あなたに好きだよって言ってもらえる あなたに想ってもらえる あなたの特別になれる そんな未来はくるのかしら どんなみちを進めばくるのかしら
この星は いつでもどこかで日がのぼる いつでもどこかで日がおちる そうやって 順番に朝と夜とをくりかえして 順番に朝と夜とを守ってる
あまぐもが流れてゆきます 偏頭痛と気怠さをのせて 洗濯物の心配と自転車で来たことへの後悔をのせて 恋人たちの想いと家族への気持ちをのせて 恵みと喜びをのせて 経験した者にしかわからない はかりしれない恐怖と苦しみをのせて かなしみといたみをのせて 記憶とぬくもりをのせて 流れてゆきます こうしてあまぐもにのった感情たちは くじらぐもにのりかえて 空のおくのいいにおいのするひかりのほうへ むかってゆきました 今年もまた あまぐもが流れてゆきます たくさんの愛の上を流れてゆきます
憎しみにちかいくらい 毒々しい色をした この世界に牙を剥く 凶器みたいなことばが 好きなのです
あなたを好きだと認めてしまえば きっとわたしはどん底へおちてしまうから 好きじゃないって 必死にいいきかせてるのに
うつくしいという言葉がにあうひとを あなた以外にしらない
わたしあなたに 愛してるぜって言われたいの
シャツが汗ではりついた きみの背中にどきっとする朝
真夜中の雨あがりの くろぐろとしたアスファルトに ヘッドライトが反射して 水溜りををまっすぐとおって 車が猛スピードで走りさるとき ふっとしたさみしさをおもいだす
わたしの世界のど真ん中に いつもでっかくあなたがいるの あなたの世界にわたしもいれて
あのひとたちが生きていた時代に 星を出発した光が 今地球に到着して わたしとあなたに影をつくる
あなたがこの世界にいるから わたしは生きているってこと 知っていてね
あなたが生きていることで わたしは今日も幸せです。 また会えるその日まで そしていつまでも 元気に生きていてください。
くすぐったがってわらうから きみのやわらかい耳たぶを なめてかじってやさしくふれて あまがみのピアスをそっとかざる
きみの好きなところから ハサミで雨空斬り裂いて 夜の青空ひろがって 月がふったらごいっしょに さあさあ今夜もおどりましょう 風のとおったベットのうえで 手をとりあってうたいましょう きみより先には寝ないから ほっとひと息ココアをのんで 大丈夫だよゆっくりおやすみ
この学校でだれがかっこいいと思う? わからない。 恋人はつくらないの? いらない。 彼じゃないとだめなの? そう。 恋人がいるかもしれないのに? 信じたくない。 どうせ叶わないよ? わかってる。 どうしてそこまで。 それでもあのひとが好きなの。
羽毛ぶとんがタオルケットにかわって一夜あけた朝 あらわになったしろいきみの脚が ぼくの足にからんでカーテンがひらく 窓からあふれたまぶしい陽ざしに まっしろなシーツがひかって目がくらんだ おきあがってきみにキスしてコーヒーをいれる トーストは一枚?二枚? 今日も毎日のつづきのはじまり
わたしと片っぽずつのピアスを 左耳につけた無口なきみが 坂をくだるふたりのりの自転車を かすかに笑いながら運転するときの からだから伝わるねつが たまらなくいとしい
あつあつになった フランパンのリンクのうえで バターがトリプルアクセルきめて ホットケーキがバク宙4回 バター再登場ではちみつと いっしょにがんばれバンジージャンプ フォークとナイフでいただきます
とくべつな色した空を うすっぺらいふとんから見上げて きみが今日かえってくることを思いだして さんぽの途中でつんだ花を 欠けたガラス瓶にかざった うだるようなあつさの午後 ドーナツあげてる夕日のチャイム
太陽が乱反射したむこうの月が 私の父だと知らされたとき ひっくりかえったサメのとなりで泣いていた母を 今も覚えている 犬と猫が恋におちるように ヤクザみたいなサメと愛しあった母は 私を縛りはしなかった 人生で愛するひとが 父とサメのふたりいる母と ひとりもいない私は マーメイドの群れのなかで ひかる真珠をながめている いつか私が陸にあがったとき 月にむかって歩いて父を迎えにいこう そうして 誰かを愛する術を太陽に問うのだ
あの日はなにも感じなくて となりで泣いているともだちを 笑いながらなぐさめていたのに 今になって もうあの日々は二度とはもどってこないのだと もうあのひとたちと馬鹿みたいに騒げはしないのだと そうおもってさみしくなるのは いったいどうしてでしょう。 そうしてやっとわたしは あんなにたいくつしていた毎日が ぬけだしたいとおもっていた三年が 宝物みたいにきれいでたのしくて 大好きだったと知るのです。
屋根をつたってやってきた はねるように空を歩いて 夜のカーテンひいていく はしごにのぼって星をぺたぺた つくったぜんぶ貼りおわったら とけいは針を真上でかさねる のこった金紙ちいさくちぎって あたりにばらまく深夜2時 スープの匂いでそろそろ朝だ あかるくなったらあなたの出番
ねむたい昼下がりの授業中 ぽかぽかしてる窓ぎわで つっぷして寝てたと思ったら いきなりむくっと起きあがって くるっとわたしに振りむいて にやっと笑って口パクで 好きだよって さらっと言っちゃう きみに夢中
からまったイヤホンほどいたら きみがふらっとあらわれて わたしの手にぎって屋上へ イヤホン半分あんぱん半分 授業さぼってラジオでおひるね 気づけば夕ぐれまっかな夕やけ しっかりたっぷりおこられて 晩ごはんはハンバーグ とっぷりくれた日のなかを ママチャリ1台ふたりのり 握手とゆびきりまた明日
いちばん星から遠くはなれた こころのそこでキスをして きみはそっとかなしく笑う もうすぐおわる愛のすきまで つまんない言葉ならべても ひとつもなぐさめになんかなりゃしない どうせ散るならひとおもい まばたきしたら緑の楽園 太陽沈んでおはようさん 月の真上で夜どおしパーティー 手をとりあって踊りましょう つめたいネコはアコーディオン ぼくはまっかなバイオリン 夜と夜とにはさまれた 白と黒とのにぎやか広場 鐘がなったらいちもくさん ベットの上でまた来年
からからからから ふったら骨の音がしそうなくらい 踏んだらくしゃくしゃにつぶれてしまいそうなくらい エジプトにいたらミイラとまちがえられそうなくらい かわいていた僕は 君にキスされて 一瞬でうるおった
貴方ってすごいね 魔法使いみたい どんなことがあっても 貴方のことを考えるだけで こえを聴くだけで ぜんぶとんでいっちゃうの ぽうっとなってうれしくなっちゃう 貴方って ほんとにまるで魔法使い
もう駄目だ 大好きだ あなたの一挙一動に まいあがっておちこんで また胸がぎゅってなる あなたのぜんぶに 脳の裏っかわがくらくらしちゃう 期待してものぞみはないのに わかってるのに やめらんない あなたのすべてがいとしいの 大げさに言ってるんじゃないよ ほんとなの ああもう駄目だな 愛してる
雨しかふらないこの国の とくべつひどい雨の日に くるったようにおどりましょう 貴女のまっかなくちびるが むらさきに変わってしまわぬうちに ばかみたいにうたいましょう めったにないほどどしゃぶりの 痛いくらいの雨のなか なんどもなんどもキスしましょう