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プロ野球物語特別版〜裏方と選手が支えた90年〜

舞台は兵庫県西宮、この地に建てられた高校野球専門の野球場。
球場関西から11年後、この球場の建設に貢献して球場の前に駅を設置した鉄道会社に職業野球、のちにプロ野球と呼ばれるリーグに加盟することになる野球チームができた。
その名は、タイガース。

この国を襲った悲惨な戦争による中断を経て、プロ野球のフランチャイズ制導入。
この結果、都道府県単位でのチームの本拠地登録と届け出が義務付けられ、自社路線の駅前スタジアムでプレーすることが多くなったこの虎さんたち。

伝統的に用いられる独特な黒土に含まれる砂や土の割合を園芸さんとして親しまれるグラウンド整備士が日々の湿度や気温に合わせて調整し、プロや学生を問わず、ここに集まるすべての野球選手のプレーを支えてきた。
チームをはじめての日本一に導いた背番号31の選手も、まさか自分1人のためだけに手作業でグラウンドを均してくれていたとは知らず、軽視していたが現場を見たことで心を入れ替え、尊敬してやまなかった伝説の整備士さん。
他の屋外球場では中止になりそうな雨でも、灼熱の炎天下でも昼夜問わず試合の前後でグラウンドを整えてプレーができるようにしてくれている整備士さん。

彼らが整えてくれたスタジアムで、西の猛虎、タイガースは2年ぶり7度目の優勝を果たした。
移籍選手ではなく生え抜きの選手で、純血打線と伝統と誇りを胸に活動する園芸さんが光と影で支え合って掴み取ったリーグ優勝、それもチームの創設90周年の節目となる年、新監督の就任初年度にリーグ最速記録を更新する圧勝だった。

優勝おめでとう、阪神タイガース!

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Specter children:人形遣いと水潜り その⑰

人形に退路を塞がせながら、蒼依は『冰華の腕』で殴りつける。鬼は身体を折り畳むように回避し、そのまま両腕を伸ばして長い爪で反撃を仕掛ける。
蒼依は倒れ込むように攻撃を回避しながら、『腕』を斜め上前方に向けて投擲する。倒れながら地面に手を付いて支え、足払いの回し蹴りを放つ。それと同時に、蒼依が投げ出した『腕』をキャッチした“奇混人形”が、それを鬼に向けて空中から叩きつける。鬼は伏せたような姿勢のまま横方向に身を投げ出し、両方の攻撃を回避した。
“奇混人形”は着地する直前、『腕』から手を放し、空中に投げ出された『腕』を更に蒼依が手に取った。蒼依はそれを“奇混人形”に向けて投擲し、回避行動を予測して“奇混人形”を突進させる。しかし鬼は回避行動を取らずに『腕』を受け止め、逆に奪い取ってしまった。目論見が外れたことで“奇混人形”は虚空に突撃し、そのまま前のめりに転倒する。
「ごめん腕盗られた」
鬼から目を離さず、蒼依が静かに言う。
「仕方ないよ。あとすっごいかっこ良かった」
「ありがと」
「早く倒して、腕も取り戻してね?」
「了解」
蒼依が答えたのとほぼ同時に、鬼が『冰華の腕』を振り上げながら飛び掛かった。『腕』は鬼の乱雑な扱いに合わせて滅茶苦茶に関節を揺らし、指先が木々の枝葉や下草を掠める。
その不規則な挙動を見極めようと観察していた蒼依の目の前に鬼が迫り、『腕』が直撃する寸前。
鬼が慣性そのままに倒れ込み、その手から『冰華の腕』が零れ落ちた。
(何だ……? いきなり倒れて……)
蒼依は警戒しながらも素早く『腕』を拾い上げ、冰華に投げ渡した。その掌が自然に動き、冰華の肉体に掴みかかると、腕は元の位置に再び収まった。
「冰華ちゃん? 何したの?」
「えっなんで私?」
「冰華ちゃんの腕振り回してこうなったんだから、冰華ちゃんのせいなんじゃないの?」
「まぁそうなんだけどね」

