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Dear

結局恨んでいたのは僕だった
何も知らなかった僕だった

「終わった時のために涙は残しておく」
そう言ってただひたすらに
目の前の壁を壊していた
それでも頬を濡らす夜があった
今までの僕が哀しむのだけは嫌だった
涙を流せる条件を忘れていた僕へ

結局恨んでいたのは僕だった
努力をしなかった僕だった
この変えられない過去なんて
隠したかった
だけど
心のどこかで誰かに見つけて欲しかった

「僕はどこに行っても楽しめるはずだから」
そう言ってただひたすらに
恐怖を見えないものとした
それでも目指すのはただ1つ
僕のゴールは1つしかないと思っていた
見えないゴールを見て自分の弱さを見なかった僕へ

結局恨んでいたのは僕だった
見えないものを見る僕だった
この変えられない過去なんて
埋めちゃいたかった
だけど
心のどこかで誰かに見つけて欲しかった

結局恨んでいたのは僕だった
結果をほめた観客でも
共に泣いた仲間でも
頭を撫でた親でもない
何も知らなかった僕だった
この変えられない過去なんて
消えて欲しかった
だけど
時は進み過去は流れ今がある
泣き叫ぼう,今までの涙なんて捨てちまえ

この瞬間からまた新しい涙を溜めていこう
今から楽しめる場所を探しに行こう
これはまだ何も知らない僕への歌

1

1話しかない物語。

朝。冬休み明け初日の朝。白い息を吐きながらホームで電車を待つ。電車に早く入りたい、、、しばらくしてやっと電車が来た。いつもの場所に友達がいる。「おはよ」そう言って私も隣に座る。冬休みのほんの少し残った宿題をやる私。隣でそれを見てる友達。終点だ。乗り換えなくては。急いで片付ける。またまた寒い空気にさらされてしばらく待てば電車が来る。今度は座れない。いつもの事だけど。次の駅。もう2人と合流。まぁその次の次で降りるんだけどね。「あけおめ、ことよろ」そんなベタな事挨拶を交わしていると駅に着く。いつもどうり、学校までの坂をせっせと並んで歩く。私たちは、早く歩くのが好きだ。信号が変わった瞬間前に出る。そういう性格なのだ。「宿題テストの勉強した?」「いや、全く」そんな会話を続ける。空は分厚い雲に囲まれ、ただでさえ下がっている気分を上から下へどんどん押されていく感じがする。


3時間目。数学。
あぁヤダな、雨降ってきちゃった。
4時間目。英語。
残り時間15分。見直しをしようか。急に光が差し込んだ。眩しいほどに。思わず外を見てしまう。あれだけ分厚い雲だったのに青空が見える。そこに風が吹いた。木が揺れる。なんて綺麗なんだろう。まるで木の先っぽにダイヤモンドがついたみたいに木が揺れるたびに太陽の光を反射したダイヤモンドがキラキラと輝く。綺麗、では表せなかった。美しかった。誰か見てないかな~。時計を見るフリして周りを見渡す。っっ誰も見てない、、、みんなにも見て欲しいと思った。あと10分、風に負けずに落ちないでいて。お願いだから,,,
10分後…
鐘がなった。やばい、見直ししてないじゃん!あっっっ!太陽がまた雲に隠れちゃった!!!しかも鐘がなった瞬間!


その後も雲から太陽が覗くことはなかった。
みんなにも見て欲しかったけど、
これは私だけが見れた特別な景色だったのかもしれないと思った。
明日からも頑張れますように。





ー[完]ー