まっしろなシーツがはためく 春の丘のうえで おおきな犬とたわむれて くるくるわらう少年 そのはるか遠くで おとなたちの身勝手な争いにまきこまれて うすい空のしたで まっかなおいしいりんごがたべたい それだけ言って目をとじた少年 ふたりはおなじ年のおなじ日に生まれた
きみのくちづけ ずっとおぼえてたいぬくもり
重力引力全部無視して君の元へ
とどろく銃声と 子どもの泣き声と 人々のうめき声が 毎日うずまく町のはずれの洞窟で かくれるようにくらしていた少年は その国の国民が可哀そうだから救いたいとやってきた 裕福な団体をあざけるようにわらって言う このよはね きれいごとですべてがうまくいくほど やさしくはないんだよ
目が覚めて君が横にいる そうやって錯覚する 雨やんで空が手を伸ばす そうやって錯覚する 錯覚したまま 空に解けてく ヘルシーな愛を サンクチュアリにキスを 気をつけて 今日も月沈む そうやって錯覚する 手を繋ぎ 二人 トロケアウ そうやって錯覚する 錯覚したまま 夜をはべらす セクシーな歌を ハートの奥に 秘密を
久しぶりにかぐ 夜のにおいに こころが疼いた
綺麗事なんて もうひとつも聞きたくないよ 聞けないよ
わたしはこのひとがすきだなあ
きみが好きだよ 涼しげな目もと 色のうすい肌と髪 空色の瞳 町の女の子たちみんながふりかえる きれいな顔だちの少年は にやっと笑って いつもとかわらない口調で あっさりそう言った
全然しらない はじめて会ったひとなのに わたしをちらっと見た あの流し目だけで もうずっと会えていない あのひとを思いだして どきっとした