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Specter children:人形遣いと水潜り その⑯

「……蒼依ちゃん」
鬼の様子を注視したまま、冰華が小声で呼びかける。
「何」
「多節棍って使える?」
「何いきなり。まあ三節棍ならよく使うけど……」
「3も5も同じだよね」
「そうかなぁ……なんで5?」
「蒼依ちゃん、手ぇ握って?」
「ん」
蒼依が冰華の右手首を掴むと、冰華は両腕を水平に上げながら、蒼依から離れるようにステップを踏んだ。それに合わせてずるり、と彼女の腕が抜け、両腕が繋がった奇妙な身体器官が蒼依の手の中に残った。
「うっわナニコレ気持ち悪っ」
「私の腕! 武器にして良いよ!」
「いや武器ならあるんだけど……まあ良いや」
蒼依は『腕』の両前腕部を持ち、軽く振り回しながら手応えを確認する。
(節が2つ増えただけで、一気に扱いにくくなるな……柔らかいせいで絶妙に握りにくいし……まぁ、やってみようか)
蒼依が『右前腕』節を掴み、反対側の先端を叩きつけるように振るう。鬼は大きく後方に跳躍し、蒼依から大きく距離を取った。そして態勢が整うより早く再び前方に駆け出そうとして、バランスを崩して地面に倒れ込む。
(……また躱された)
蒼依は内心で舌打ちしながら、鬼の背後を見る。そこに立っていたのは、人形型に戻った“奇混人形”だった。短槍状態から人形型に変化し直し、密かに接近していたのだ。
“奇混人形”は鬼が転倒したために羽交い絞めに失敗し、素早く回り込むような軌道で蒼依の隣に戻ってきた。
(まあ、何とかして当てるけど)
蒼依が鬼を指差すと、“奇混人形”は小さく頷き駆け出した。人形は再び鬼の背後に回り込み、蒼依と共に鬼を挟撃する形を取る。

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Specter children:人形遣いと水潜り その⑮

『クカカッ……キ、キキッ……知ってるんだゼェ? 盗み聞き、してたカラ……オマエ、“喜怒哀楽”を人形にして使うンダ』
鬼は長い前髪に隠れた口を歪めながら言う。
(……冰華ちゃん家で話してたの、聞かれてたのか。窓の下にでもいたのか? まったく気付かなかった……)
『ソレに、見たゾ……オマエの“武器”、人形を3体混ぜテ使うンダ。クカカッ』
「……それが何?」
拳を握り締めたまま蒼依が聞き返すと、鬼はケタケタと笑いながら言葉を続けた。
『カカカッ! 簡単な引き算ダ! 人間は感情ゼンブを捨てル事なんか出来ネェ! ソンナ事したら、感情ある生物は抜ケ殻になっちマウからナァ! ツマリ!』
鬼が右手の人差し指を立て、蒼依に突き付ける。
『オマエが同時に扱えるノハ“3体”! 3体マトめた“武器”は投げ捨てた! もう武器ハ無ェノダ!』
嘲るように笑う鬼に対して、蒼依の表情は飽くまで冷淡だった。
何も答えず駆け出し、跳躍して勢いのままに膝蹴りを鬼の鳩尾にめり込ませる。
『ゴブッ……⁉』
揺らいだ鬼の両肩を掴まえ、蒼依は更に膝蹴りを続ける。3度、4度、5度と、ひたすら膝蹴りを続けていた蒼依だったが、鬼が上半身と両腕を振り回したことで、飛び退くように距離を取り直した。
『効かネェんだヨ!』
反撃しようと、鬼が両腕を振り上げて一歩踏み出す。次の瞬間、鬼は『後方に向けて』跳躍した。その直後、1台のスクーター(原動機付自転車)が蒼依と鬼の中間を駆け抜けた。
(バイク……?)
蒼依が原付に気を取られていると、数m先の木の幹に車体を擦らせながら停止した機体から、冰華が飛び降りてきた。
「蒼依ちゃん! 助けに来たよ!」
「冰華ちゃん。原付免許持ってたんだ」
「うん、家まで取りに行ってて遅くなった。でも絶対轢けると思ったのに……」
「流石にエンジン音でバレるんじゃ」
「そっかぁ」
二人が鬼に意識を向けると、鬼もまた原付に気を取られ脇見をしていた。

