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哲学企画の事1

皆様、反応遅くて申し訳ございません。
哲学企画についての色々を。

はじめに何を話しましょう。
何度も言いますが、参加表明をして下さった方々に心からの感謝を。


私のもとに一つの意見が来ました。
「対話の中でその人自身の考えが変わってしまったら、その人にとって不利益では無いか。」と言うものです。
これについて私の考えを述べさせて貰うと、
これについてはケースバイケースであり、絶対に変えたくないのならそれ相応の理論武装をして下さい、
という風に思います。

それで、考えたのですよ。
皆さん、予行練習をしましょう。
ルールは以下の通り(予行練習なのでこのルールは予行練習だけのルールです。)

①予行練習の開始日は4/29。
②この日に皆、お題についての考えをここに投稿して下さい。500字を越えてしまう場合は、そこにレスをして続けて下さい。
③一通り読み終えて、出来ればでいいですが、気になる考えには質問や感想をレスしてみましょう。しかし、否定をしてはなりません。つまり、「これは間違っている!」と断言してはなりません。そういう場合には「どうしてこの考えに至ったのですか?」と聞いてみましょう。
④対話、討論は1週間まで続けていいです。
⑤哲学企画とタグ付けして下さい。
⑥参加表明した方は必ず参加しろという訳でもありませんし、必ずしも参加表明が必要という訳ではありませんし、質問したりするだけでも良いのです。

以上のルールで予行練習をします。

それで、肝心のお題なのですが、今回に限り私が出します。
ずばり、『何故上を向くとポジティブになるのか』にしましょう。(なんとか難し過ぎないのに落ち着いて良かった。)
2日間考えて、文に落としてみてください。


そして、企画名・ルール案・参加表明は募集していますが、締切が明日明後日なのでお早めにー。
では、また会いましょう。

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は?ローストビーフ?無理です

早くて明日、この世が滅びます。

刻一刻と地球へ向かって来ているという小惑星の映像をバックに、テレビの中のアナウンサーは顔を青くして告げる。可哀想に、原稿を持つその手は震えていた。

それにしてもいきなりな話だな、私はどこか他人事のように思う。ぶっちゃけ午前七時の脳で受け止めるには、事が深刻すぎたのである。

「えっ、今朝は『おめざめジャンケン』のコーナー、ないのかよ」

おれチョキで勝つ気満々だったのに、とかなんとか抜かしながら、ボサボサ頭の彼が起き出して来た。先ほども思ったことなのだが、あの小惑星、彼の寝癖の形に似ている。不可思議なカーブを描いているあたりなんか、特に。

「ねえ、明日、この世が滅ぶんだって」

あんたはどう思う?私の隣に腰かけた彼の髪を撫で付けながら、問う。良く言えばいつも飄々と、悪く言えば所構わずヘラヘラしている彼も、『終わり』は怖かったりするのだろうか。しばしの沈黙の後、彼は言った。

「そんなことよりさあ、今日、海へ行こうよ」

私は目を瞬かせる。地球滅亡を『そんなこと』呼ばわりとは恐れ入るが、話がまったく噛み合っていない。あんたねえ、私の話、聞いていたわけ?詰め寄ろうとする私を制し、彼は続ける。

「とびきりお洒落をして、海へ行こうよ。弁当も持って、車でさあ。海岸で弁当を食べながら、色んな話をしよう。その後は一旦車の中に引っ込んで、日が暮れるまで気持ちいいことをしたいのね。それで、夜が来たら海岸に戻るわけ。そうしたら、おれと、」

ここで一呼吸置き、彼は私に口付け、言う。

―――おれと一緒に、せかいから逃げてください。突然やってきた『終わり』なんかに、きみを、奪われたくない。

それは慈しむような、懇願するような、うつくしい笑顔だった。思わず滲んだ涙を誤魔化すように、私は彼を抱き締める。私は、私の奇跡を、抱き締める。

「ちんたらしていたら、置き去りにしてやるんだからね」

うわあ、怖え、ちゃんと靴紐を結んでおこう。怖いだなんてまったく思っていなさそうな彼の笑い声を聞きながら、私も笑うのだった。きみとであえたこのせかいが、わたしはそうきらいでもなかったよ、って。

そんなことよりさあ、弁当のおかずは何がいい?