。
あいつには言ってても。


知らないフリして、今まで通りで
隠していたなら何も起こらない。
でも本当はさ。
「もう要らない もう要らないよ 君の他にはなんにも」
要らないよ。


ByeByeByeByeByeもろくに交わさないから
明日会っても「おはよう」なんて言えないわけでございまして
「大大大大大嫌い」がない分ちょっとの好きもないよ。
じゃあね、またね、おやすみってさ。
言って。

言って。