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Specter children:人形遣いと水潜り その⑭

森の中は、動物の気配すら感じられない不自然な静寂に満ちていた。蒼依は“奇混人形”を人型に変形させ、自身の前方2mほどを先行させながら慎重に進む。耳を澄ませ、夜闇に目を凝らすが、“鬼”の気配は無い。
不意に、背後から草を踏む音が近付いて来た。まだかなり距離があるようで、耳に届くのは極めて小さな摩擦音のみである。音の感触は軽やかで、足音を潜めようという様子はなく、蒼依はその音の主を冰華であると判断し、構わず前進を続けた。
『おーい、蒼依ちゃーん』
しばらく前進していると、背後をついて歩く気配が蒼依に声をかけた。
(冰華ちゃん……?)
声に反応して立ち止まった蒼依は、“奇混人形”を自身の傍に呼び寄せてから振り返った。
「……冰華ちゃん?」
小さな声で呼びかける。しかし、返事はない。
「…………冰華ちゃん……じゃ、ないな?」
『冰華だよー』
蒼依の呟きに対して食い気味に、再び声がかかる。
(やっぱり違うな)
蒼依は“奇混人形”に手を繋がせると、それを音もなく短槍の形状に変化させた。
「冰華ちゃんならさぁ……さっさと姿見せるよね?」
闇の奥から聞こえた声に向けて呼びかける。数秒待った末に、『声』が返答した。
『アオイ、ちゃーン…………ヒョーか、だ、ヨォ……』
その声は明らかに異質で、冰華どころか人間の声ですら無いと容易に確信できるものだった。その声が止むのと同時に、荒々しく草木をかき分ける音と共に、気配が接近してくる。
(正体隠すの止めたか)
短槍を構え、短く息を吐き出しながら気配の方向へ投擲する。槍は木々の隙間を縫うように飛んでいき、硬い衝突音を鳴らした。木の幹に着弾したらしい。
(外した。そして、私は武器を失った……)
徒手のままに暗闇に向けて構えを取り、相手の出方を待つ蒼依。
数瞬の間を置いて。
『ク……クカカッ』
灰白色の皮膚を持った痩躯の“鬼”が、木の枝を掴み折りながらゆらゆらと現れた。

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Specter children:人形遣いと水潜り その⑬

(横跳び……脇から打ってくるか)
現在、蒼依は“奇混人形”を生み出すために、『恐』、『驚』、『悲』の3つの感情を切り離している。そのため、鬼の不自然な動作にも驚愕は無かった。“奇混人形”を動かし、横からの攻撃に備える。
しかし、2秒弱の静寂――鬼からの攻撃が無いことに、冰華が先に気付いた。蒼依の庇護下にあったことが、逆に周囲の状況を冷静に観察することを可能としたのだ。
「……蒼依ちゃん。アイツ、来なくない?」
「……逃げたのか!」
気付いたのと同時に、蒼依は鬼が逃げた方向へ駆け出した。
「あ、待ってよ蒼依ちゃん! 私も行くから!」
僅かに遅れて冰華が、その背中を守るように“奇混人形”が続く。

