biome
夕焼けに鳴くカラスの瞳は何色か
アスファルトが夕立に濡れて輝いた
そこから這い出した雑草は歓喜しているか
鯨の瞳に叡智が滲んでいるのは
深海の静謐を知っているからか
或いは人類の愚かさを眺めているからか
食べて飲んで生きて死んで
美しい世界だ
僕たちは生きているのか
では 生きているとはなんだ
僕たちは人間か
では 人間とは何だ
稲妻が海面を穿って
この惑星は いかにも生命だ
宇宙の空白に ほんのひとかけの涙を投げて
それを海だと言い張った
正解はない
従って疑問を抱くことだけは自由だ
愛しているよ
愛しているよ
何もかも たかだか人類の頭の中だけでのこと
砂浜から抜け出したウミガメの幼生
旅に出ようぜ
人類が皆、諦めたとしたなら
僕たちは皆、新人類さ
旅に出ようぜ
世界は実は僕たちのものだ
世界は実は僕たちのものだ
僕の人生が僕のものであるように