数分、寝静まった村の中を走り続けると、蒼依は星明りの下に“鬼”の姿を発見した。
鬼は集落内に多く見られる畑の上を躊躇なく通り抜け、逃走行動を継続している。
(あの野郎……山に隠れるつもりか?)
蒼依がその後を追うように畑に踏み入ろうとしたその時だった。
「あああぁぁーっ!」
悲鳴にも怒声にも似た冰華の叫び声が、深夜の村に響き渡った。
「うえっ、冰華ちゃん?」
「あああアイツ! アイツ畑に! めっちゃ! めっちゃ踏み荒らしてる! スイカ、ナス、キュウリ、レタス、長ネギ! アイツ! アイツ絶対逃がさないで!」
蒼依に追いついた冰華は、叫びながら蒼依の両肩を掴んで揺さぶる。
「分かった分かった……取り敢えず放して……」
冰華が手を放すのと同時に、蒼依は軽く真上に跳躍する。彼女が着地したのは、“奇混人形”が水平に持ち上げた片足の脛の上だった。
「……打ち出せ」
“奇混人形”が放った回し蹴りは、投石機のように蒼依の肉体を高速で射出し、一瞬にして鬼の背中まで追いつかせることに成功した。
更に“奇混人形”もまた、蹴りの直後にオオワシような形状に変化し、飛行によって蒼依の手の中へ舞い戻る。
蒼依は慣性そのままに、手の中で人形を薙刀の形状に変え、鬼の脳天を目掛けて振り下ろす。しかし鬼も前方に飛び込むようにして躱し、畑から転げ出て森の奥へと逃げ込んでしまう。
「逃がすかよ……!」
蒼依は振り下ろした勢いのまま畑の土に薙刀の刃を突き刺し、薙刀で地面を押すようにして棒高跳びの要領で畑の範囲外まで飛び出した。

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Specter children:人形遣いと水潜り その⑫

初撃の勢いのままに屋外に出た蒼依から一瞬遅れて、冰華も玄関を出て引き戸をぴしゃりと閉める。それによって、冰華の目にも、家を訪れた存在の外見が映る。
灰色の体表、異常に痩せ細った長い体躯と四肢、長い尾、黒い髪に隠れた顔面、そして額から伸びる2本の捻じれた角。
「こわい! これが“鬼”なの?」
鬼の真横を慌てて駆け抜け、冰華は蒼依の背中に隠れる。
「鬼っぽさは無いけどまぁ……角はあるなぁ」
蒼依の手に合った刀剣は再び溶け、元の3体の人形に戻った。
「とにかくまぁ……」
鬼が態勢を立て直し、二人に向き直る。そこに突撃していた蒼依が跳躍し、鬼の両角を掴んで顔面中央に膝蹴りを叩き込んだ。鬼がよろけたところに、蹴りの反動で浮いた膝を再び打ち込む。再び、更に再び、何度も膝蹴りをぶつけ続ける。
呼吸の合間、僅かに連撃の速度が落ちたその時、前髪の隙間から虚ろな眼が蒼依を捉えた。
「ッ……!」
鬼が動くより早く、蒼依は角から手を放し、鬼の胸板を蹴って距離をとった。
『アァ……全く……効かネェ、ナァ……?』
鬼は首をゴキゴキと回し、ニタリと笑った。
(マジかよ……手応えはあったけど……)
冰華を庇うように位置取りを調整しながら、蒼依は3体の人形を融合させ、“奇混人形”を隣に控えさせる。
鬼が長い腕を緩慢に動かして両手を地面に付き、獲物に飛び掛かろうとする猫のような低い姿勢を取る。蒼依が片腕をわずかに上げて冰華を庇い、“奇混人形”を一歩前進させて盾にする。
次の瞬間。
鬼は両腕両脚をバネのように使い、『真横に』跳躍した。

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Specter children:人形遣いと水潜り キャラクター②

名前:水潜冰華(ミクグリ・ヒョウカ)
年齢:16歳(高校2年生) 性別:女 身長:157㎝
説明:とある田舎の村に生まれ育った少女。色素の抜けた濃茶色のショートヘアが特徴。明るく人懐っこい性格で、人間・人外を問わず、友好的な相手には簡単に懐く。友達も多い。
5年前に川遊びしていた際に誤って足を滑らせ落水。挙句、川に生息する野生の河童に襲われ、殺されそうになった。その時、ある霊能者に救われ、人工呼吸のついでに河童の血肉を強制的に飲まされ、結果として河童の体質を部分的に獲得した。
河童の血肉を取り入れたためか、河童たちからは群れの仲間として好意的に捉えられるようになり、毎日早朝に川に下りては挨拶するのが日課になっている。
落水事件の後、泳ぎが好きに、かつ上手になってきたが、これは河童を喰ったこととは無関係。高校では水泳部に加入している。実力は県大会でギリギリ入賞できない程度。

霊能力:【河童通臂拳】
能力説明:両腕が肩の内側で1本に繋がっている。そのため、片方を引っ張れば繋がった両腕がそちら側に抜けてしまう。なお、体から抜けた後でも腕の操作は可能だが、見えない場所に腕があると、上手く動きをイメージできずに複雑な操作はできなくなってしまう。
もう一つの効果として、冰華は両手の指で対象の”魂”を引っかけ絡め取り、奪うことができる。この効果は、相手の末端部を狙うほどより多くの魂を奪い取れる(頭部や体幹部よりも、手足などを狙った方がダメージが大きくなる)。

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Specter children:人形遣いと水潜り キャラクター①

名前:豊原蒼依(トヨハラ・アオイ)
年齢:16歳(高校2年生) 性別:女 身長:162㎝
説明:ある街で生まれ育った少女。痩せた体躯、癖っ毛で肩甲骨の辺りまである黒髪、目の下のクマが特徴的。服装は黒い長袖のセーラー服に黒タイツ、スニーカー。
先天的に霊感があり、また固有の才能として、感情を人形の形で切り離し操る能力があった。昔から能力と霊感の才能があったことで、人知れず街に現れる怪異存在たちを祓う活動を続けており、実戦経験はかなりのもの。人形たちは通常時はあまり攻撃力が無いため、補助や妨害目的で利用しつつ、殴る蹴るの格闘戦で怪異を攻撃する。
また、他の霊能者には自分の能力を『喜怒哀楽の感情を人形の形で切り離す』と偽っており、『3体の人形しか使えない』と偽装している。
あまり感情を積極的に発露するタイプではないが、人間、特に霊能力の無い人間は庇護対象と捉えており、穏やかに接するようにしている。ただし相手が霊能者や近い立場の者の場合、遠慮が無くなって年相応のガラの悪さが出てくる。

霊能力:【感情人形】(パッション・ドール)
能力効果:感情を掌大の人形の形で切り離し、自由に使役操作する。人形自体の能力はあまり高くない。人形とはぼんやりとだが五感の共有が可能で、意識を集中させることで人形の見聞きしている情報を取り入れることも可能。
人形として切り離した感情を、能力持続中に蒼依が感じることは無い。また、人形が破壊されても蒼依に直接のダメージは無いが、その後の10分間程度、同じ感情を人形化することはできず、その感情を感じると胸が痛む。
能力の対象にできるのは『喜怒憂思悲恐驚』のいわゆる”七情”。また、すべての感情を切り離してしまうと、抜け殻のようになり再起不能になってしまうため、最低1つは感情を自分の中に残しておく必要がある(実質的に同時に使役できる人形は6体まで)。また、切り離した感情が何であっても、人形の性能に差は無い。
必殺技:《奇混人形》
【感情人形】で召喚した人形を『3体』融合させることで、1体の大型人形に変化させる。奇混人形は蒼依と同程度の体格のデッサン人形のような外見で、身体能力・耐久力ともに極めて高い。また、蒼依の思う通りに形状を変形させることが可能で、武器の代わりに用いることもある。蒼依が一番気に入っているのは三節棍型。